高校入試で成功するために重要な要素である「内申点」。
期待した内申点にならず苦労している方も多いのではないでしょうか?
内申点を上げる方法について紹介します。
内申点を上げるための方法
内申点をアップする裏技とは?
内申点を上げる裏ワザは、学校の先生に自分を好きになってもらうことです。
その方法は、自分が好きな人に好意を持ってもらう方法と同じです。
たとえば、清潔感がない見た目の人よりも清潔感がある見た目の人の方が、好意もたれる確率は上がります。
収入も低い人より高い人の方に好意を持つ人が多いでしょう。
太っているより締まっている体型の方が好感を持ってくれる確率は上がりそうです。
小さいボソボソした声よりも、はっきりと元気よく話す人の方が好意を持つ人は多いのではないでしょうか。
ただ人によって好みは違うので、体型や収入を気にしない人もいれば、元気がいいとうるさくていやだという人もいます。
だから、これをやれば絶対に好意を持ってもらえるという方法はありません。
しかし好意を持ってもらうために必要な要素は、ある程度共通しています。
先生からの評価も同じです。
内申点が高い中学生にも共通点はあります。
中学3年生が内申点を上げるための効果的な対策
内申点を上げるために効果的な対策は、おおきく3つあります。
テストの点数を上げる
結婚生活の例えだと、いまは色々なケースがあるので、一概には言えません。
それでも結婚相手にもとめる条件の中で、「収入」は高い割合を占めるのではないでしょうか。
どれだけ性格が良くても、生活の基本となる経済力がないと結婚になかなか踏み込めません。
この結婚での収入の要素が、内申点でのテストの点数です。
以前よりは、テストの点数は評価の割合の中で減りました。
しかし、どれだけ性格が良くても、50点や60点で評定4を取ることや70点台で評定5を取ることは難しいです。
まずはテストの点数はしっかりとりましょう。
提出物の質を上げる
好きな相手へのプレゼントと同じです。
もらって嬉しいプレゼントと哀しくなるプレゼントはありますよね。
誕生日プレゼントに鉢植えの菊の花をもらって喜ぶ人が世の中にどれほどいるか…。
相手の好みや場面を考えずに渡したプレゼントは、むしろ逆効果になることがあります。
同様に、先生の好みを考えない提出物を出しても、マイナスはないかもしれませんが高い評価はされないはずです。
授業態度を良くする
高収入でプレゼントのセンスがよくても、暴力をふるう相手を好きになりませんよね。
また、明るく元気がいいことをウリにしていても、自分の親族の葬式でも同じテンションだとしたら相手は不快に思うのではないでしょう。
授業態度も同じです。
テストの点数が良くて提出物の完成度が高くても、授業中に他の生徒の邪魔をする生徒や先生が話をしているときに質問する生徒など、授業の空気感や進行を乱す生徒は高く評価されません。
内申点をアップする時期と注意点
本格的に内申点を意識しなければいけないのは、2年生3学期です。
東京都の高校入試では3年生の2学期の評定だけを使用しますが、3年生の2学期だけを頑張っても評定は上がらないでしょう。
これも恋愛と同じです。今までさんざん意地悪してきた人が、急に優しくなったところで相手の心が動くことは少ないです。
一方、いつもデートの時間を守る人が、たまたま体調不良で時間に遅れたとしても、相手は許してくれるのではないでしょうか。
普段からの行動が大事なので、最後の3年生2学期だけ頑張っても評価されないですし、逆に3年1学期まで頑張ってきた人が3年生2学期だけすこし失敗したとしても成績が下がるケースは少ないです。
また、今までやってこなかった人が、最後だけ頑張ることはできないということを中学生を長年教えていて感じます。
いくら高校受験で内申点が大事だとわかっていても、中学1年生から積み重ねてできた習慣や態度は簡単に直りません。
また一番の問題は、授業態度や提出物のクオリティなど本人がコントロールできるものは、本人の頑張り次第でどうにかすることができます。
しかし、先生が生徒に持っているイメージや印象は自分でコントロールすることができません。
たとえば、ずっと提出物をいい加減に出していた生徒が3年生になって心を入れて変えて、丁寧な提出物を出したとします。
「この子は3年生になって、頑張るようになったな。」と評価する先生もいると思います。
一方、「3年生になった途端、きれいな提出物を出してくるのは、内申点欲しさが見え透いていて嫌だな。そう簡単には評価しない。」と思う先生もいるのではないでしょうか。
だからこそ、最低一年間は先生に好きになってもらう行動をとらないと、先生の評価を変えることは困難でしょう。
内申点の計算方法と内申書の重要性
都立高校の入試制度の基礎知識
都立高校の合否は以下のように出ます。
・内申点(通知表の評定)+学科試験(当日のテストの点数)を1000点満点に換算した点数に、EAST‐Jと呼ばれる英語のスピーキングテストの最大20点を加えた点数で合否を決定。
・学科試験は500点満点のテストを700点満点、内申点は65点満点を300点満点の点数に換算。
・実技4教科の内申点は2倍にして、最大65(5×5教科+5×4教科×2)
内申点の計算方法の例
以下の例を使って、入試のときに使う内申点を計算します。
科目 | 英語 | 国語 | 数学 | 理科 | 社会 | 技家 | 音楽 | 美術 | 体育 |
評定 | 4 | 4 | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 5 |
STEP1 通知表の基礎点を出す方法
1.主要5教科(英・国・数・理・社)の5教科の合計
4+4+3+3+4=18
2.実技4教科(技術家庭・音楽・美術・体育)の合計を出して、その合計を2倍する
(3+3+3+5)×2=28
3.主要5教科と実技4教科を合算する
18+28=46
これで、通知表の基礎点が出ました。A君の基礎点は46です。
内申点は300点に直されるので、次はこの基礎点を300点満点に換算します。
STEP2 300点満点に換算する方法
【公式】65:300=自分の基礎点:X
この式で、内申点が出ます。実際にやってみましょう!!
65:300=46:X(外側同士と内側同士で掛け算をします。)
65X=300×46 (Xを求めます。)
X=175.3
これで、A君の内申点がでました。A君は175点が内申点ということになります。
当日のテストで必要な点数な点の出し方
では、次に当日のテストで必要な点数の出し方を紹介します。
先ほどの内申点の生徒が、城東高校を受験する場合を考えます。
ここで必要なのが「高校受験案内」です。
なるべく早いうちに書店などで購入してください。
年度によって若干の上下はありますが、城東高校は1020点満点中805点を取れば60%の確率で合格できるようです。
それを基に計算しています。
仮にスピーキングテストの点数が18点だったとします。
城東高校合格に必要な総合得点=805…①
A君の内申点=175点…②
スピーキングテスト(EAST‐J)=18…③
①-(②+③)=612点
700点中612点を取れば、合格の可能性があります。
この点数は、500点満点のテストの点数を700点満点に換算したものです。
ですから、500点満点だと何点なのかを調べなければいけません。
当日のテストの点数を調べる公式
700:500=(受験案内に掲載されている点数‐内申点をひいた点数):Y
これを先ほどの例で考えると
700:500=612:Y
700×Y=500×612
Y=437.1
ですから、このケースでは437点取れば、60%の確率で合格できることがわかります。
5科目の合計が437点なので、1教科平均は
437÷5=87.4
つまり1教科88点とっても合格率60%です。
このケースでは、かなり合格する見込みは低いことがわかります。
内申点アップのための態度や行動のポイント
内申点アップのために態度や行動のポイントは「先生から好かれること」です。
そのために必要な授業内の態度は、以下の6点です。
先生の目を見ながら、話を聞く。
話を聞かなければ先生の指示を守れないですし、生徒が思っている以上に先生からは生徒が見えます。
先生は一生懸命授業準備をして授業に臨んでいるので、一生懸命話を聞いてくれる生徒をかわいく思うものです。
板書内容や指示された以外のこともノートやプリントにメモする。
ノートや授業のプリントを提出する授業もあると思います。
書かれたことだけを記入するのではなく、先生が話していることも積極的にプリントやノートにメモしましょう。
メモを取るのは、先生の評価を上げるためではなく、先生の話した大事なところを忘れないためです。
すると集中して授業を聞けるようになり、無駄なことをメモしても意味がないので、考えながら話を聞くようになります。
結果、テストの点数アップにもつながるはずです。
頬杖をつかず背筋を伸ばして座る
自分が先生の立場だったら、「頬杖をついて姿勢のだらしない生徒」と「しっかりと背筋を伸ばして話を聞く生徒」では、どちらに好感を持ちますか?
また先生の話を聞きながらメモするには、姿勢が悪いとすぐにメモできませんよね。
話を聞きながらメモをとるのは、だらしない姿勢では大変です。
質問には積極的に答える
人によっては一番難しいことかもしれません。
内申点で困っている中学生は、大きく2つに分かれます。
まずは、そもそもテストの点数が悪いタイプ。
このタイプは、勉強を頑張ってテストの点数をあげれば評価も上がります。
授業の積極性も大事ですが、基礎点となるテストの点数をあげましょう。
もう一つのタイプは、テストの点数は高いのに学校の先生からの評価が低いタイプです。
このタイプは、積極的に発言することが苦手なことが多いです。
おそらく学校の先生の話をしっかり聞いているし、ノートも取っていると思います。
しかし学校の先生からするとテストの点数が高い生徒なら、授業は聞いていて当たり前なので、その分野で評価をしてくれません。
恥ずかしいかもしれませんが、成績のために積極的に授業に参加しましょう。
ありのままの自分を好きになってもらえないなら、自分が変わるしかありません。
周りの空気に流されない
隣の席の生徒が話しかけてきたり、先生の意図しない方向に盛り上がったりすることがあります。
先生の評価を下げたくないなら、授業中の私語は厳禁です。
隣の席の生徒が話しかけてきても、相手にするのは辞めましょう。
問題は、クラスメイトの一人が先生の質問に対して見当違いの解答をしたせいで、クラスで大笑いが起きたような場合です。
このタイミングで多少大きな声で笑うのは、基本的には許容されるはずです。
しかし、いつまでも切り替えない行動は、先生の心証を悪くします。
盛り上がっていい場面と真剣に聞く場面の線引きができないなら、一切参加しない方が無難です。
授業に活気を与えてくれるプラス評価よりも、授業を邪魔するマイナス評価になる可能性が高くなります。
一番のデメリットは、先生に授業を邪魔する生徒という印象を持たれることです。
このような印象をもたれると、良いことをしても評価されないし、少し悪目立ちすると過大に悪く評価されます。
ノートの字は丁寧に書く
ノートを書く理由は、自分がテスト勉強で読み返すためと先生に提出するための二つの目的があります。
他人に読ませる目的もあるため、きれいな字を書きましょう。
上手い字を書くのではなく、先生に読みやすい字を書いてください。
大切なのは、自分がどう思うかではなく相手がどう感じるかです。
内申点アップのための評価基準と注意点
内申点を上げるために必要な基本的な知識と実態
通知表の評定は、「知識・技能」・「思考・判断・表現」・「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を、それぞれA~Cの3段階でつけます。
その3つの項目の評価を総合的に判断して1~5の5段階で評定はつけられます。
生徒の通知表をみていると
・「知識・技能」は、テストの点数。
・「思考・判断・表現」は、グループでの発表・提出物の質とテストの応用問題の正答率。
・「主体的に学習に取り組む態度」は、授業への積極性や貢献度と提出物や発表の質。
これらを基準にA~Cの3段階の評価がされているように感じます。
しかし、生徒の通知表を見ると知識・技能の項目は試験結果と相関性が高いものの、他の項目については究極的には先生の好みでしかないと感じることは多々あります。
評価の理由はあるようですが、つまるところ授業担当が決めた結果ありきの理由だと感じることが多いです。
学校批判をしたいわけではありません。
同じものをみても人によって評価は変わるので、人が人を公平に評価するのは基本的に無理だと思います。
挙手の回数や提出物を点数化するのは、客観性や公平性を担保する合理的な方法だと個人的には思います。
中学生にできることは評価や制度に文句を言うことではなく、内申点が欲しいなら先生の決めたルールで勝つことです。
部活動と内申点アップの関連性と影響
内申点のために部活動を辞められないと相談を受けることがあります。
基本的に部活動は内申点に関係ありません。だから、部活をやっていると内申点で有利に働くことはありません。
ただ一部の私立高校では3年間部活動をやっていると評定に加算されることがあります。
また部活の顧問の科目は、いい評価を受けやすいと思っている方もいるようです。
しかし、これも基本的にはないと思います。
部活動を通じて本人の性格を理解してもらったおかげで、少し羽目を外しても先生が気にしない可能性はあります。
一方、部活動での普段の行動せいで、先生に悪い印象を与えている可能性もあるでしょう。
だから部活動をやっていると内申点にいい影響を与えるということはなく、結局は生徒個人の問題です。
部活動は内申点のためではなく、自身の健康や楽しみのために参加しましょう。
評価に納得いかないとき
評定に納得がいかないときや自分が思っていたよりも低いときは、先生に文句を言うのではなく質問にいきましょう。
評価の理由や評価を上げるための具体的な行動を先生に聞いてみてください。
担任の先生では各科目の詳細はわからないので、各授業担当の先生に聞きにいきましょう。
事前に質問する時間を約束すれば、しっかりと質問に答えてくれるはずです。
まとめ
先生は客観的で公平な評価をつけようとしていますが、主観を排除することはできません。
内申点を上げるために大切なことは「先生に好きになってもらうこと」です。
そのためには必要なことは以下2点。
真摯に授業に取り組む。
自分の授業を一生懸命受けてくれる。
読みやすい字でノートや提出物を書いてある。
テストの点数を上げるために板書をしなかったことをメモしてある
わからないことがあれば質問にくる。
そんな生徒を嫌う先生はいるでしょうか?
そして真摯に取り組む生徒は、テストの点数もそれなりに取れているはずです。
大人になる
相手の喜ぶことや要求に応えるには、感性や行動が子どものままではできません。
大人の感性や発想が必要です。
今の自分では内申点が上がらないのであれば、自分が変わるしかありません。
今回紹介した「授業中に話したくなっても我慢すること」や「ノートを書くことが面倒くさいと思っても、できる限りきれいに書くこと」は、先生に好かれるための小手先のテクニックではありません。
授業を真摯に取り組むための行動を具体化しただけです。
内申点を上げるためには、前提としてテストの点数をしっかりと取ること。
それに加えて、自分がどう感じるかではなく相手がどう感じるかを考えて行動しましょう。
そうすれば先生の評価も上がるので内申点も上がるはずです。