英単語、漢字・語句、社会全般、理科の生物分野など覚えないと点数が取れない科目は多くあります。
暗記科目の点数が悪い子どもに暗記をしない理由をきくと
「覚えられない」
「覚えても忘れる」
「覚えたときはできるけど、テストだとできない」
「覚えるのに時間がすごくかかるから全部を覚えきれない」など苦手な理由が次々と出てきます。
暗記が苦手な子どもの多くは、そもそも勉強不足が原因のことが多いです。
しかし、実際に時間をかけているけど得点につながらない子どももいます。
勉強しているけど正確に暗記ができない子どもや覚えた知識を運用できない子どもを対象に原因と解決法を紹介します。
勉強している姿チェック項目
・テキストをながめているだけ
・調べながらテキストの問題を埋めている
・間違えた問題を赤で直している
・テキストをながめるだけ
・単語帳や漢字帳を見ながらたくさん書いている
・回数を決めて書き取りをしている。
これらの項目に一つでも当てはまるなら、「暗記が苦手」、「暗記ができない」、「暗記にすごい時間がかかる」、「覚えたのにテストになるとできない」など、学力の伸び悩みを見せているか、早い段階で伸び悩みを見せているとおもいます。
暗記に時間がかかる理由
暗記に時間がかかるのは3 つの理由があります。
覚えられる方法で勉強していないから
調べながら解答を埋める方法で勉強をしているなら、勉強内容を覚えることができないかもしれません。
調べながら勉強をすることは間違っていません。
しかし、社会や理科の教科書を見ながら解答を埋めていく方法は答えを探しているだけで理解をしていません。
ただ答え絵を探しているだけで考えていません。
理解が伴わないので覚えることはできないでしょう。
ボーっとしているから
座っている時間や教材を広げている時間は長いけど勉強量が少ないタイプです。
練習量が足らないので、覚えられません。
勉強したけど覚えられない子どものほとんどの原因です。
勉強内容を確認すると、ほぼ書いた形跡もなければ、単語帳などのテキストを何度も見返した様子もありません。
このように眺めてしまうのは
・覚えようとしないから
・時間と成果の目標を決めないから
・勉強方法を知らないから
・勉強方法を知っているけど面倒臭いから
が考えられます。
成功体験が足らないから
「どうせやっても覚えられない」と苦手意識をもつのも原因のひとつです。
苦手意識を取り除く解決法として、本人が覚えられる量から始める方法があります。
子どもに合わせたトレーニングをすることで、おおくの達成感を経験させ苦手意識を取り除くことが期待できます。
しかし実践するのは非常に難しいです。
まず勉強中に集中力を欠く子どもは、学習習慣がないことが多いです。
たとえば1日3個から覚える練習を始めたとします。
おそらく3個なら覚えるのにそれほど時間はかからないので目標としては始めやすいと思います。
覚えたものを定着させるには反復することが必要です。
集中力にかける子どもや覚えられないと決めつけている子どもの多くは、学習習慣がない場合が多いです。
継続的な練習をしないので覚えられません。
子どもには勉強したのにできなかったという経験が積もり、苦手意識が強くなるという負のスパイラルを改善することができません。
また中学生は子どもの能力だけに合わせても成果として見えづらいという問題もあります。
子どもに合わせて1日3個の暗記から始めても、2カ月に1度は定期テストがあります。
1日3個のペースで勉強しても、定期テストの範囲に間に合いません。
勉強してもテストの点数はさほど変わらないため、達成感を感じられません。苦手意識を取り除くことができません。
覚えた知識を使えない原因
覚え方が悪いから
「暗記=覚えるだけ」と思っていませんか?
これは半分正解です。
しかし小学校高学年からは、ただ覚えるのではなく考えながら覚えないと覚えた知識を使えるようになりません。
頭の使い方の切り替えができていない子どもが非常に多いです。
特に定期テストで70点以下の点数の子どもは、暗記は頭を使わなくてもいいと思っている子どもが多いです。
しかし考えながら覚えた知識でなければ使えるようになりません。
考えながら暗記をしない子どもほど、公式・解法・解答解説の理由を考えずに暗唱例文のように覚えます。
定期テストにしても入試問題にしても同じ問題は出てこないので得点できません。
また多くの学習内容は次の学習内容の前提になります。
理解して記憶しないと学習内容が進むほど理解力が落ちていきます。
解決法
公式の理由や正解までのアプローチを言語化すると論理力が上がっていきます。
考えながら理解したものを覚えられるようになるので、忘れにくくなるだけはなく汎用性を上がります。
問題に柔軟な対応できるようになるので、分野による得意不得意がなくなります。
意味を考えずに覚えるから
漢字テストや単元別のテストならできるけど総合的に聞かれるとできない子どもは、漢字や語句を形だけで覚えるのが知識を運用できない多くの原因です。
漢字や語句などは、ことばの意味やイメージを覚えないと使えるようになりません。
たとえば漢字練習帳に「戦争のサンカ」という問題があったとします。
答えの「惨禍」だけを覚えても、小テストはできるかもしれません。
しかし「悲惨」や「禍根」など同じ漢字を使った別の言葉が出題されると、書けないし意味も分からないでしょう。
解決法
基本的に意味調べを丁寧にやることです。
言葉の正確な意味を覚えたら理想ですが、用例などを見て言葉のイメージを持つことで語彙力は上がります。
「惨」「禍」という字のそれぞれの漢字と熟語全体の言葉の意味やイメージを持って覚えないと使えるようになりません。
「禍=わざわい=よろこばしくないこと」と言葉の意味のイメージができていれば、文章中に「コロナ禍」があっても意味が想像できますよね。
または「コロナか」の「か」を漢字で書かせる問題が出されても、状況を想像すれば使うべき漢字がわかります。
暗記で頭を使う方法の具体例
ここからは偏差値40以下・定期テストの点数だと1教科70点以下・難問になると手が出なくなる子ども向けの暗記方法を紹介します。
漢字や語句で満点が取れない子どもや覚えてもすぐに忘れる子どもも参考になると思います。
漢字は部首・音・意味をセットで覚える
漢字は形と音だけを覚えても汎用性がありません。
部首+音+意味をセットで思えましょう。あと言葉や部首のイメージを持てるとさらに汎用性が高まります。
たとえば惨禍の禍を書くときに、左側が「ネ」か「衤」で迷った経験はありませんか?
もし迷っても、部首の意味と漢字の意味を知っていれば対処できます。
「衤」は「衣」が基の部首なので、服を表す言葉に使うことが多いです。
一方、「ネ」は神や祈という字に代表されるように、自分には届かない=自分ではコントロールできないものを表すイメージです。
「禍」は「わざわい」という意味です。「わざわい」は自分ではコントロールできないですよね。
だから「ネ」をつかうと覚えれば忘れづらいし、忘れたとしても対応できます。さらに新しい漢字を覚えるときにも覚えやすくなります。
褝=ひとえ(十二単や加賀友禅など服を表します)=衤
祝=いわう(神様のイメージありますよね)=ネ
英単語は日本語訳→英語の音→英単語をセットで覚える
理想はフォニックスを覚えることです。
ただ英語を始めたての子どもや英語が苦手な子どもがフォニックスから入っても覚えることが多いので、嫌になります。
まずは英単語をローマ字で読めるようにしましょう。
日本語を見て、英単語をいえる状態を作った後に、英単語の音を文字であらわす練習をしましょう。
一つの工程自体は1,2秒でできます。
たとえば「えんぴつ」を「ペンシル」と言うことや「ペンシル」を「pencil」と書く作業はそれぞれ1,2秒あればできます。
もし言えないなら覚えていないので、すぐ単語帳やテキストを見返して覚え直せばいいだけです。
言えるけど書けないのであれば、覚えた音が書きづらい覚え方の可能性が高いです。
もう一度単語帳を見返して修正すればいいだけです。
5秒も6秒も動きが止まることはありません。
しかし暗記が苦手な子どもほど英単語の形と日本語訳の2つしか覚えようとしないので、全く手が動かない時間が長くなります。
まとめ
1.暗記に時間がかかる理由
・覚えられる勉強方法で勉強していないから
・ボーっとしているだけで勉強していないから
・成功体験が足らないから
2.覚えた知識を使えない原因と解決法
原因1:覚え方が悪いから
解決法:公式の理由や正解までのアプローチの理由を言語化する練習をすると論理力が上がっていきます。
原因2:意味を考えずに覚えるから
解決法:基本的に意味調べを丁寧にやることです。
言葉の正確な意味を覚えたら理想ですが、用例などを見て言葉のイメージを持つことで語彙力は上がります。
3.暗記で頭を使う方法の具体例
・漢字は部首・音・意味をセットで覚える
・英単語は日本語訳→英語の音→英単語をセットで覚える
暗記ができない原因の一例を紹介しました。
ほかにも暗記に時間がかかる原因は、子どもが勉強時間と勉強量を意識していないことも考えられます。
これらの原因は複合的に絡んでいることも多いので、一つの弱点をつぶせば新しく原因が出てくることも多いです。
勉強方法が定着するには時間がかかります。
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