高校受験と理科、というと、
暗記できていれば大丈夫
少ない時間で成績アップして結果を出せる得点源の科目
英数国に時間を取られて手薄になりがち
など、良い面悪い面とも見たり聞いたりすることが多いと思います。
でも、実際どうなのか分からないとか、気になることも多いと思います。
そこをポイントをしぼって述べていきます。
都立高校の理科入試問題についても触れます。
暗記
暗記は基礎知識として必要なことです。基礎知識なくしては先へ進めない、何もできないというのは、学科や勉強に限らず、何においてもあてはまることです。誰もが納得できることと思います。
暗記しておけばよい、暗記ばかりではいけない。
これはよく論争になりますが、どちらも間違ってはいません。
ただここでは受験に対する勉強法ということで、暗記の是非についてはカットします。
高校受験の勉強法では、暗記は欠かせません。
暗記しておけばよい、の方になります。
定期テストの勉強のところでも述べましたが、中学生くらいまでは基礎の勉強なので、どうしても知識の暗記の比重が大きくなります。
入試でも知識を聞かれることが多く、暗記が必要なわけです。暗記しておけば確実に正解できるのです。正解は得点につながり、だから、短期間で成績アップし結果が出せる得点源の科目、と言われるわけです。
暗記は苦手、つまらないというのもよく耳にします。覚え方や進め方、時間の使い方などやり方を工夫してみて下さい。
あとで述べますが、都立高校の入試も暗記さえしておけばすぐに正解できる問題が半分はあります。50点いきます。
暗記しておけばかなりの効果があることがわかります。
図や表を書く
これが意外におろそかになっています。
定期テストであれば、ワークやプリント類で書くことも多いですが(提出もある)、そうでないとただひたすら覚えていたり、目で追っているだけということが割とあります。
まとめノートを作るとなれば書くことも多いですが、受験の勉強となると、なかなか時間が取れないとか、量が多すぎるということがあります。
こういうときは、必要なことを書くようにするとよいです。
●わかりにくいところを書いてみる
●図や表や箇条書きで表してみる
●漢字練習のように繰り返して書く
こういう感じです。
目に見えないので考えるだけではわかりにくいものや、書き表した方が分かりやすくよく理解できるものを書きます。
たとえば、
●原子・分子の結びつきの模式図や化学反応式、
●電気の回路図、
●血液の循環や消化の様子、
●覚えにくいと感じる漢字交じりの語やカタカナ語、
などです。
ここで“書くことの利点”をつけ足しておきます。
まず暗記と述べましたが、理科の暗記は、理屈・原理・仕組みとともに暗記したほうがよくわかる場合が多くあります。
この時、“書く”ことをしておけば確実に暗記ができます。
なにも理科に限ったことではありませんが、書くことが大切なのがわかることでしょう。
問題を解く
あとはやはりこれです。
入試への対策ですから、暗記した知識を使えなくてはいけません。
公式も覚えただけでは使えるかどうかわかりません。使えないといけませんよね。
基礎事項を暗記した。さらに書いて理解が深まった。
次はそれを活用できるようにすることです。
これで入試にも対応できるようになるわけです。
理科の場合特に計算問題で、問題演習が効いてきます。
確かにそうですよね。
圧力、電気、密度、イオンや中和などは繰り返し練習しないと、公式覚えるだけでは身に付きません。
電流・電圧・抵抗や、質量・体積など問題によって求めるものも違ってきます。
あとはやり方です。
繰り返して解く、間違えた問題をやり直すなど、他でもたびたび言ってきた、問題のやり方と同じです。
わからないことも出てくるでしょう。その時、一番手っ取り早い方法は「聞くこと」です。学校の先生、塾の先生などに聞きます。自分で解決することも大事ですが、どうしてもわからない時は聞くのが一番いいです。
受験対策となれば過去問もやらなくてはなりません。
理科の過去問となれば都立高校の過去問ですが、中3の2学期期末試験が終わったころから始めるとよいでしょう。とても特徴があり、しかし慣れると解きやすい方です。習ったことが確実に身についていれば、あとは慣れるだけでけっこういけるはずです。
スケジュール
高校入試には“内申点”が大事になります。最近は実力重視の傾向にありますが、それでも内申点は決して疎かにできません。
1~2年生は学校の勉強に力を入れましょう。
3年生はもちろんまず学校の勉強重視でいって下さい。
ただ1~2年の復習を併せてやり始めるようにもすると、後で余裕が出てきます。1学期中はなかなか時間が取れないことが多い場合は、遅くても夏休みから取り組んで下さい。
理科は短期間でも完成できる科目ですから、
まず学校の勉強重視、
3年生になって1~2年の復習も始めて、
内申点の決まる2学期の期末テストのあと、過去問に取り組んでいきましょう。
都立高校の理科入試問題
都立高校の入試問題は理科に限らず、時々多少の変更は見られるものの、長年同じパターンで出題されています。過去問を見れば一目瞭然ですが、大まかに紹介しておきます。
出題内容
全部で大問6題です。
1と2で一問一答式の知識確認問題が出ます。
1は完全に知識の暗記確認といったところです。暗記していればできます。学校のワークでも最初の確認問題的な感じです。
2は基礎知識の確認ではありますが、少しの応用や、思考が入る問題、最近はやりの?理科の時事問題つまり身の周りの環境が関わる問題が出題されます。
でも暗記していればほぼ出来ます。そうでなくとも、問題文中にヒントや手がかりがあることが多く(時には設問に!)、それを見抜けば(要するに問題をよく読んで解釈すれば)まずできます。
3~6は理科4分野、地学・生物・化学・物理からこの順番での出題です。
小問は3~4問あり、1問目はまず暗記系の基礎知識を聞く問題です。そこだけ読んでできるものもあります。
2問目以降は問題の実験や観察を通しての知識理解や、図表を読みとる問題、図やグラフを書くのも含む記述問題、計算問題です。
ここで、本当に難しいのは2問くらい、他はやはり問題文にヒントがあったり、社会のように図表をよく見たり読みとれればできる問題です。
あと、実験器具の使い方も必ず出ます。学校のワークに載っているレベルのものなので、知っていれば解けます。顕微鏡の使い方、ガスバーナーの使い方、実験装置の取り付け方の理由や終了する時の手順などです。
大きくは基礎事項しか出ません。ただ、4分野から満遍なく、要するに全てから満遍なく出題されるので、それで、苦手箇所とか、暗記不十分とかあると、けっこうな失点になってしまうので難しいと感じてしまうのです。
なぜ難しく感じてしまうかの、もう一つの理由は次のこれです。
長い問題文
都立高校の入試問題は、設問の前の問題文がとても長いのです。
A4サイズ1枚全部が問題文なんてざらです。
それに図表が加わります。
読んでみると何でもないです。普通に実験だの、観察だの、書いてあるだけです。淡々と読んでいけばいいのですが、実際の入試という状況だとちょっと変わってしまうこともあるようです。
中には長くてめんどくさいととんでもないことを言う人もいますが、これはダメです!
だから、過去問演習が必要と言えます。慣れておけば問題ないです。
で、この問題文に手がかりがあることが多いのです。
図表を参照するしかたが書いてある。必要な条件や単位、数値が書いてある。実験の手順、比較、条件が書いてある。
これがそのあとの設問に関わってくるのです。もちろん書いてあることと覚えた知識を絡めて答えるというのが普通ですが、問題文と設問文で十分に解けるものも多いです。
この長い問題文に振り回されないようにしないといけません。
あとは“解き方”になってきます。どんな試験にも解き進めていくやり方があります。
テクニックというものになりますが、これは塾に通っていれば塾の先生がそれぞれの「秘伝の技」で教えてくれます。
まとめ
理科は実は勉強しやすい、得点しやすい科目なのです。
暗記科目でもあります。
しかし暗記だけでは不十分です。
暗記に書く、練習が加わって完全です。
以下、まとめました。役立てて下さい。
●まず暗記
これなくしては理科の勉強は始まりません
●図表を書く
手を動かすことは理解を深めます。忘れないで下さい
●問題を解く
使えるようにするには問題演習は欠かせません
もう受験学年、なんとかしなくちゃと思っている人も、理科は間に合います。
この勉強法で、理科を得点源にして下さい。