大学受験は情報戦です。
現代では情報を手に入れることは容易になりました。
学校の先生・同級生・卒業生、塾や予備校、インターネットや書籍など情報を手に入れる手段はたくさんあります。
問題は、信頼できる情報の取捨選択がむずかしいことです。
多くの高校生にとって、一番身近で信頼できるのは、学校の先生ではないでしょうか。
「塾に行かずに、学校の勉強だけで東工大に合格した生徒がいる。」
「部活をやっている生徒ほど受験に強い。」
「高1・高2は定期テストの勉強をしっかりやれば大学受験に間に合う。」
「高校の授業で大学受験の対策はしっかりやるから大丈夫だ。」
「塾に通っていない生徒は、塾に通っている生徒より成績がいい。」
このようなことを、高校の先生は生徒に向けて話すようです。
これらは、きっと出来事としては事実です。
しかし、多くの高校生に当てはまることではありません。
特に高校受験組が、高3の最初に希望した大学に合格する可能性は低いと思います。
まず前提として、江戸川高校など都立中堅校に進学している生徒は、高3の4月にMARCH進学を希望する生徒が多いです。
また新宿高校など都立の難関校の生徒は、国公立や早慶を志望する生徒が多いです。
しかし、高校受験案内や各高校の卒業生の進路を見ると、都立の中堅レベルの高校からMARCHに合格する生徒や、都立の難関高校から早慶や国公立の合格している生徒は、上位15~20%程度です。
原因は、大半の同程度の学力の生徒が、同じように時間を過ごすからです。上位層を目指さなければならないのに、周りの大半と同じように過ごしていれば、自分の立ち位置は変わらないことはお分かりいただけますよね。
このことに気づいていない高校生や、気付いていても「次のテストでは頑張る」「もう少し様子を見る」「3年生になったら頑張る」など解決を先送りにする高校生が、非常に多いと感じます。
手遅れになる前に、大学受験を始めるタイミング・理由・大学受験がわかる書籍を紹介します。
大学受験の勉強をはじめるタイミング
大学受験に向けた勉強は、高1から始めるのが理想です。
最低でも高2から始めないと十分な対策をすることができません。
理由1
高3から始めると勉強時間の絶対量が確保できません。
現在の学力と志望校によっても必要な勉強時間は変わります。
・現在、偏差値55~65くらいの高校に進学していて、MARCH以上の大学に合格したい。
・現在、65以上の高校に進学していて、国公立・早慶レベルの大学に合格したい。
上記のどちらかの条件に当てはまるなら、3000時間は勉強しないと合格できないでしょう。
1年間で3000時間の勉強時間を確保するには、毎日9時間強の勉強時間が必要です。
毎日9時間勉強することは、学校に通う時間・部活の時間などを考えると現実的ではありません。
理由2
高校受験組は、中学受験組に比べて2つの点で大きな差がついています。
1.カリキュラムの差
中高一貫校の場合、中2までに中学範囲を終えて、高1では高2~高3内容を勉強しています。
一方、高校受験の場合、多くの生徒は中学の範囲までしか勉強していません。
高校入学時点で中学受験組より知識量に大きな差があります。
中学受験に加えて高校受験でも生徒募集をしている中高一貫校では、中学受験組と高校受験組を同じように扱いません。
たとえば、
・高1時に中学受験組と高校受験組のクラスを分けて1年間で中学受験組に追いつかせる高校
・中学入試組と高校入試組は、3年間ずっと別々のクラス編成にする高校
があります。
2.勉強の経験値の差
多くの中学受験生は、小学校3,4年生から中学受験の準備を始めます。
平日は、学校が終わってから夜遅くまで塾の授業や宿題を行います。
土・日も模擬試験や試験直し、特別講座や志望校別対策講座を受講して勉強します。
しかも、小学校で習うことよりもはるかに難易度が高い学習内容です。
一方、特に公立高校の入試では、中学校の学習範囲からはみ出すことはありません。
中学校の学習内容が、高校受験にも活用できます。
だから中学3年の夏まで部活をやり、残りの半年で高校受験の準備をしても間に合う子どももいます。
中学受験組と高校受験組を比較すると、勉強のレベルと時間が圧倒的に違います。
実は、中学受験組と高校受験組では入学段階で、勉強をしてきた経験値に大きな差がついているのです。
私立文系志望
以前は文系志望なら、高2までに英検やTEAPなどの検定スコアを持っていたほうが、大学受験に有利でした。
しかし、私立文系志望は、高2までに英語を完成させるのが必須になってきました。
2022年度の出願状況をみると、英語4技能入試が浸透し、多くの受験生が英語4技能入試も選べるだけの英語力を持つようになっています。
たとえば、早稲田大学の文学部や文化構想学部では、英・国・社の3科目で受験する従来型の入試に加えて、英語4技能入試が加わりました。
この受験方法は、英語は検定のスコアを使用して、英語以外の2科目だけで合否を判定します。
早稲田の文学部と文化構想学部は、従来型と英語4技能入試を同時に出願することが可能です。
英語4技能入試の出願者は両学部とも、昨年比で116.2%、114%に増えています。
文学部とは合否の判定方式は異なるものの、早稲田大学の商学部で英語4技能入試を選択した受験生は、前年比で359.6%にも上ります。(参照:toshin.com)
つまり英語を武器にしている受験生が、年々増えていることを意味します。
英検などのスコアは、高2で取得したスコアが使えます。
だから、高2までに英語を仕上げると高3の過ごし方が変わります。
たとえば立教大学は、学校独自で英語のテストを実施せずに検定のスコアを点数化します。
高2時に英検やTEAPが基準に達していれば、高3では英語以外の2科目に勉強を集中できます。
実際は共通テストや他大学も受験するので、英語も勉強するでしょう。
しかし、英語の勉強量を軽減できるのは、大きなメリットです。
特に地歴は現役生だと、なかなか時間が取れず直前まで苦労する科目です。
高3スタート段階で、地歴に十分な勉強時間を取れる状況は、大きなアドバンテージになるはずです。
私立理系・国公立志望
理系志望は文系志望よりも勉強の習得に時間がかかります。
体系的な理解や知識の暗記は、文理問わず必要です。
しかし、理系科目は文系科目に比べて暗記は少なく、体系的な知識の理解が文系に比べて多いです。
文系科目は「わかる+覚える」の2ステップで点数が取れる問題があります。
たとえば日本史は、近現代だけ勉強すれば、近現代から出題されたら満点が取れます。
一方、理系科目は、文系科目に比べるて、正解までに多くのステップを必要とします。
たとえば物理では、問題文を読む→状況整理→使う公式の決定→立式→計算→解答というステップで問題を解きます。
テキストに載っている公式を覚えて、テキストの例題が解けるだけでは得点が伸びません。
体系的な理解が必要なため、理系は文系に比べて多くの勉強時間が必要です。
国公立の志望は、科目数が多いので、1年間で間に合う量ではありません。
高3になる前に英・数・国の3科目が完成していないと入試に間に合わないでしょう。
まずは大学入試の実態を知ろう
いま紹介した内容は、大学受験の準備は、速く始めた方がいい理由の一部です。
より詳細に大学入試の勉強するタイミング・勉強内容や方法・高校の進路指導の注意点など大学受験を網羅的に知りたければ「開成・東大卒が教える大学受験「情報戦」を制して合格する勉強法(KADOKAWA)」を読んでみてください。
著者の小林尚さんは、開成高校・東京大学を卒業後、コンサルティング会社を経て、個別指導塾CASTDICEを経営されている方です。
高校生活・高校での授業や進路指導・勉強内容や方法・モチベーション管理など大学入試に必要な情報が網羅されています。
多くの高校生に当てはまり、現実の大学入試がわかる内容です。
まとめ
高校1年生から大学受験の準備は始めるべきです。
遅くても高2からは本気でやらないと大学受験に間に合いません。
高校の先生がする話や卒業生の話が、あなたや我が子に当てはまる可能性は低いです。
高校受験組は一刻も早く大学受験への準備をはじめましょう!
高1から始める必要性を詳細に知りたければ「開成・東大卒が教える大学受験「情報戦」を制して合格する勉強法(KADOKAWA)を一度読んでください。きっと大学受験のリアルがわかります。
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