共通テスト72%からの逆転合格‼早稲田大学人間科学部合格

志望校はない。

やりたいこともない。

希望はただ一つ。

「MARCHにはいきたい。」

MARCH合格の準備と部活との両立を図った3年間。

最終的に早稲田大学人間科学部に合格するまでの成績推移・取り組み・入試戦略を紹介します。

目次

生徒情報

高校:三田高校

部活:弓道部・剣道部

ベネッセ模試の推移

実施回国語偏差値数学偏差値英語偏差値
高校1年 7月58.658.360.9
高校1年 11月61.34358.3
高校1年 1月58.250.356.4
高校2年 7月55.54566.8

合格校

大学学部学科
早稲田大学人間科学
青山学院コミュニティ人間科学
立教大学コミュニティ福祉
武蔵経済金融
武蔵経済経営
駒澤政治

経過

きっかけ

小学5年生から通って高校受験を終えました。

そのまま高校講座も継続してくれました。

生徒アンケートには「自分から勉強することがない」とあります。

高1

中高一貫の生徒に比べて、高校受験をした生徒が大学入試結果において劣るとよく言われるのですが、以下の2点が原因として挙げられます。

1中高一貫性に比べてカリキュラムの差があるのに、高1・2年で遊びすぎること。

2準備期間が足らないのに国公立を志望して、高3夏明けに私立に変更すること。

私大or国公立と文理選択は早期に決定し、希望に応じた準備を高1からしておくことが大学受験で成功する条件です。

高校生になるタイミングでの希望は

・高校では勉強だけではなく、部活などの学生生活も満喫したい。

・大学はMARCH系列には合格したい。

数学が苦手だったので、迷うことなく私立文系を希望していました。

高1・高2で高校英語講座を受講したのは、高校生活と受験勉強の両立という意味ではバランスが良かったと思います。

普段は弓道部に連日参加し、夜は週1回の英語の授業(90分)・授業の課題(120~180分)・確認テスト(30~60分)を行いました。

それに加えて学校の宿題や予習を塾のない日に一日2時間の勉強をしていました。

この文面を読むと立派に見えます。

英語は塾の管理なので、しっかり勉強させました。

しかし、他の科目は学校の課題を終わらせるだけで、定期テストは赤点にならない程度のいい加減な勉強です。

学校で年に数回受験したベネッセ模試の成績は、塾の英語を受講している割に他教科と比べて偏差値は変わりませんでした。

これは塾のカリキュラムとベネッセ模試で出題される形式がマッチしていないからです。

塾では高1の英語は文法・語彙をしっかりと勉強します。

しかし、模試では長文問題などが総合的に出題されるので、点数がとれていませんでした。

ベネッセ模試の成績には表れていないものの、英検2級を取得し、塾の授業内のパフォーマンスや確認テストの結果は上々でした。

高2で長文読解を本格的に勉強すれば、成績が上がる見通しはありました。

高2

コロナ禍の休校期間が終わっても、部活は思うように活動できませんでした。

英語講座は英文解釈・読解に入りました。

高1のときからずっと下がり続けていた偏差値は、高1の時に鍛えた文法・語彙に加え、高2で勉強している英文解釈や読解のテクニックが身に付き、一気に66.8まで上がりました。

年度内に、日東駒専レベルの英語の過去問では、8割前後は取れるようになりました。

部活がなく時間を持て余していたので、夏頃から古文も勉強するように提案しました。

古典文法や古文読解の参考書を購入して、毎日1~2時間程度は塾で勉強していたようです。

しかし、ベネッセ模試や定期テストの古文の結果を見ると、成績が上がっていませんでした。

一人だと勉強をしっかりできない生徒でした。

高3

新年度が始まる前に希望する大学・学部・浪人の有無・一人暮らしの有無・通学距離の限界など聞き取りました。

(1)希望

・希望学部なし

・浪人×

・一人暮らし×

・MARCHを最低限で、できるだけ上のレベルにいきたい

・移動時間については具体的な数字はないものの、なるべく近場がいい

(2)受験校を決めるまで

希望の学部もなければ、希望の大学もないので、受験校選定の基準は

・大学の入試問題と本人の相性

・上のランクの大学と確実に抑える大学の受験校バランス

を最も配慮しました。

受験プランは、本人の希望学部と模試の成績をベースに作成するのが一般的です。

しかし、模試の合格判定と入試結果は、大学ごとに試験科目・出題範囲・出題形式が全く違うので、必ずしも一致しません。

本人の適正に合わせた勉強をすれば、模試の判定が届いていなくても逆転合格は可能です。

時期に応じて東進、河合塾、代ゼミが実施する模試を受験しました。

受験したすべての模試で、志望大学・学部の判定は、E判定でした。

受験校を決める上で、もっとも基準になるのが「過去問の結果」です。

普段の勉強の姿と実際の数値を比較することで、その生徒の最大値を狙えます。

比較するためには正確な学習状況を把握することが必要です。

過去問は時間をしっかりと守り、ちゃんと点数をつけて記録したものがないと検証できません。

ここが問題でした。

知られると都合の悪いものは隠すタイプで、さらにプリント管理などもできない生徒でした。

今週の勉強を見ようにも記録表を家に忘れることや、そもそも記録し忘れることが多発しました。

大学入試の問題は1教科の時間が長いので、全部の過去問を塾で実施するのが難しいです。

適正な過去問実施のために塾で過去問をやると、やり直しをチェックする時間が減ります。

一方、家で過去問を解いてきてもらうと、情報を正確に把握できません。

この矛盾を解決するのは難しく、本質的な改善は最後までできませんでした。

そこでアプローチを変えました。

数字は参考値程度にとどめ、講師の目で見た勉強の定着状況と入試パターンを掛け合わせることで、合格を取りに行く戦略を取りました。

リスクとして

・ギャンブル要素が高いので勝率は下がる。

・様々な入試形式、入試日程を検討するため受験校は増える。

・学力特性に合わせた受験なので、興味のない学部に通う可能性や通学時間が長くなる可能性がある。

上記3点が挙げられます。

本人は、置かれた環境で楽しめるタイプなので、MARCH以上に合格できるなら、通学時間や学部は問題ないとのことでした。

(3)試験日程と受験校選定

留意したのは、大きく3つです。

・移動のストレスや負担を軽減すること

→同じ大学を受験することで、同じ試験会場で受験できるようにする。

・体力温存をしながら多くの受験をすること

→小論・TEAP・共通テスト併用入試をすることで、当日の受験科目を少なくする。

・準備の手を広げすぎないで、戦い方と戦う相手を変えること

→勉強する科目は英・国・社の3科目のまま。一般・共通テスト利用・共通テスト併用・英語4技能など、入試制度にバリエーションを持たせることで、競争する受験生や競争する方法を同じにしない。

この指標で選んだのが駒澤大学、法政大学、立教大学、青山学院大学、上智大学、早稲田大学でした。

(4)実際の入試

【1月中旬】

当初の予定では、共通テストの結果を利用して、駒澤大学の合格を確保。

その後、共通テストの結果と併用して上智・青学を受験予定でした。

しかし、共通テストの結果は、英語159・国語143・日本史59。期待を大幅に下回る結果でした。

共通テストを利用した入試は、ほぼ期待できない結果です。

上智大学は出願回避、駒澤大学は共通テストリサーチではB判定でしたが、念のため武蔵大学の個別入試を出願しました。

大学名学部名試験方式
駒澤法/文共通テスト利用
武蔵経済個別3科目
法政キャリアデザイン/文全学部3科目/個別3科目
立教コミュニティ福祉/法当日は国語・日本史、(英語は英検スコア利用)
青山学院社会情報/地球社会共生/コミュニティー人間科学/教育人間/文当日は小論文・論述・独自問題などの1教科、(2科目は共通テスト結果を利用)
早稲田文/人間科学/教育/社会学個別3科目

【2月上旬】

武蔵大学は2学科受験して、どちらも合格しました。

しかし共通テストの結果がショックだったのだと思います。

共通テスト以降、「とにかくMARCHを確保したい。」という想いが、発言や行動に強くでていました。

「MARCHに合格できれば十分。」と言っている生徒が、MARCHに合格している姿をほとんど見たことがありません。

早慶に行きたくて必死に勉強しても、MARCHにしか合格できないのが現実です。

本命は早稲田というハードルを下げずに早稲田対策をメインに学習計画を作成しました。

実は、早稲田対策をメインにしていたのは他の理由もあります。

共通テストの結果が、期待を大きく下回ったので、個別入試のほうが共通テスト併用型よりも合格可能性が高いと予想していました。

共通テストの結果をベースに受験する青山学院よりも、全受験生が同じ条件で受験する早稲田のほうが、この段階では一番逆転可能でした。

また、出題内容もMARCHよりは早慶のほうが難しいです。

早稲田の個別入試対策を行えば、結果として立教の国社・青学の英語の対策も兼ねることができます。

受験する大学の問題よりも大きく負荷をかけ、当日のテストが一番簡単だったと思える状態を作ることを目指しました。

つまり、表では早稲田が本命と言いながら、裏ではMARCHを確実に取ることに注力していました。

模試や共通テストの結果からみて、早稲田は記念受験的な色合いが強いものの、早稲田も受験する以上は合格をとりにいく算段をしました。

早稲田は、文学部・教育学部・人間科学部・社会科学部を受験しました。

日本史と古文・漢文以外は、早稲田の問題でも安定感があったので、展開次第で勝算はありました。

国語が得意だと有利な文学部・英語が1.5倍になる教育学部・全教科問題が難しい社会科学部・全教科平均的な人間科学部。

過去問の取れ高・過去の受験者平均・合格者最低点・本人と問題の相性を総合的に見ると、一番自力での合格が望めるのが人間科学部でした。

人間科学部をメインに問題集や他学部の過去問を使用して対策しました。

【2月中旬】

続々とMARCHの合否が発表されました。

青学・立教が1学部合格している状態。

その後の繰り上がりで青学3学部・立教か法政の1学部繰り上がりが理想的な展開でした。

しかし、実際は厳しい結果が続きました。

2月17日からの早稲田受験の前に発表のあった青山学院3学部・法政2学部・立教1学部は全滅。

まだ青山学院2学部、立教1学部の発表が残っている状態でした。

しかし、合否未発表の学部は、発表されている学部よりも難しい学部だったので、見通しは暗いものでした。

これも表面上は厳しい展開でしたが、実際は楽観視していました。

近年、各大学は大学定員厳格化によって、一度に多くの正規合格者を出さなくなりました。

そのかわりに補欠を多く出したり、合格発表を複数回に分けたりすることで合格者の人数調整をしています。

武蔵大学の入試結果では8割以上取れていましたし、塾での勉強内容をチェックしている分には、1回目の正規合格が難しくても、いずれ繰り上がる水準にいると思っていました。

このときに一番恐れていたのは、繰り上がる可能性が高いと伝えることで変な期待をしたり、「もうどうせ全部落ちるんだ」と無気力になったりすることでした。

「もう早稲田しか残っていないからやるしかない」という開き直りと、目の前の一問に夢中なるのが望ましい状態でした。

2月の上旬から、試験の前日は塾に来ないで、自宅で翌日に備えるという生活を送っていました。

しかし、17日の早稲田の文学部が終わった後だけはオンラインで面談をしました。

すると「得点調整が~」・「倍率が~」・「掲示板では~」など自分のやってきたことではなく他の受験生の動向や得点調整など自分ではコントロールできないことに気が向いていました。

焦りや諦めはあったと思います。

翌日の人間科学部に向けて、問題傾向・時間配分・解く順番・傾向が変わったときの対応法などの最終確認と明日に向けての心構えなど自分がコントロールできることに集中するように話をして面談を終えました。

試験後に感想を聞くと「国語が人生で一番難しかったです」とラインがきました。

やたらと饒舌な時は、本人がダメなことを自覚しているときなので、一言しかコメントがこなかったのは期待できそうだと思いました。

2月24日。立教が1学部繰り上がりました。

そして2月27日に早稲田大学人間科学部合格。

その後、3月1日に青山学院を繰り上がり合格して全日程を終了しました。

成功の要因

一点目は、早稲田を本命にして対策を続けたこと。

共通テストの結果だと早慶上理レベルい合格するのは、厳しい状況でした。

この段階でMARCHを本命に変えて、3科目の個別入試に注力した方がMARCHを確実に取れたと思います。

しかし、MARCHを本命にするのではなく、あえて早稲田の対策に多くの時間を割くことで、 MARCHだけでなく、早稲田の合格を手にすることができたと思います。

二点目は、エース科目があったこと。

どこの大学の過去問をやっても、英語と現代文は一定の得点が取れていました。

一方、古文・日本史は点数が安定しませんでした。

勉強をしていなかったわけではないので、問題によっては高得点を取ることもありました。

受験校を多く用意すれば、自分にフィットする問題が出題される可能性はありました。

三点目が、3年間継続したこと。

高3だけで成績を大幅に上げるのは、非常に難しいです。

高1から塾に来て、毎日2時間程度勉強していました。

目的・計画をもって一生懸命やっていたわけではないです。監視の目が届かないところでは、しっかり手を抜いていました。

しかし、早稲田に合格できるレベルに持っていくことができたのは、間違いなく高校三年間の継続があったからだと思います。

四点目が、できるだけ多くの受験校を用意したこと。

まったく対策をせずに受験校を増やしても、あまりいい結果は生まれません。

しかし、十分に対策できるのであれば、なるべく多くのチャンスをつかんだほうが、その分よい結果になる可能性も高まります。

まとめ

受験に奇跡は起きません。

生徒の使える時間・能力・特性・狙える最高値を見通して対策しました。

だから模試の判定が悪くとも、多くの大学に不合格になりながらも、早稲田大学に合格できました。

大学受験を成功させるのに、本人の努力は当たり前です。

しかし、家だと遊んでしまったり、机に向かっていても集中できなかったりする受験生は大勢います。

また大学受験は、情報戦です。

各大学の入試情報・模試結果などの数値の情報だけではなく、本人の性格・モチベーションなど数値に現れない情報を把握することも大学受験の成功には必要です。

東都ゼミナールの大学受験講座は、学習管理と映像授業のサービスをベースにしながら、状況によって個別指導・質問対応もできます。

数多くの似たサービスがあります。

しかしサービス内容は同じでも、提供するサービスの質が違うから、全受講生が早慶上理に合格できました。

一人では勉強がはかどらない。

何をすればよいかわからない。

どこの大学がいいのかわからない。

上記でお困りなら、問い合わせフォームよりお問い合わせください。

生徒ひとりひとりの状況をしっかり把握して、入試戦略・勉強プランをたてるので7名限定で募集しています。

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