体育の『水泳』は、2学期に出題されることが多いです。
3学期に復習として単発的に問われることも見られます。
主にどのようなことが出題されるのかを紹介していきます。
用語
概要
小問で単発的に聞かれる場合と、ルールや泳法での大問の中で問われることが多いです。いずれも一問一答形式のような出題になります。書かれている内容に対する用語が答えられれば問題ありません。教科書に出ている範囲内からなので、覚えておきましょう。
よく出題される用語
◎ストリームライン
◎ストローク
◎バタフライキック(ドルフィンキック)
◎タッチターン
◎クイックターン
◎スターティンググリップ
◎バサロ
出題例
(1)背泳ぎのスタートの際につかむ部分。
(2)進行方向に向かって最も水の抵抗を受けにくい姿勢を取ることを何といいますか。
(3)タイムが短縮され、抵抗も少ない、クロールや背泳ぎに使われる回転して壁をける方向転換のこと。
答
(1)スターティンググリップ
(2)ストリームライン
(3)クイックターン
記述問題がほとんどです。用語を書くだけですが。
ルールや泳法とともに聞かれる場合は、選択形式もあります。
4つの泳法
クロール
知識事項
○最も早い泳法。競泳の自由形で採用される。
○ストローク 1 親指(指先)から入水
2 手のひらと前腕の内側で水をとらえる
3 Sの字を描くイメージで腹の方へプッシュ
4 ひじは常に手首より高い位置にあることがポイント
5 基本は2ストローク1呼吸6キック
○キック 1 股関節から太ももの面をムチのように使い一定のリズムでしなやかに行う
2 ひざは曲げずに足首は伸ばす
3 力を抜いて行う
○呼吸 1 水中で口・鼻から少しずつはき続ける
2 横向きに水上へ出た瞬間にはき切る
3 反動で大きく吸い込む
○ターンとゴールタッチは、体のどの部分でもプールの壁につけばよい。
出題例
1、次の( )にあてはまる言葉を答えなさい。
ストロークは( ① )から入水し、水をキャッチする。体の( ② )に沿ってかき、かいた手で水を( ③ )の方へ( ④ )を描くように押す。力強く、スムーズにできるように( ⑤ )は常に手首より高く保つ。
キックは、( ⑥ )から動作を行い、ムチのようにしなやかに打ち下ろす。蹴り上げは( ⑦ )を曲げずに力を抜いて行う。
答
① 親指(指先) ② 中心線 ③ 腹 ④ S字 ⑤ ひじ
⑥ 股関節 ⑦ ひざ
2、次に挙げることが正しければ○、謝りならば☓をつけなさい。
① スタートやターン後は、壁から15m以内で頭が水面に出ていないといけない。
② ターンおよびゴールタッチは、プールの壁に両手をつかないといけない。
③ 呼吸の時にお尻が沈む場合、ローリングが甘い。
答
① ○ ② ☓ ③ ○
平泳ぎ
知識事項
○水の抵抗を最も受けやすい泳法。長い距離を泳ぐのには適している。特徴は両腕・両足が同時に左右対称に動く(ルールでもある)。
○ストローク 1 逆ハート形を描くイメージ
2 手のひらで水をとらえ、手首に角度をつけて、胸の下にかき込む
3 両手は胸の位置よりも前にそろえて伸ばし、水をかく(ルールでもある)
4 基本は1ストローク1呼吸1キック
○キック 1 足首の角度を90度にしてかかとを腰に引き付ける
2 足首のスナップで水をける
3 この時つま先は外側を向く
4 後方へ水を押し出すイメージでひざを伸ばし切り、足をそろえる
○呼吸 1 水中で口・鼻から少しずつはく
2 顔を水面に出す直前で口から大きくはき出す
3 水面上に顔を出して口で大きく吸い込む
○ターン、ゴールタッチともに、両手同時につかなくてはならない。
出題例
1、次の( )にあてはまる言葉をあとから選んで記号で答えなさい。
キックは、( ① )を尻につけるように足を引き付け、親指を( ② )側に向けてけり出す。呼吸をするときは( ③ )を水面から出す直前に一気に息を( ④ )。水面上に( ③ )を出したら大きく息を( ⑤ )。
語群:ア 外 イ 内 ウ 下 エ 頭 オ 顔
カ 吐く キ 吸う ク かかと ケ 足の裏
答
① ク ② ア ③ オ ④ カ ⑤ キ
2、平泳ぎにあてはまるものを全て選んで記号で答えなさい。
①スタート時、水中に潜ったあと、バタ足をしながら浮き上がる
②キックはドルフィンキックを使う
③長い距離を泳ぐのに適しているが、水の抵抗を受けやすい
④スタートとターンの時、ひとかきひとけり潜水ができる
⑤メドレーリレーの第1泳者の泳法
⑥ターンおよびゴールタッチは、両手同時につく
答
③ ④ ⑥
背泳ぎ
知識事項
○体の向きがクロールの上下逆さ、あおむけになってクロールで泳ぐイメージ。クロールよりも呼吸の方法が易しい。
○ストローク 1 腕、手首を伸ばし、小指から入水
2 体の下で手首を曲げて水を捉えていく
3 ひじを曲げ始め、ここで腕の回転速度が最大になる
4 ももに軽く触れるように水面に出す、親指から抜く
5 基本は2ストローク6キック、頭は固定させて振らない
○キック 1 もも→ひざ→足首の順に水をけり上げる、足先はつま先が水面に出る程度
2 けり上げる足首は伸ばす、けり下げる時は力を抜く
3 左右の足先が触れ合うような感覚がポイント
4 甲で水を後方の上へ押しやるイメージ、クロールのキックの裏返しのイメージ
○呼吸 1 2ストローク目に入るところではき切る
2 2ストローク中に吸い込む
○スタート 1 上体を水面上に引き上げ、ひざとひじを曲げてスターティンググリップを握る
2 スタートの合図とともに壁を両足で強くける
3 上体を大きくそらし、両腕を大きく広げ、弧を描いて、手先→腕→頭の順に入水
4 伸ばした両腕で頭を挟み、一方の腕をかき抜くことで浮上(15m以内)
○ターンとゴールタッチは、体の一部が壁につけばよい。
出題例
背泳ぎについて( )に適語を入れなさい。
1、スタート時は、
( ① )→腕→( ② )の順に入水する。ターン動作以外は( ③ )の姿勢を崩してはいけない。ターンとゴールタッチは( ④ )が壁につけばよい。また、スタートとターン後は、壁から( ⑤ )m地点までには頭が水面に出ていなくてはならない。
2、背泳ぎの腕の動作は、
( ⑥ )から入水し、手のひらで水をつかむ。
( ⑦ )を少し曲げ、( ⑦ )を支点に( ⑧ )を描くように後方へ水を( ⑨ )。
その後、足のつけねに触れるようにして、( ⑩ )から抜き上げ、( ⑦ )を伸ばし、耳をこするようにまわす。
3、背泳ぎのキックは、
( ⑪ )→ひざ→( ⑫ )の順に水をけり上げる。その時、足の( ⑬ )で水を捉える。
けり上げる足は( ⑭ )を伸ばす。また、( ⑮ )から動作を行うと、けり下げ時も推進力が得られる。
答
1、 ① 手 ② 頭 ③ あお向け ④ 体の一部 ⑤ 15
2、 ⑥ 小指 ⑦ ひじ ⑧ 弧 ⑨ 押し出す ⑩ 親指
3、 ⑪ もも ⑫ 足首 ⑬ 甲 ⑭足首 ⑮股関節
バタフライ
知識事項
○断面から見ると、“沈み”“浮かび”を繰り返す波形になっている。両腕を広げてダイナミックに水をかく。スピードはクロールに次ぐ速さ。
○ストローク 1 親指を下に入水、水をつかみ胸の下へかき込む
2 腰を使って肩と腕を水面の上に出す、そのとき手は体の中心を通過
3 リカバリーへ向かう、手は横向きが普通
4 両腕は同時左右対称に水をかく(ルールでもある)
5 基本は1ストローク2キック
○キック 1 ひざを曲げる(90°)、ひざ・足首を伸ばす、の繰り返し
2 水面からは出さない、力を入れて泳がない
3 上下動作は両足同時に行わなくてはならない(ルールでもある)
4 イルカが尾ひれを上下させる動きに似ているのでドルフィンキック(バタフライキック)と言われている
○呼吸 1 第1キックの時鼻からはき出す
2 第2キックとプッシュに合わせてはき切って、上体が水面に出たところで素早く吸う
○ターン、ゴールタッチともに、両手同時につかなくてはならない。
出題例
( )にあてはまる言葉をあとから選んで記号で答えなさい。
バタフライは( ① )から変化した泳ぎ方で、スピードは( ② )に次ぐ速さである。ストロークは( ③ )から抜き上げ、( ④ )から入水する。キックは( ⑤ )キックと言われている。足だけではなく、( ⑥ )をうねるように動かす。( ⑦ )ストローク( ⑧ )キックを1サイクルとして行う。
( ⑨ )m地点までに頭が水面に出なければならない。
ターンとゴールタッチの際は、( ⑩ )でタッチする。
語群:ア 1 イ 2 ウ 3 エ 6 オ クロール
カ 平泳ぎ キ 背泳ぎ ク 10 ケ 15 コ 20
サ 親指 シ 小指 ス 中指 セ 全身(体全体) ソ 両足
タ 両手 チ ドルフィン(バタフライ) ツ ゴール
答
① カ ② オ ③ シ ④ サ ⑤ チ
⑥ セ ⑦ ア ⑧ イ ⑨ ケ ⑩ タ
『水泳』からの出題は、ほぼここからの出題と言っていいくらいです。
4つの泳法すべてが出題される場合と、1つだけ、2~3つと、いろいろあります。
出題例のように穴埋め形式の問題がほとんどです。記述と選択と、どちらもあります。
正誤問題も出やすいです。
イラストや写真、図表が伴っていることも多いです。
いずれにしても、教科書・プリント類・ノートを使って暗記や理解の確認などの対策を行っておけばできるものばかりです。
個人メドレーとメドレーリレー
概要
- 個人メドレー
1 バタフライ → 背泳ぎ → 平泳ぎ → 自由形 の順番で泳ぐ
2 自由形は、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ以外の泳法で泳ぐ
- メドレーリレー
1 背泳ぎ → 平泳ぎ → バタフライ → 自由形 の順番で泳ぐ
2 前の泳者が壁にタッチしてからスタートする
出題例
1、個人メドレーの泳法の順番を答えなさい。
答
バタフライ → 背泳ぎ → 平泳ぎ → 自由形
2、メドレーリレーの泳法の順番を答えなさい。
答
背泳ぎ → 平泳ぎ → バタフライ → 自由形
3、個人メドレーで背泳ぎは何番目に泳ぎますか。また、メドレーリレーの3番目の泳法は何ですか。
答
2番目、バタフライ
『水泳』が試験範囲の場合、まず確実に出題されますが、問われることはほぼ出題例に挙げたことのみです。
覚えておけば必ずできます。
事故防止
知識事項
○水泳の授業の前後 1 鼻をかみトイレを済ませておく
2 しっかり準備運動をして、シャワーで全身を流す
3 終了後もシャワーを浴びる、目を洗う
4 点呼確認をする(泳ぐ前も)
○おぼれた人の救助法 1 まず大声で助けを求める(緊急電話で連絡もする)
2 浮くものを利用する(投げ入れる)
3 水深が浅く複数の人がいる場合は、手を組み合って救助する
4 呼吸があり脈拍が確認された場合は、人工呼吸をする
○着衣泳 1 自分で何とかしようとせず、助けを待つ
2 仰向けに浮いて、口と鼻を水面より出して呼吸を確保する
3 服や靴は無理に脱がない、着衣のままの方が浮力が増す
出題例
1、水泳の事故防止について( )にあてはまる語句を入れなさい。
(1)プールに入る前と後で( ① )で人員点呼をする。
(2)( ② )に異常を感じたらすぐに休む。
(3)おぼれている人を見つけたら( ③ )から救助する。
(4)着衣のまま水中に落ちてしまったら、服を着たまま仰向けに大の字になり( ④ )をとる。
服を着たままの方が( ⑤ )が増す。
答
1、(1) バディ (2) 体調 (3) 陸 (4) 浮き身 (5) 浮力
2、水泳の事故防止について、正しいものには〇、誤っているものには☓をつけなさい。
(1)おぼれている人を見つけた場合は、飛び込むなどしてすぐに救助する。
(2)人員点呼のバディは、プールに入る前にする。
(3)着衣で水中に落ちた場合は、服や靴は無理に脱がない方がよい。
答
2、(1) ☓ (2) ☓ (3)○
実技の内容中心で、出題されることは多くはありません。少ないと言っても侮れません。暗記、勉強をしておけば確実に取れるところでもあります。
事故防止や安全対策はマニュアル化されてもいることでもあるからです。
教科書や習ったことの範囲なので、確実に押さえておきましょう。
時事問題
比較的よく出題されます。出題の場合は試験範囲に示されているので、過去半年の間のスポーツネタは調べておきましょう。今は、ネットやスマホで、ジャンル別の時事ネタがすぐに調べられます。
普通にニュースや新聞で目にするものからしか出ません。誰もが見たり聞いたりしたことで十分です。
まとめ
『水泳』の出題としては、“4つの泳法”が中心です。
- 覚えておくべきことは確実に暗記する
- 意味や理屈部分の説明を出来るようにしておく
- イラストや図表とともに把握する
これらを心掛ければ理解が深まり、確実に身につきます。
板書の写しやプリント類からの出題も多いですから、普段からの授業に対する姿勢も大切にして下さい。
実技科目は、入試での内申点が2倍に換算されて判定されます。主要5科目と同等に大切なことがわかります。
東都ゼミナールでは、中学校別に全科目のテスト対策を行っています。
9科目のテスト対策が大変、実技科目のテスト対策に困っている、などのお悩みがあれば遠慮なくご相談下さい。