1学期のテストが終わると、すぐに夏休みです。
夏休みの過ごし方は、秋以降の学力に大きく影響します。
はじめてのテストが上手くいかなった中学1年生。
勉強が難しくなってきた中学2年生。
受験がせまる中学3年生。
どの学年でも、勉強面に問題を抱えている方はいると思います。
何もしなければ学力の問題は解決せず、周りとの差はひらくだけです。
ここでは、秋以降に飛躍するために必要な夏休みの勉強時間と自身で勉強をするのが難しい場合の解決策を紹介します。
夏休みは、何をどれくらい勉強すればいいのか?
勉強内容
1,2年生は、既習範囲の復習+2学期の先取りをしましょう。
復習と先取りのバランスは、子どもによって異なるので、一概には言えません。
なるべく先取りができる時間を多く取れるように、勉強のスケジュールを立てた方が良いです。
偏差値70を超えるような難関校に行きたい中学2年生は、この夏からが本番です。
進学塾ではカリキュラムがどんどん進み、2年生が終了する2月までに3年生の範囲はすべて終わります。
難関校への進学を希望する方はどんどん勉強を進めないと、どんどん周りと差ができます。
3年生は、カリキュラムを一通り勉強して、9月からは、総合問題や過去問に入れるようにすることが理想です。
学校のペースに合わせると十分な入試対策をする時間がありません。
難関校に行きたい子どもなら、一刻も早くカリキュラムは終わらせて、過去問の演習に入りましょう。
夏から過去問演習に入る進学塾も多くあります。
勉強時間
勉強内容同様、置かれている状況や目標で勉強時間は変わります。
大切にしたいのが、生活リズムです。
極力、普段の生活と変わらないように生活するほうが、よいとされています。
そこで、勉強時間を決める一つの目安になるのが、学校の授業時間です。
学校では、通常6時間の授業があるはずです。
それに加えて、塾にも多くの方はお通いだと思います。
その場合には、2~3時間は塾で勉強するはずですよね。
学校での授業時間6時間+塾での授業時間の2~3時間の合計である8~9時間が、夏休みの勉強時間として、妥当ではないでしょうか?
8~9時間の勉強時間は、長いように感じます。
しかし24時間の内訳を考えると、睡眠で8時間、お風呂や食事の時間の合計が3時間だとしても、13時間残ります。
8時間勉強をしても、5時間もゲームや趣味にあてる時間があります。
部活があっても、5~6時間程度は勉強時間を確保できます。
ただ、部活は子どもがやりたくてやっているものなので、ゲームと同じ扱いでもよいと思います。
実際に、東都ゼミナールの卒業生でも、夏で成績を上げる子どもは、部活5時間+ゲーム3時間という生活をしていません。
塾での授業時間+宿題を行う時間で毎日5~6時間程度の勉強をしています。
勉強時間の注意点として、勉強時間だけを目標にしないほうがよいです。
1日の勉強時間は勉強内容で決めましょう。
たとえば1時間で3ページできるテキストがあるとします。
5時間勉強するなら、15ページできるはずです。
5時間を目安に15ページを勉強するという目標設定がおすすめです。
時間は、何かをしても何もしなくても、経過します。
だから、勉強時間を目標にしてしまうと、勉強をやった気になっただけの子どもは、多くいます。
特にダラダラするタイプの子どもには、時間だけの目標設定は勉強の効果が出ません。
自分でやるのが難しいなら夏期講習会に参加も検討
自分で目標を立てて、実践できていれば、成績面で困っていることはないですよね。
わかってはいるけど実践できないという子どもは多いです。
そこで学習ペースを作るために、夏期講習に参加することを検討してはいかがでしょうか。
夏期講習に参加すれば、勉強時間も確保できて、勉強内容でも迷うこともありません。
さらに自習室のある塾なら、家で勉強をするよりも、ゲームなどの誘惑が少ないため、効果的に勉強が期待できます。
夏期講習では何をするのか?
塾によって異なります。
一般的に、集団指導やグループ指導の進学塾なら、1学期までの復習と2学期の先取りを行う塾が多いです。
個別指導塾なら、子どもの状況に合わせて、復習を中心に行うか先取りを中心に行うかを選べます。
どういう塾を選ぶべきか?
子どもの学習状況と目標に応じて選びましょう。
復習と先取りをバランスよく勉強したい方や他の中学生がどのような勉強をしているのかを見たい方は、グループ指導や集団指導の塾をおすすめします。
一方、全く勉強をしたことがなくて、すこしでも勉強をしてほしいなら個別指導塾がおすすめです。
子どもに合わせたカリキュラムを提供してくれるはずです。
ただ、個別指導塾で、学習効果が出るかは微妙です。
勉強内容を定着させるには、ある程度の量をこなすことが必要です。
個別指導塾は、グループ指導に比べて授業時間が短く、授業内で進む範囲が少ないため、授業の復習内容から多くの宿題を出すことができません。
一方、学習量を確保するために、予習範囲を宿題で出して、授業ではわからない問題を質問するという方法もあります。
しかし、自力で勉強を進められるなら塾に通わせようとは思わないはずです。
「授業内容がわかる→意欲を持つ→自ら勉強する→授業内容ができる」という学力向上サイクルがあります。
しかし「授業内容がわかる→意欲を持つ→自ら勉強する→授業内容ができる」というサイクルで学力が伸びる子どもは稀です。
ある程度キャリアを重ねたので、ほとんどの子どもに、授業内容をわからせることはできると思います。
この子どもたちが、全員意欲を持ち、自発的に勉強をしてくかは、別の問題です。
「わかる」と「できる」の間には、意欲ではない別のアプローチが必要だと感じます。
東都ゼミナールでは「習慣化」というアプローチで「わかる」と「できる」をつないでいます。
個別塾の場合、システム上「わかる」というフェーズに注力せざるを得ないため、学習習慣や学習方法を知らない子どもは、「わかる」を「できる」に変えるのが、むずかしいと思います。
一方、学校のテストで苦労している子どもが、集団指導の塾に通っても、学力が上がらないことが多いです。
一般的に、学校のテストで点数が取れない原因は、
- リスト学校の授業を聞いていないから
- リスト授業内容を定着させる勉強をしないから
の2つです。
多くの集団塾は、学校の授業と指導内容は異なりますが、指導方法は同じです。
「必要な知識を与え→定着するために必要な課題を出し→定着してるかを確認するためにテストをする」という3ステップです。
だから、授業内容、課題、確認テストのフォローが充実していない集団指導の塾だと、学校の授業を聞けない子どもや、課題をしっかりとやれない子どもの成績は伸びません。
費用はどれくらいか?
集団指導なら、中学1,2年生は3万円~8万円、中学3年生は10万前後します。
さらに多くの塾では、通常の夏期講習に加えて、夏期合宿などのオプション講座があるため中学3年生では15万~20万円かかります。
基本的に費用が安いと指導時間や期間が短い傾向にあります。
個別指導は、子どもの学力や目標に応じて、いくらでも授業数を変えられるので、相場を出すのが非常に難しいです。
一般的に、都立高校を狙う中学3年生が、受験対策のために5科目を受講しようとすると約20万かかります。
夏期講習を受講するときの注意点は?
夏期講習はきっかけを作る期間
夏までの学習状況にもよりますが、夏期講習だけで大きく成績を上げることは難しいです。
特に中学2年生や中学3年生は、今までの勉強内容の定着度の違いで、期待した結果が出ない可能性があります。
夏休みの期間で、子どもの行動に変化が出てきたら、成功です。
たとえば、机に全く向かわなかった子どもの勉強している姿が見えるようになった。
毎日、休まずに塾の自習室に通ったなどの変化があれば、夏期講習への参加は成功です。
夏休みの後も継続すれば、いずれ結果は出ます。
残された期間と目標を明確にして夏を過ごそう!
行動を変えることで、秋以降の結果を変えることが、夏期講習の目的です。
たとえば、今まで勉強をしたことがない子どもが、夏期講習を休まずに行けたという結果は行動の変化のひとつです。
しかし、その行動の変化が、目標に届くレベルなのかは別の問題です。
中学3年生が、2学期の中間テストで合計200点あげたいという目標を達成したいならば、休まずに夏期講習に行ったという行動の変化では、目標に届かない可能性が高いでしょう。
塾は目的に合わせた塾選びを!
勉強の習慣がないなら、グループ指導や個別指導にかかわらず、勉強のやり方の指導や管理をしてくれる塾を探しましょう。
自分で勉強を進められて、わからない問題だけを解説してほしいなら個別指導塾や家庭教師に依頼するといいですね。
ある程度基本ができていて入試対策を行いたいなら、進学塾を探すほうが、子どもに適した学習環境かもしれません。
個別指導と集団指導という区分けで塾選びをしがちですが、期待する子どもの未来の姿や現在困っていることを書き出すことで、解決できる塾を探すことができます。
安易なキャンペーンに騙されない
夏期講習全額無料や夏期講習から始めれば2ヵ月無料など、試しやすいキャンペーンをする塾は多くあります。
無料だと失敗しても、リスクは低いように見えます。
しかし、中学生活は、あまりにも短く、何度も失敗をしている暇はありません。
また、一度塾を決めると、別の塾にうつるのは探す労力もかかるため、そのまま継続される方が多いです。
塾選びは最初が肝心です。しっかり目的に合致するところを選びましょう。
この夏休みに大きく変わるきっかけを作りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
夏休みの勉強時間は、目標によるが普段の生活と変わらないように過ごすのであれば、8~9時間は勉強できます。
自身で勉強するのが難しければ、夏期講習への参加も検討してください。
夏休みの期間は、何もしなければ長いけど、何かを達成するには短いです。
有意義な時間を過ごせるように目標・期間を明確にして、秋以降の準備につながる環境を選んでください。