中1のときは子どもの力だけで勉強をやらせてみた。
1学期はそれなりの点数を取ってきたけど、2学期になると徐々に点数は落ちてきた。
3学期。子どもの力だけでテストに臨んだけど…。
結局、2学期と変わらない結果で終わった。
現状を変えるために、中学2年生になり東都ゼミナールに通うようになりました。
5科目で360点しか取ることができなかった子どもが2年後両国高校に合格しました。
この子どもは「なぜ?」「どのように?」成績を伸ばし、「両国高校に合格できたのか?」を紹介します。
卒業生のビフォーアフター
偏差値
定期テスト
通知表
塾に通わせようと思った理由
「入試までの時間と今の成績を考えるとプロの手が必要だと思った。」
それが問い合わせのときにお父様が話していた動機です。
具体的に志望校や目指したい偏差値というものもありませんでした。
勉強をする習慣をつけることや方法を知ることで試験勉強のやり方などが変わることを期待しているように感じました。
下記が中1の学年末テストの点数です。
5科 | 9科 |
367 | 656 |
典型的な勉強不足の子どもの成績です。
点数の内訳は英語・社会が80点を超えていて、その他の数学・国語・理科は60点台でした。
英語・社会が80点を超えているので、勉強ができない子どもではないことが分かります。
残りの数学・国語・理科が全て60点台というところから、しっかりとテスト勉強をしている子どもではないということも分かります。
本人はというと…勉強の必要性は感じていたようです。
しかし塾に行きたいというモチベーションはなく、ご両親に塾に行くように勧められたから来たようです。
東都ゼミナールに来たのは「家から近いから‼」
東都ゼミナールに決めた理由は体験授業で「特に嫌な気もしなかったし、授業も分かったから‼」ということでした。
プロセス
中学2年
(1)1学期
成績を伸ばすための手段で一番手っ取り早い方法は勉強時間をのばすことです。
まずは使える時間を洗い出すために1週間のスケジュールを精査しました。
この子どもはハードな部活に所属をしていました。
現在の中学校の部活は
①土日のどちらかは休み。
②活動日も原則4時間を超えてはいけない。
③平日に休みの日を一日作る。
というルールで原則行われています。
この子どもの場合、基本的に休みはなく、土日の練習時間も上限がなかったため朝から夕方までということもよくありました。さらに週の何日かは朝練もありました。
朝練があることを考えると夜は残せない。
夕方の早い時間は部活で来られない。
そうなると勉強に使える時間は部活の終わった19:00~22:00しかないことが分かりました。
定期テストまで1ヶ月ちょっとのタイミングでの入塾だったので、まずは与えられた時間でどこまでの成果が出せるのかをみることにしました。
塾に入ったばかりの子どもの状況は
①授業での理解力は悪くない。
②授業内容をできるようにしたいという姿勢がある。
③覚えるスピードは速い。
①授業以外での取り組み全般が悪い。
- 宿題はやってあるけど定着できていない
- 暗記など継続性が要求されるものは苦手
②理解した内容ほど甘くみてミスが多い。
③中1の多くの単元がしっかり理解できていない。
問題解決のために
①学習スケジュールの管理
②確認テストの結果が悪い場合には追試の徹底
この2つをしっかりと行いました。
そして東都ゼミナールに来るようになり初めての定期テストの結果が出ました。
それが以下の表です。
【1学期期末テストの点数】
5科 | 9科 |
415 | 759 |
【塾にくる前との比較】
5科合計 | 9科合計 |
+48 | +103 |
飲み込みはよい方だったので、しっかりと管理をすれば、ある程度結果を出せる自信はありました。
この段階でつかえる時間をしっかりと勉強した時の天井が分かったので、次は中身の改善を図りました。
(2)2学期
夏期講習中に注力したことは中1範囲の知識を定着させることでした。
夏期講習が終わるまでには中1でつくった数学や英語の負債はほぼ返済できました。
夏の取組みが2学期の中間テストで功を奏します。
夏期講習をしっかりと過ごせたことにより地力がつきました。
そうなると同じ勉強時間でも吸収率が上がります。
さらに成績は上がりました。
2学期の期末テストでは9科で800点の大台にのせることができました。
【中間テストの点数】
5科合計 | 塾にくる前との比較 |
434 | +67 |
【期末テストの点数結果】
5科 | 9科 |
442 | 800 |
【塾にくる前との比較】
5科合計 | 9科合計 |
+75 | +144 |
(3)3学期
こうして冬までで「勉強のやり方の改善」・「学習時間の確保」・「塾に入る前の未定着の単元の補強」という部分ではかなり改善することができました。
ここからさらに学力を伸ばす方法としては
①日曜日など塾のない日に家での学習時間を増やす。
②勉強の精度をさらに上げる。
この2点を強化することで、さらに成績を上げることを考えました。
しかし、勉強量の確保についても勉強の質の向上についても、この段階では改善することができませんでした。
家で勉強ができない原因を本人は「弟たちに勉強の邪魔をされる。」と言っていました。
保護者の方は「家では誘惑が多く集中できないのでは?」と言っていました。
(当時、本人は認めていませんでしたが…。休み明けの確認テストは毎回低かったですし、やった勉強内容を確認しても、とても少ないものでした)
実際に見ていないので原因の特定はできませんが解決することはできませんでした。
勉強の質については、入塾時に弱点であった「理解した内容ほど甘くみてミスが多い。」という部分はまだまだ健在。
むしろ地力がついた分、作業は雑になることが増えました。
問題の読み違い。解答欄の記入ミスなど…。
まったく減りませんでした。
ずっと言い続けましたが全く改善されることはなく…。
3学期のテストが終わりました。
【3学期期末テストの点数】
5科 | 9科 |
388 | 758 |
【塾にくる前との比較】
5科合計 | 9科合計 |
+21 | +102 |
入塾前に比べると上がっていますが、2学期の期末に比べると5科では-54.9科では-42でした。
特に数学が2学期の期末と比べると数学が93点から70点、理科が92点から77点に落ちました。
勉強をサボっていたわけではありません。
テスト範囲の単元を理解していないわけでもありません。
テスト当日の取組みが雑でした。
その証拠として、もう一度解かせたら全部できていました。
中学3年
(1)1学期
子どもの取組み方が大きく変わることはありませんでした。
日曜日に勉強時間を増やすために近くの親戚の家に行くことや月曜日に確認テストをすることなど考えられることはしました。
しかし家だと勉強できない、親戚の家に行っても短い時間で帰ってくるので、確認テストをやったところで出来る訳もなく…。
結局、追試で無駄な時間を使うという日々が続きました。
ただ一問に対する集中力は2年生の時よりもつきました。
その理由は塾での勉強時間を増やしたことにあります。
3年生になると基本的に部活以外はずっと塾で勉強しよう‼ということを生徒全員に話します。
そしてそれを続けられる子どもは中2の時よりも1段階成長します。
部活がいそがしいのは相変わらずでしたが、家に帰るとダラダラすると自覚していたので学校帰りに塾に直接きて勉強をすることで学習時間を増やしました。
本番でミスをしないために必要なことはミスをしないようにする意識ではありません。
ミスをしないように意識をしても失敗はします。
たとえば多くのフィギュアスケートの選手はノーミスを目指すということを試合の前のコメントで言います。
きっと出場選手全員が、ミスはしたくないと気を付けているはずです。
しかしミスは起きます。
ミスをしないための方法はミスをしなくなるまで練習をする‼ということにつきます。
こうして中2の時よりも勉強時間を増やしたことにより、相変わらずミスは多い方でしたが失敗する回数は減り、成功する回数が増えました。
結局、人って成長から学ばないといけませんが成長できる瞬間は成功した時だと思います。
2年生の3学期の失敗が3年生の1学期の良い結果につながりました。
【1学期テスト結果】
5科 | 9科 |
446 | 816 |
【塾にくる前との比較】
5科合計 | 9科合計 |
+79 | +160 |
(2)2学期
①定期テスト
部活も引退して、夏期講習では毎日10時間、夏期集中特訓で1日15時間の勉強を2日間。お盆休みの間に学校の宿題はすべて終わらせる。
そんな勉強漬けの日々が終わり2学期を迎えました。
定期テストについては1学期に比べて上昇はしませんでしたが同水準の点数は取れました。
内申点は40からひとつ上がり41になりました。
【2学期期末テスト結果】
5科 | 9科 |
439 | 787 |
【塾にくる前との比較】
5科合計 | 9科合計 |
+72 | +131 |
②外部模試
2学期になるとVもぎやWもぎなどの外部模試が本格的に始まります。
時間の経過と成績の相関関係を確認するために東都ゼミナールでは9月からは毎月最低1回は受験するようにお願いしています。
志望校を選ぶにあたり、中2の時からご家族で学校見学にいってもらっていました。
中2の1学期の段階だと5科目で400点を超えたくらいだったので都立高校だと順当なところは江戸川高校。
頑張って城東高校というレベルです。
ただ3カ月くらい授業をした感触的に新宿は厳しいけど両国ならギリギリ届く気がしていました。
ですから「中2の時から城東高校から両国高校位の幅で学校を見てください。」という提案を塾としてはしていました。
両国高校、隅田川高校、三田高校、城東高校…。他に私立高校もいくつか見学しました。
本人は中3の9月の段階だと学校の雰囲気などは隅田川高校が気にいっていました。
しかし大学合格実績などの卒業後の進路を考えるともっと上のレベルが良いのかな?というところで迷っていました。
そのような状態だったので模試で志望校の欄に記入する学校は流動的でした。
9月24日に受験したはじめてのWもぎの結果が以下の通りです。
【9月24日都立そっくりテストの結果】
志望校 | 判定 |
三田 | 20%以下 |
両国 | 20%以下 |
城東 | 60~79% |
夏に今までよりも勉強してきて本人もそれなりに自信があったと思います。
しかし結果は20%以下のE判定。
勉強した成果は出るまでに時間がかかります。成果が出るのが早い子どもで2ヶ月。標準で3カ月くらいはかかります。
つまり9月に出た結果は6月の努力の数字です。
夏の努力が数字として出てくるのは11月か12月です。
本人には
「今のクオリティーのことを続けていけば必ず成果は出る。
ここで腐らず今までやってきたことをしっかりと続けていこう‼
けど成長を加速したいのであれば、今のままではダメだよ。
勉強できる時間はすべて勉強に当てるためにできることをしないといけない。」
と声をかけました。
こんな話は中3のこのタイミングで初めて話した内容ではありません。
中2の時から話していたことです。
それでもずっと家にいる時は雑誌やグッズを眺めてしまい勉強のパフォーマンスを上げることができませんでした。
(ジャニーズの追っかけをずっとしていて、好きなグループが出ている雑誌やコンサートで売っているグッズなどを収集するのが趣味でした。)
いつか気付いてくれることを信じて何度も言い方や表現方法を変え訴え続けました。
10月にやっと覚悟を決めました。
雑誌・ウチワ・カードなどのジャニーズグッズを受験が終わるまで預かってくれと全て塾に持ってきました。
想像以上の量にひるみましたが…。
受験が終わるまで預かることになりました。
そしてさらに勉強に打ち込むようになり時間とともに結果もついてきました。
それが以下の表です。
【10月29日都立そっくりテストの結果】
志望校 | 判定 |
三田 | 40~59% |
両国 | 40~59% |
隅田川 | 80%以上 |
【12月10日都立そっくりテストの結果】
志望校 | 判定 |
両国 | 80%以上 |
三田 | 80%以上 |
新宿 | 60~79% |
10月の模試では、E判定からC判定に上がり、12月にはA判定を取れるまでに成績は上がりました。
(3)受験期
11月には第一志望も両国高校に決まったので自校作成の問題で点数が取れるような練習をしていました。
しかし課題は多く…。
数学はできない。英語は長文が読み終わらない。国語は当たりはずれがある。社会は知識が曖昧…。
12月の模試のように問題がはまれば点数が跳ねることもありますが、安定感はありませんでした。
安定的に結果を出すには練習あるのみ‼
過去問を通じて、テストを受ける前の心構え。各科目でテスト中にやること。テストが終わった後は、科目ごとに指示された直しをしっかりとおこなう。
忘れていた知識や苦手な単元はテキストにもどって復習。
テストの点数を上げるために必要な当たり前のこと丁寧に数多く行いました。
これは合格できる‼と確信したのは2月に入ってからです。
このタイミングで初めて勉強の質×勉強の量が合格する子どもにふさわしいものになりました。
そして試験当日。
目標値としては英・数・国の合計で195点、理社で160点、合計355点を取ることでした。
テストが終わった日の夜に採点をすると英・数・国の合計が221点、理社が168点、合計389点。
ほぼ間違いなく合格できる水準でした。
この日の夜に預かっていた雑誌類を家に持ち帰ったことは言うまでもありません。
本人の感想(合格体験記より抜一部粋)
周りからは「辞めた方がいい」と言われました。
そんな不安と恐怖が晴れたのが体験初日です。
どの先生方もすごく気さくで、何もわからない私に色々なことを丁寧に教えてくれました。
授業中も、分からない問題があると何度も解説してくれて最終的に理解することが出来ました。
何度もそういったことが繰り返し起こると勉強に対する興味や理解することのうれしさ、楽しさを感じると共に、「この塾なら楽しくできるかも?」と思うようになりました。
先生方の手厚いサポートがあったおかげで、私立・都立共に志望していた高校は全て合格することが出来ました。
先生方の丁寧な解説やコミュニケーションなどがあったから出来たことだと思います。
入塾してからの2年弱はとても有意義な時間でした。この塾に入ったからこそ思えることです。
松江五中 N.H
まとめ
いかがでしたか?
自分で計画をたてて、ひとりで実行できる子どもではありません。
しかし、「自分は弱い」「自分はだらしがない」ということを認められる。
そして現状を改善するための周囲のアドバイスを聞き入れることができる。
その「素直さ」が最大の武器であり両国高校に合格できた最大の要因です。
なにから始めればよいかわからない。
どうやっていいかわからない。
けど「今を変えたい‼」という気持ちがあればチャンスはあります。
我々はきっとその気持ちを叶えるために役に立つことができます。