江戸川区の公立中学校進学実績の実態

「江戸川区の学校の学力レベルは低い。だから、学校の成績で安心してはダメだ。」という方がいます。

一方、「学校で平均点くらいとっているから平気だ。」や「学年20位だから頭がいい。」という方もいます。

人によって「普通」の基準がちがうので、同じ数字を見ても評価が異なります。

この記事では、江戸川区の公立中学校と渋谷区の公立中学校の卒業生の進学校と人数比較を紹介しています。

子どもの進路を考える上で、学校での順位や成績だけを見ることが、いかに危険であるかがわかると思います。

目次

調査の前提

サンプル校の選定方法

江戸川区の公立中学校を選ぶために、塾生が通う中学校を5,6校調査しました。

多くの中学が、進学先のみ記載があり、進学先の人数が記載されていませんでした。

入手できた中では、進学先と人数が明記されている中学校は、1校しかありませんでした。

一方、渋谷区の中学校は、区外から通っている塾生が所属している中学校です。

他区の中学校に通っている塾生はひとりしかいないので、サンプルとして選びました。

江戸川区の中学校も渋谷区の中学校も、サンプルの選定は偶然であり、恣意的に選んだのではありません。

調査方法と偏差値の根拠

2021年度の江戸川区と渋谷区の公立中学の卒業生で、公立高校に進学した生徒の人数と高校の偏差値を比較しました。

公立高校に限定した理由は以下の2点です。

  • 私立高校を入れると、関東圏以外の高校に進学している卒業生もいるため比較できない。
  • 私立高校は、併願優遇で進学している生徒もいるため、単純な学力の比較ができない。

    偏差値は晶文社「高校受験案内2022」を参照しています。
    両国高校は今年度より高校募集を停止したため、高校受験案内2022に高校データが記載されていません。そこで、偏差値は新教育「2021年度用 都立高校総合得点合格基準一覧表」を参考に小松川高校・三田高校と同水準の偏差値に設定しています。

比較をしやすくするため、以下の4つのカテゴリーに学力区分をしました。

  • 最上位層
    偏差値65以上。
    ほぼ全員が大学に進学する学力層。進学先は、MARCH以上の難関レベル。
  • 上位層
    偏差値55~64。
    ほぼ全員が大学に進学率は最上位と同水準。違いは、進学先が日東駒専レベルの中堅レベルの生徒が多い。
  • 中位層
    偏差値45~54。
    卒業生の5割以上が大学に進学する学力層。有名大学への進学者は、ほぼいない。
  • 下位層
    偏差値44以下。
    卒業生の3割程度が大学に進学する学力層。中堅レベルの大学への進学者も極めて少ない。

江戸川区と渋谷区の卒業生の進路データ

江戸川区立の中学校の進路分布

以下の表が江戸川区公立中学校の卒業生の進路です。

偏差値が表記されていない高校は、入学試験がないなどの理由で偏差値がだせない高校です。

最上位 偏差値65以上
偏差値高校名人数
65両国1
65小松川5
合計6
上位 偏差値55~64
偏差値高校名人数
61城東4
60上野1
58墨田川4
57江戸川11
55深川3
合計23
中位 偏差値45~54
偏差値高校名人数
54工芸1
53杉並1
53向丘1
533
50小岩7
51本所5
49紅葉川7
46葛飾野1
45篠崎14
合計40
下位 偏差値44以下
偏差値高校名人数
44日本橋2
43足立新田1
43葛飾総合1
42竹台1
40第三商業3
40南葛飾6
39葛西南23
392
39江東商業7
38葛飾商業1
35葛西工業2
39農産1
38浅草1
37墨田工業1
大江戸1
江戸川(定時)1
白鷺特別支援学校1
合計55

渋谷区立の中学校の進路分布

以下が渋谷区の公立中学校の卒業生の進路です。

最上位 偏差値65以上
偏差値高校名人数
71西1
70戸山1
67国際1
65両国1
65駒場3
65三田1
合計8
上位 偏差値55~64
60狛江1
56総合芸術2
56神代1
55産業科学高等専門学校1
合計5
中位 偏差値45~54
54武蔵丘1
54工芸1
53杉並3
52科学技術1
50杉並総合1
46桜町1
45鷲宮1
合計9
下位 偏差値44以下
39総合工科1
39第一商業1
蒲田1
中野特別支援1
六本木1
合計5

合格者の比較

江戸川区と渋谷区の中学校の各学力層の人数を比較しました。

学力層別の合格者数

最上位(偏差値65以上)

江戸川区渋谷区
合格者数6人8人

上位(偏差値55~64)

江戸川区渋谷区
合格者数23人5人

中位(偏差値45~54)

江戸川区渋谷区
合格者数40人9人

下位(偏差値44以下)

江戸川区渋谷区
合格者数55人5人

この比較からわかることは2点。

ひとつめが学力最上位層である偏差値65以上の高校合格者数を比べると、やや渋谷区が多いです。

しかし、江戸川区と渋谷区で、人数を比べると大きな差はありません。

ふたつめが江戸川区は学力が下がるほど人数が増えるピラミッド構造に対して、渋谷区は上位層と下位層が少なく、最上位と中位層がボリュームゾーンになっている逆三角形を二つ並べたような構造になっています。

全体の割合を比較

正確な比較をするには、分子だけはなく、分母にも注意する必要があります。

公立高校に進学した人数は、江戸川区の中学校では124名です。

一方、渋谷区の中学校は、卒業生全部の人数が65人しないので、公立高校に進学した生徒は27名しかいません。

100人近く生徒数が違う学校を、人数の多少で判断しても意味がありませんよね。

そこで、全体から各成績層の割合を計算しました。

以下の表が、各学力層の割合です。

学力層江戸川区渋谷区
最上位4.8%29.6%
上位18.5%18.5%
中位32.2%33.3%
下位44.3%18.5%

渋谷区の中学校は、30パーセント近くが偏差値65以上の高校に進学しています。

一方、江戸川区の場合、4.8%しか偏差値65以上の高校に進学していません。

つまり100人いたら渋谷区の中学校からは30人が偏差値65以上の高校に進学するが、江戸川区からは5人しか進学できないということを表します。

下位層に注目すると、渋谷区の中学校は、偏差値45未満の高校に18.5%の生徒が進学しています。

江戸川区の中学校は44.3%が偏差値45未満の高校に進学しています。

偏差値50以上の割合

以下の表は、渋谷区と江戸川区の偏差値50以上の人数と割合です。

渋谷区江戸川区
人数/全体20/2747/124
偏差値50以上の割合74.1%37.9%

偏差値50を基準に2つのグループに分類しました。

渋谷区の中学校は25.9%が偏差値50未満の高校に進学しています。

一方、江戸川区の中学校は62%もの生徒が偏差値50未満の高校に進学していました。

まとめ

江戸川区の公立中学校に通っていて、大学進学や有名高校への進学を希望している方・学力が中程度の高校に進学してほしいと願う方は、周りの生徒と同じように行動してはいけません。

なぜなら、江戸川区の過半数以上の普通の中学生は偏差値50以下の高校に進学しているからです。

いくつかのエリアの子どもを教えてきて思うのは、江戸川区の中学生が他のエリアに比べて、理解力や覚える能力が低いと思ったことはありません。

ちがうのは、日々の勉強時間、塾に行かせる時期、テスト勉強を始める時期、志望校を選ぶタイミングなどが、他のエリアに比べて少ないし、遅いことです。

多くの保護者が悩み、ネットや本で調べています。

しかし、その内容が、自分の子どもに合うのかは別です。

先輩ママに聞いても、情報が古かったり、サンプル数も少ないので、自分の子どもに合うかはわかりません。

だから、学校の同級生を自身の基準にするのはしようがないと思います。

しかし、江戸川区の中学校の同級生と同じことをしていても、半分以上の中学生が平均的な学力より下になります。

難関校に進学する割合は、渋谷区の公立中学は全体の約30%に対して、江戸川区の公立中学は5%にも達しません。

ボリュームゾーンは渋谷区が偏差値65の駒場高校、偏差値53の杉並高校の中堅より上位の高校です。

一方、江戸川区は偏差値39の葛西南高校、次が偏差値45の篠崎高校の偏差値45以下の高校がボリュームゾーンになっています。

偏差値50を基準に学力グループを2つに分けると、渋谷区の中学校は25%しか偏差値50未満の高校に進学していません。

一方、偏差値50未満の高校に進学している生徒は、江戸川区の中学校では62%に上ります。

江戸川区の中学校の普通は偏差値39であり、渋谷区の中学校の普通は偏差値65というのが現実です。

多くの保護者が、「普通であれば…」とおっしゃいます。

しかし「普通」は、いる環境や見る尺度によって変わります。

公立高校の偏差値は東京都でみた学力基準です。

基準になる偏差値50未満が60%を超える地域というのは、学力が低いエリアという証明になるのではないでしょうか。

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