勉強する時に使うもののひとつに「問題集」があります。
学校で配られるものもあれば、自分で買うこともあります。中には譲ってもらうという場合もあるでしょう。
「問題集」と言っても、ワークと名前がついていたり、教科書準拠になっていたり、見た目に量が多かったり、難しい問題ばかり集めてあったりと、様々です。いざ手に取ってやろうとしても、どれをどうやっていいのか分からなくなることもあります。
確かにいろいろあって実際のところ、これを使いなさいとか、これをやればよいとか、はっきり言えません。
何が目的か、どうしたいのか、などによって使い分けなくてはならないのが本当のところです。
どれにもメリット、デメリットがあって、使い方次第です。そんな「問題集」の上手な使い方をお伝えします。
学校で渡された問題集
問題集と言っても、公立の中学校では教科書準拠の「ワーク」がほとんどです。それが2冊あることもあります。
力をつけたり、練習量を確保するための、一般的な「問題集」が配られることもありますが、普通はほぼ準拠もののワーク類です。
定期テスト取るなら学校のワーク
定期テストは範囲が決まっていて、範囲表にはページ数までがはっきり示されています。ここの習った範囲を確認しますよ。ここから出ますよ。これをやっておけばいいのですよ。と示されているわけです。
こんなに分かりやすいものはありませんよね。該当する範囲をやっておけば取れます。よく言われていることでもあり、このブログ欄でも今まで言ってきたことでもあります。本当にワークの内容からそっくり出題されます。
暗記物はもちろんそのまま、数学や理科は数値だけが違うといったパターンが頻出です。あとは設問での問い方が少し違うというパターンです。全く同じという場合もあります。あらかじめ予告されていることもあります。
定期テストは、ワークをやっておけばよいことがわかります。こんなわけですから、ワークをしっかりやりこなせば“平均点”には必ず届くはずです。定期テストはそんな風に作られてもいます。
平均点を越えて80点や90点を取るとなると、ワーク類以上のことをやらなくてはなりません。ここでいわゆる“市販”の問題集の登場です。定期テストで常に90点や100点を取りたい時や学年1位を狙うような時は、レベルの高い問題集をやっておく必要があります。これについては、あとの「市販の問題集」を参照して下さい。
基礎を固めるならまず学校のワーク
80点90点どころか、まず基本をしっかりさせなくてはならないとか、苦手なところが多い分野がテスト範囲になる、などという場合は学校のワークをやりましょう。学校ワークや教科書準拠ものの問題集は、要点の確認反復に始まり、類似問題での練習というのがお決まりです。これを繰り返しましょう。
これができればさっきも述べた“平均点”に届くようになります。そして、ワークの少し難しい問題をこなせるようになれば(B問題やレベル2などのタイトルがついている)、平均点を越えます。
市販の問題集でも基礎の勉強はできます。ただ、これもあとで述べますが、あれこれ複数の問題集をやるより、まず1冊に集中して下さい。1冊をやりこなして下さい。その方が効果あります。せっかくポン!と問題集を与えられているのですから、大いに活用しましょう。
厳しい言い方をすれば、基礎があやふやな人はあちこち手を出すのは無理です。ひとつのことに集中したほうが効果は大きいものです。でも、きちんとこなせばすぐ効果が表れます。頑張りましょう。
提出があるので侮れない
学校のワーク類は、テスト前後に提出があります。これについては誰もがいい加減にすることはできません。成績にかかわるだけでなく、受験の時の“内申点”に響きます。テスト同様、過ぎてしまうと取り返しや埋め合わせができません。
成績上位者は、市販の問題集の方に気をとられて、手薄にならないようにしないといけません。普通は問題ないですが、丁寧さという点で気になる場合があります。もっとも、誰にでも通用することではあります。きれいに書けばいいという訳ではありませんが、丁寧にきちんと仕上げることは必要です。きちんとこなしていれば、丁寧にはなるはずです。
提出物を確認する先生にしてみれば、そこそこの数を見なくてはならないので、時間をかけていられません。何をどうやっているか分かりやすい方が当然いいに決まっていますね。またそういう時は雑にやってあると余計目立つものです。
学校の問題集は“提出”を考えるときちんと扱わなくてはいけないことがわかると思います。
市販の問題集
市販の問題集は大量にあります。いろいろ紹介されてもいますし、どれを使ったらよいか迷いますね。ネットでも簡単に検索できる今では、余計あれこれと迷うことにもなるでしょう。
だからこそ、まずは手元にある学校のワーク類や問題集を活用するのがいいわけですが、それだけでは足りなくなることも当然あります。
市販の問題集をどう使えばよいかについて述べていきます。
100点、学年1位とか目指すなら市販の問題集
常に90点や100点、学年トップを目指すなら、ここまでやる必要があります。ここまでくると、学校の勉強を越えて、次に述べる、受験や実力をつけるための方につながってきます。学校のテストといえども、いつもトップを狙うのであれば、これが必要です。
ワーク類にも、単元やワーク自体の最後の方にはそれなりの応用問題がありますが、市販の問題集で色々な問題や練習量を確保しておけば、学校のテストはほぼ完璧になります。
ただ、学校のテストは習ったことの確認でもあるので、ノートやプリント類の勉強も忘れないようにしないといけません。先生オリジナルの問題も割と出されます。以前のブログでも述べました。この点は注意です。
成績上位者ではなくても、学校のワーク類が終わって余裕があるならば市販の問題集をやっていいでしょう。その代わりやるのはこれと決めた1冊です。ここまで出来るようになれば、いつも80点越えになるはずです。
ただし無理はせずに、ワーク類の反復を十分にした上での余力があるときに手を伸ばすようにしましょう。上手に積み上げてこなしていくことが大事です。
受験、応用、実力対策なら市販の問題集
これはもう分かることだと思います。
学校のテストはそこまで習ったことの“確認”です。入試問題や応用問題は、基本や習ったことをもとに自在に使えることを試されます。いろいろな問題をこなして、練習量も確保しておかなければ太刀打ちできません。
では問題集をどんどんやっていかなくては、と言いたいところでしょうが、中学3年生はともかく、1年生や2年生だと他のことに時間をとられてなかなかできないのが、実情ではないでしょうか。
1年生や2年生であればまず、学校の方の勉強やワーク類に集中しましょう。まずこれらをこなすことです。十分に基本はできます。基本ができれていれば、誰かの助けはいるにせよ、その上の応用はそう苦労せずに積み上げられるものです。
余裕があれば、市販の問題集を1冊用意して少しずつやるといいです。日時や時間、やる問題を予定として決めておいて進めると効果的です。塾のテキストがあればそれだけでも十分です。反復して下さい。塾から指導もされることでしょう。
受験でトップレベルや上位校を目指す場合は、早くから応用問題にも取り組む必要があります。市販の問題集であれば上級レベルを使いましょう。中3になって過去問に手を出せるようにしておかなければなりません。これはこれで、上手に問題集を活用しないといけません。
やり方
どの問題集にすればよいか
市販の問題集はとにかく手に取ってみて、これは1冊やりきれるというものを購入しましょう。
自分の実力、目指すもの、をよく考えて選んで下さい。他の人からのお薦めも、鵜呑みにせずよく考えて下さい。人それぞれで、薦めてくれた人に合っていても、自分には合わないこともあります。ただし参照する価値は十分にあります。参照した結果、自分にぴったりのよりよい問題集を見つけられるかもしれません。
それから解説が詳しいものを選ぶといいです。一人でやることが多くなるかと思いますので、解説を見て理解、納得がいかなくてはなりません。特に理系科目、次に国語は解説が詳しいほどいいです。
(私事ですが、解説って意外に分かりにくくて、何が解説だと、思うこと結構ありました。先生や誰かに聞いて、その方がよほど分かりやすいとか、すぐ分かったということもいっぱいありました。・・・)
数学なんかは、問題よりも解説の方が分厚い問題集の方がいいくらいです。もっとも、やはり手に取ってみて中身を確認した上で、決めるのが一番、自分に合った問題集を見つけて下さい。
見た目も案外重要です。カラフルなのは目について分かりやすいこともありますが、中にはやたらに色を使っているだけのようなのもあります。
問題集の大きさや厚さ、量の多い少ないなどもよく考えましょう。
解き直す、繰り返す、やりきる
これは定期テストのやり方や集中して取り組む方法などのブログ欄でも述べていることです。
1ページや大問1題(できればこれがよい)ごとに○つけをして、間違えたらすぐ解き直す。できるまで繰り返す。
さらにひとつの単元なり3~4ページのまとまりを反復する。定期テストいつも90点以上とっている人はワーク類を4~5回は繰り返していることも話しました。問題集でも同じように進めて下さい。
そして問題集は1冊やりきることが大切です。
そのためにも自分に合ったやりこなせるものを選ばなくてはなりません。
複数のものをやろうとすると、時間的にも無理が生じて、どっちも中途半端になってしまいます。当然身に付かないです。
1冊に集中して、十分にやり終えてから次の問題集に移るのがよいです。1冊を十分にやりこなすだけでもけっこう力つきますよ。
トップレベルや上位校を狙う人は、1冊集中は同じですが、さらに多くの問題をこなしていくようにして下さい。
まとめ
「問題集」と言っても学校のワーク類や市販の問題集、それもいろいろなものがあります。
一長一短、メリット・デメリットもそれぞれです。
どう使ったらよいか、最後にまとめておきます。
①学校の定期テストへの対応や基本の習得は学校のワーク類
定期テストはやることが決まっているので、それに集中して下さい。
基礎基本が危うい場合もまずワーク類からやりましょう。
②上位、受験、応用力のためには市販の問題集
さまざまな問題にあたることと、量をこなすことが必要です。
自分に合った問題集を選ぶのもポイントです。
③1冊の問題集に集中してやりきること
1冊やりきって次の段階へ進みましょう。
解き直して、できるまで反復することも忘れずに。
上手に使いこなして、成果を上げるようにして下さい。