多くの塾では、通いはじめのタイミングや学年が変わるタイミングで受講科目を決めます。
英数の2科目、英数国の3科目、または理科・社会を加えた5科目の3つのパターンから受講科目を決めることが多いです。
もし高校受験の準備をしたいとお考えなら、5科目受講をおすすめします。
英数2科目受講、英数国3科目受講、5科目受講のデメリットと5科目受講のメリットを紹介します。
英数2科目受講のデメリット
受講科目を選ぶ基準の一つに科目の優先度が挙げられます。
塾に通う時間や予算を考えて、まずは英語・数学の2科目受講する方が多いです。
しかし、これは大きな間違いです。
以下、英数2科目受講だと不十分な理由を紹介します。
定期テスト対策を目的にした塾選びでも2科目受講では不十分
定期テストは9科目です。英語・数学だけを勉強していても、他科目の勉強ができていない子どもは多いです。
理由として
・試験2週間前からテスト勉強を始めても、理社のワークなどの提出物を完成させる時間しかないから
・国語力がないので教科書の内容がわからないから
・とくに個別指導塾だと普段の勉強量が足らないので、テスト前にバリバリやる勉強体力がないから。
一番大きなデメリットは、国語に触れないことです。
読解力は全ての科目に必要な力です。
国語や社会などの文系科目だけではなく、数学・物理・化学などの理系科目も現象を言語化して、記号化しただけなので読解力がないと理解できるようになりません。
たとえば「リンゴが一つあります。みかんが2つあります。合計で3つあります。」という文を読解して、「1+2=3」に記号化したものが数学です。
中学生の勉強の難易度はもっと上がります。しかし、求められる読解力のレベルが上がるだけでやることは同じです。
最近はいろいろなものが映像化されました。
勉強をしていてわからない単元は、ネットで検索すれば動画で教えてくれます。
ゲームの操作法や進め方も動画で解説しています。
またスマホ、アプリ、電化製品の操作は直感性が大事にされ、説明書を読まなくても使えるものが増えています。
読む力を鍛えることを意識しないと、読解をしなくても生活できる世の中になっています。
実際に教科書を読めない子どもは、ますます増えていると感じます。
教科書を読めないと試験前に理科や社会の勉強をひとりでできません。
教科書をなんとなく見ながらワークを埋めるだけの勉強や問題集の解答を暗記する勉強に終始しがちです。
よっぽど簡単なテストでないかぎり80点や90点を越えることはありません。
英数国3科目受講のデメリット
都立高校合格のために塾に通う場合
都立の問題は一部の高校を除いて5科目の配点がすべて同じです。
英数国だけを勉強しても合格には届きません。
もしわが子が読解力にかけるなら、社会はひとりで勉強するには非常に難しい科目になるでしょう。
教科書の内容が取れないので、歴史を勉強しても、人名・地名・事件名の区別がつきません。
「イギリスに勝利した13植民地の人々が作った国を何というか?」という問題に、中2の生徒が「絶対王政」と解答欄に書いていました。
教科書の内容も取れていないし、問題集の問題内容も分かっていないのが原因です。
また理科は、圧力・電気・イオンなどの分野はイメージがしづらく計算も絡むため、数学と同様ひとりで勉強するのが難しい科目です。
社会や国語以上に教科書を読んで理解しづらいはずです。
読解力がない子どもほど、理科・社会を受講することで現象のイメージがつきやすくなり、後で教科書を読んだときに教科書内容を理解する手助けになるはずです。
私立高校合格のために塾に通う場合
都立高校進学希望者以上に私立高校に進学希望の子どもは、早期から5科目を勉強したほうがいいです。
理由のひとつ目が、開成、渋幕、市川などの有名進学校に限らず、栄東、昭和秀英、専修大松戸、巣鴨など最近5科目受験の高校が増えてきました。
しかも私立高校の理科・社会の問題は都立高校の理科・社会に比べて難易度も高く、早期に基本的な勉強を完了し、各高校に対応した勉強をしないと間に合いません。
つぎに私立高校でも内申点が高いほうが、入試を有利に進められるケースが多いことも3科目受講のデメリットの理由です。
推薦基準が3科目の高校もありますが、多くの私立高校の推薦基準は5科目または9科目です。
三つ目が多くの子どもは、勉強する科目数を減らしても勉強時間を増やさないからです。
とくに中学3年生であれば理社の勉強時間減らすなら、英語・数学・国語の勉強時間を増やすべきです。
しかし、3科目の勉強時間を増やす子どもは、そんなに多くありません。
5科目の勉強をしている子どもに比べて、勉強する体力に差が出てくるので成績を上げていくのが難しくなります。
中学1,2年生の非受験学年にとっても理社は重要です。
なぜなら入試に出題される知識の6~7割が中学1,2年の勉強内容です。
さらに3年生のイオンなどは、2年生で勉強する化学の知識があった方が理解しやすい単元も数多くあります。
大切な3年生の内申点を満足のいく結果にするには早期に準備を始めた方が効果的です。
5科目勉強するメリット
普段から5科目勉強することで2科目受講や3科目受講のデメリットを解決ができます。
さらに普段から5科目を勉強するメリットが2つあります。
実技科目の勉強時間を確保できる
理社の勉強や数学などのワークを終わらせることに終始している子どもは、実技の勉強までなかなか手が回りません。
また5科目の内申点は高いのに実技科目の内申点が低い子どもは、まずテストだけでもいい点を取ることで一定の評定を得ることができます。
普段から5科目を勉強すれば、試験前に5科目のテスト勉強のウェイトを下げることができるので、より実技科目の対策ができます。
運動が得意な子どもや音楽が得意な子どもなら、テストの点数も高得点を取れば通知表に5がつくことも夢ではありません。
都立高校であれば実技科目は内申点が2倍になるので、英語などの主要5科目で「5」がつくより価値があります。
私立高校進学希望で定期テストの順位が上位20~30%または5科目合計が400点未満で推薦を希望するなら、9科目勉強している子どもの方が推薦基準に到達するケースが多いです。
5科または9科で推薦基準を設けている高校は非常に多いので、実技科目までしっかりとテスト勉強できる体制を作ると選択肢が広がります。
勉強の相互作用が期待できるから
複数の科目を勉強していると各科目にいい影響を与えます。
たとえば2015年開成高校の英語ではテコの原理の英文がイラストと併せて出題されました。
Fulcrum・ effort・ loadという単語は英語しか勉強していなければ理解できないでしょう。
理科の知識があればイラストと併せて「テコの話だな!」と気づくことができます。
他にも2021年慶応義塾志木ではアメリカ大陸横断鉄道とシベリア鉄道建設の話から「永久凍土」と答える問題が出題されました。
これも歴史・地理の知識がないと文章把握や解答することが難しいです。
これらの高校が特別なのではなく、多くの高校で理科や社会の知識を知っていた方が文章理解や解答に役立ちます。
5科目受講のデメリット
費用がかかる
2科目や3科目受講に比べると費用は掛かります。
時間の制限がある
2科目や3科目受講に比べると授業時間が増えるので自由になる時間は減ります。
これらのデメリット以上にメリットの方が多いです。
費用面についてサービスを受ける時間が増えれば多くかかります。費用を抑えることは簡単です。しかし効果を出すのに必要な費用はあります。
大切なのはかけた費用に足してどれくらいのリターンがあるかではないでしょうか。
時間の制限についても自由な時間に何をして過ごしていますか?
おそらく塾を探す多くの方は、家での勉強に限界を感じているからではないでしょうか。
まとめ
中学生の塾選びでは5科目受講がおすすめ。
定期テスト…9科目ある。英・数だけを勉強していても、他科目の勉強ができていない子どもは多い。
都立入試…5科目の配点がすべて同じなので、全科目の勉強した方が成績UPや志望校合格につながるから。
私立入試…最近5科目受験の高校も増えてきた。私立第一志望でも内申点が高いと入試を有利に進めることも多い。
多くの子ども…科目数を減らしたところで3科目の勉強時間は増えない。
勉強の相互作用…理社の勉強が3科目にいい影響を与えることも多い。
東都ゼミナールでは通常5科目・テスト前は実技科目まで勉強します。
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