技術ではけがきや切断など、作品を制作するために必要な基礎技能があります。
制作するときにも必要な知識ですが、定期テストでも、技能面や道具の名称も出題されます。
この記事では中学生技術の材料と加工分野の基礎技能から定期テストに出題されることを紹介します。
けがき
工作物に基準となる線や穴位置などを描く作業のことを言います。
素材により使用する道具が異なります。
使用する道具
(1)木材の場合
さしがね・直角定規・鉛筆など
(2)金属の場合
直定規・センタポンチ・ハンマ・けがき針など
定期テストに出題される道具
けがきからの範囲で高頻度に出題されるものは、さしがね・センチポンタ・けがき針です。
イラストと合わせて覚えてください。
(1)さしがね
illpop.com
※メモリの長い方=長手
※短いほう=妻手
(2)けがき針
maruhann.shop-pro.jp shinwasokutei.co.jp
(3)センチポンタ
ktc.jp
けがき方
(1)木材
①板材の場合
1.さしがねの長手(さしがねの長いほう)で部品の長さ方向の寸法をとり、印をつける。
2.さしがねの長手を基準面に密着させて、基準面と直角な線を引く
3.さしがねの長手で部品の幅を決める線をけがく
(2)金属
①板材の場合
1.基準とする辺に直定規や鋼尺の目盛りを合わせ、直定規や鋼尺の端にけがき針を当てて寸法を取る。
2.直定規や鋼尺にけがき針の先端を密着させて、進行方向に少し傾けてけがく
②穴や円の中心のけがき方
1.センチポンタの先を穴や円の中心に合わせ、ハンマで軽くたたく
※鋼尺=金属製の定規のこと
切断
とくに木材の切断が重要です。のこぎりの名称・使用方法は出題頻度が高いです。
木材の切断
1.切り始め
指の関節を当てたり、当て木を使ったりして、のこ身のもとの部分の刃で正確に切り込む。
2.のこぎりびき
のこ身が一直線に見える位置に立ち、のこ身の重さを利用し、手前にひくときに軽く力を入れて切断する。のこぎりは、刃わたりいっぱいに使う。
3.切り終わり
木材が欠けるのを防ぐため、木材の端を別の人に支えてもらう。
のこぎりの使い方の注意点
(1)木材の硬さと厚さの違いによって、ひき込み角度を調整する。
①軟らかい板材や薄い板材のとき=のこぎりを15~30度に寝かして使用する。
②硬い板材や厚い板材のとき=のこぎりを30~45度に立てて使用する。
(2)各部の名称
切断する繊維の方向によって縦びき用の刃と横びき用の刃がある。
① 刃わたり ② 縦びき用の刃 ③ 首
④ 柄がしら ⑤ 柄じり ⑥ 先
⑦ もと ⑧ のこ身 ⑨ 横びき用の刃
⑩ 柄
(3)使用する刃の違い
①縦びき用の刃=繊維方向に切断したいときに使う。ノミのような形状=刃が大きい
②横びき用の刃=繊維に対して直角または斜めの方向に切断したいときに使う。小刀のような形状=刃が細かい
金属
薄板は金切りばさみで、棒材は弓のこで切断します。
特に大切なのは弓のこです。
弓のこの構造と使い方は覚えておくといいです。
(1)構造
①押す方向
②フレーム
③取り付けねじ
④のこ刃
⑤柄
(2)使い方
使い方は材料を万力にしっかりと固定して、弓のこを押して切断する。
かんな削り
かんな削りにより、木材の部品を寸法通りに仕上げたり、表面や切断面を滑らかにしたりします。
各部の名称
かんなは各部の名称がとてもよく出題されます。
ここは是非全部覚えて.テストに挑んでください。
① 裏金 ② かんな台 ③ したば ④ こば ⑤ 刃口 ⑥ 押さえ棒 ⑦ 台がしら ⑧ かんな身
かんなの削りのしかた
①平削り
板材を当て止めに固定する。体重をかけながら、手前に真っすぐに引く
②子部削り
板材を削り台に固定する。かんなのこばを工作台の上を滑らせながら、真っすぐ、一気に引く
③こぐち削り
始めに板幅の3分の2ほど削り、板材を裏返して残り3分の1を削る。刃先の出は少なくし、裏金は引っ込めておく。
やすりがけ
(1)効果
やすりがけにより、木材や金属、プラスチックの部品を寸法どおりに仕上げたり、表面や切断面を滑らかにしたりします。
(2)やすりの各部の名称
① 呼び寸法 ② 幅 ③ 面 ④ 柄
種類 | 荒目 | 中目 | 細目 | 油目 |
目の数 | 少ない → 多い | |||
用途 | 荒削り用 → 仕上げ用 |
(3)方法
①直進法:一般的な方法で、仕上がりがきれいになる
②斜進法:削る量が多く、荒削りに適している。
穴あけ
(1)効果
卓上ボール盤を使用して、通し穴あるいは止まり穴をあける。
(2)卓上ボール盤の各部の名称
densmq.cocolog-nifty.com
① ベルトカバー ② 送りハンドル ③ テーブル上下ハンドル
④ ドリルチャック ⑤ ドリル ⑥ テーブル
ねじ切り
(1)効果
タップでめねじを切り、ダイスでおねじを切る
(2)道具の種類
●めねじ切り
hozan.co.jp
① タップ回し ② フレーム ③ 先タップ ④ 中タップ ⑤ 上げタップ
●おねじ切り
monotaro.co.jp
① ダイス回し ② ダイス固定用ねじ ③ ダイス ④ 刻印面
(3)方法
①めねじの切り方
・下穴が垂直になるように材料を万力に固定する。タップをした穴に充て、抑えながらゆっくりと右に回す
・タップが下穴に食いついたら、タップが垂直になっているかを調べる傾きがあれば、修正する方向に力を加えながら回す
・手ごたえが重くなったら、少し回転を戻しながら切り進める。無理をするとタップが折れる。ときどき切削油をさす
②おねじの切り方
・ダイスの食いつきをよくするために、丸棒の先端をあらかじめ面取りしておく。丸棒が垂直に立つように、万力で固定する。
・刻印面を下にしてダイスを丸棒にあて、押さえながら食つくまで、ゆっくり右に回す。
・食いついたら、ダイスが水平になっているかを目で確かめる。タップと同じ要領で切り進める。
くぎ接合
(1)方法
木材同士の接合法で、切りで下穴をあけてから、げんのうを使用して、くぎ打ちをする。
(2)手順
①部品を接合する部品のけがき線に正確に合わせる
②げんのうを平らな面で端のくぎを打ち、ズレていないことを確認する。
③ずれているときは、くぎを抜き、つまようじなどを詰めて補修する。
④反対側の端のくぎを同様に打ってから、残りのくぎも打つ。
⑤ずれていないことを再確認してから、げんのうの曲面で、すべてのくぎを頭部が沈むまで打つ。
はんだづけ
(1)効果
はんだごてを用いて、金属の板材どうしを、はんだで接合する
(2)方法
①接合部表面のさびや油分を取り除き、接合部にフラックスを薄く塗る。
②はんだごての先端を当て、接合部を温めてからはんだを流し込む。
まとめ
中学生「技術」制裁作業の基礎技能で定期テストに出題されることをまとめました。
今回、紹介した内容の中でも、各道具の部位の名称は大変重要なので必ず暗記しましょう。
かんな・両刃のこぎりの各部の名称については100%出題されるといっても過言ではないぐらい出題されています
卓上ボール盤・やすりも高頻度で出題されています。
作業の手順も重要なので、道具の使い方と作業手順も覚えておくことをおすすめします。
今回紹介したもの以外にも、ねじ接合・接着剤による接合・塗装や表面処理なども基本技能に含まれます。
この分野については出題頻度が、それほど高くないので今回の記事では割愛しました。
しかし学校によっては、出題される可能性もあります。
学校の先生の話をよく聞いて、どの分野が出題されるかを、整理して、そのあとに細かい事項について学習をすると時間を合理的に使えます。
しっかりと勉強をして高得点を取って下さい。