7月から始まる三者面談。せっかく時間を使うなら有意義な時間にしたいですよね。
特に3年生は、このタイミングを逃すと取り返しがつかなくなります。
中学校の三者面談で注意するべきポイントを紹介します。
学校の評定に関する質問ができるのは夏が最後
三者面談の目的
中学3年生は、7月と11月に多くの中学校で、三者面談が行われます。
7月の面談では、志望校についての聞き取りと夏休みの過ごし方についてのアドバイスが行われることが多いようです。
受験生にとっての大切な夏休み。
しっかり勉強をして、志望校についても考えるように促すことが7月の面談の主な目的です。
加えて中学校の先生が注意するのは、第一志望の高校しか考えていないご家庭です。
不合格の可能性も考慮して、併願校の検討を促すのも面談の目的のひとつです。
概ね面談の雰囲気は、穏やかに希望にあふれる内容のことが多いです。
・夏休みの過ごし方の確認
・希望する進路の共有
・併願校の意識付け
一方、11月の面談の目的は、受験校や進学校の決定です。夏の三者面談とは目的も雰囲気も大きく異なります。
面談の冒頭で、「評定は3科○○、5科△△、9科××です。」のように、2学期の通知表の評定を伝えられます。
そして、「推薦は、どうしますか?」「この内申点だと都立は、この辺ですね。」「併願優遇の高校はどこですか?」と事務的に話が進みます。
候補の学校を考える時間や、調べる時間は、ほとんどありません。
出願書類作成の締切りの都合上、だいたい面談から一週間程度で最終決定する必要があります。
生徒側が、全く準備をしていないと、学校の先生の言うままに話を決めてしまうことも多いです。
11月の評定が期待より低かった場合
2学期の成績次第で、推薦の可否・都立高校の出願をどこにするか・併願優遇が取れるかが決まるので、3年生の2学期の評定は、非常に大切です。
学校の先生から評定を言われる前に2学期のテストの点数結果を見れば、大体の評定は想像できているはずです。
しかし、実際に面談で評定を聞いたら、期待値を下回ることもあります。
1学期のテストで90点取っても「4」、2学期も90点取ったのに「4」のままのケース。
2学期の中間・期末で80点台を2回連続で取ったけど「3」のままというケースもよくあります。
内申はひとつちがうだけで、受験できる高校が変わります。
想定よりも低かった時の失望感や怒りは、想像に難くありません。
もし期待したよりも低い評定がついたら、授業担当の先生に納得のいく説明や、評定の再検討を要求したくなりませんか?
しかし、授業担当に質問や交渉はできません。
なぜなら、面談では3科、5科、9科の合計評定を伝えられるだけで、どの科目か特定できないからです。
どれだけ納得できない結果でも、面談の段階で言われた評定を覆すことはできません。
文句ではなく、評定を上げるための具体的アドバイスをもらう
11月の面談後に、慌てても無駄です。
内申について学校に直接問い合わせできるチャンスは、夏の面談が最後です。
7月の面談で、1学期の通知表の評定がわかっているなら、点数と評定を比較して、「4」をもらってもいいのに「3」がついている科目など、納得のいかない科目について、理由を聞いてみてください。
文句ではなく、行動改善のアドバイスを求めましょう。
生徒側が納得がいかない評価だったとしても、評価の理由はあるはずです。
とくに実技科目は、テストの点数だけで決まることは少なく、作品・提出物・態度など評価項目が多いため、評価の根拠が、よくわからないケースが多いです。
先生の評価基準と自分の行動基準のズレを調整するのは、評価する側に聞くのが一番早いし確実です。
面談の機会を利用して質問してください。
学校は教育機関ではなく評価機関。自ら行動することでしか解決しない。
面談を有意義にするには、自分たちの準備が大切
志望校や必要な成績など学校案内を見れば、書いてあることは調べていく方が、有意義な時間になります。
志望校のイメージや高校受験の予備知識をまったく持たずに、面談にいくのは避けましょう。
せっかくの時間が本当に無駄に終わります。
学校の先生は学校生活のプロであり、進学のプロではありません。
基本的に学校の先生は持ち上がりで担当していくので、3年に一回しか受験を担当しません。
教職10年でも直接受験学年を担当するのは3回しか経験しないことになります。
大学1年から塾で講師経験のある大学4年生のほうが経験値として上の計算です。
学校の先生から、子どもにおすすめの高校を紹介してくれることや勉強方法などの具体的なアドバイスは期待しないほうがいいです。
学校の先生の職域ではありません。
学校の先生の話を待つのではなく、聞きたいことや伝えたいことを準備して面談に臨みましょう。
親子げんかで終わらせないために、ビジョンを共有しましょう。
事前に親子で共通の認識を持つことも必要です。
面談の時間は非常に短いです。
子どもの進路に関係ない話をしている暇はありません。
しかし親子で共通の認識がないと、無意味な時間を過ごすことになります。
子どもが、高校を全く調べないので、親が調べて、進路希望を先生に伝えることがあります。
それを聞いた子どもが怒りだして、親子喧嘩が始まり、先生がなだめて面談時間が終了した親子。
何も言わない子どもから、先生の前で希望を聞き出そうとして、親のしつこさに子どもが怒りだして、親子喧嘩で面談時間終了した親子もいました。
準備不足のために、面談が無駄になる例は数多くあります。
もし子どもの希望を聞いても言わない状態や親子間での会話が難しい状態なら、面談の前に、親の考えや面談で話す予定のことを、一通り説明だけはしておきましょう。
勝手にやると、子どもは怒りだします。
先生任せにしないで、自分で行動しよう
学校は、社会に出るための必要なスキルを提供して、子どもたちができているかを評価する場所です。
学校の先生は、60点の子どもを80点にするサービスはしません。
100点分の知識や技術を提供して、子どもがどれくらい達成したかを評価するのが仕事です。
待っていても助けてくれません。
自分から動くことが必要です。
たとえば英語の先生が担任で、美術の評定を上げるにはどうしたらよいかを質問したとします。
卒業生達の話を聞くと、先生の対応は大きく3つにわかれるようです。
・面談前に授業担当に聞いておいて、すぐ質問に答えてくれる先生
・面談後、授業担当に聞いて、教えてくれる先生(本当に調べて教えてくれるかは、先生によります。)
・直接、自分で授業担当に聞きに行くように指示する先生
どの先生が、いいということではありません。
自分の担任がどういう対応をしてくれるかわからないので、わからないものに期待をしない方がいいです。
自分の進路に関係することは、自分で調べましょう。
その過程で、困っていることは相談にのってくれるはずです。
たとえば、「美術の先生に話を聞きたいから、いつ職員室に来たら会えるのか?」など、自分だけでは解決できないことを頼めば、協力してくれるのではないでしょうか。
授業担当の先生も、担任の先生から「○○君が評定を上げるための具体的な方法を聞いてきたので、教えてください。」と言われるより、子ども自身が授業担当の先生のところに行き、質問をしたほうが好印象ですよね。
まとめ
面談で注意する点は4点です。
1.学校の評定に関する質問ができるのは夏が最後。
2.文句ではなく、評定を上げるための具体的アドバイスをもらう
3.学校は教育機関ではなく評価機関。自ら行動することでしか解決しない。
4.面談を有意義にするには、自分たちの準備が大切
しかし現実は「子どもがこのあとどれくらい学力が伸びるのか?」「入試日程の作成はどうすればよいのか?」「子どもの学力や性格的に合う学校はどこか?」など、経験がないとわからないこともあります。
また、実際に高校について調べようにも、子どもの精神年齢や成長度合いによっては、親子間で進路の話をしても、うまくいかないことも多いです。
志望校を決めるにあたって、どこから手を付けていいかわからない方や、子どもの考えがわからないとお困りの方は東都ゼミナールにお問い合わせください。
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