【高校受験】実力テストや応用問題ができるようになる方法

・勉強時間の割に成績が上がらない

・意味のある勉強をしているように思えない

・応用問題や総合問題になると途端にできなくなる

・単元別のテキストの正答率は高いけどテストになると全然できない

こんな学習状況の子どもをよく見ます。

大きく2つのケースに分けられます。

ひとつ目は、勉強時間が足りていないケースです。

勉強をしているように見えても実際はボーっとしている子どもなどが挙げられます。

多くの子どもは、このケースに該当します。

このケースは勉強の管理をしっかり行えば成績が上がります。

ふたつ目が、本人の意識や見た目は勉強をしているように見えるのに、成績が上がらないケースです。

ノートには解いて、〇つけ、やり直しもしている。

だけど成績が伸びていかない。

ここでは勉強をしているのに成績が上がらないや応用問題や総合問題になるとできない子どもの原因・判別法・解決法について紹介します。

目次

総合問題や応用問題ができない原因

応用問題は応用問題の解き方があると思いがちです。

苦手な子供ほど応用問題の解き方を多く覚えれば点数が上がると思っています。

これは大きな間違いです。

応用問題は基本的な知識が複合的に重なって複雑に見えるだけです。

つまりひとつひとつの基本知識を正確に使えるようにすれば、応用問題を解けるようになります。

基本知識は、知識の本質を考えながら基本問題を解くことで身につきます。

考えながら基本問題を解いていないのが、応用問題や総合問題ができない原因です。

多くの子どもは解き方だけを覚えるか簡単な問題を思考せず作業にしてしまうので基本知識が身につきません。

総合問題や応用問題ができない子どもに共通する行動として

  • 漫然と問題をながめる。
  • 英語では、テキストのかっこの中に答えを入れることだけを考える。
  • 数学では、適当に式を作り、計算をする。

これらの行動は、「考えていない」という点で共通しています。

もしこのような勉強方法なら、応用問題や見慣れない問題になると得点率が大幅に落ちる可能性が高いです。

考える子どもと考えない子どもの判別方法

「考える」のは本人の頭の中のことなので、目に見えません。

ボーっとしている子どもに、「何をしているの?」と聞くと、多くの子どもが「いま、考えています。」と答えます。

たしかにボーっとしているように見えても、考えている子どもも中にはいます。

しかし、多くの子どもは何を考えていません。

確認の方法は簡単です。

「何を考えているの?」と聞いてみてください。

考えていない子どもは、「問題の答え」や「次にどの単語くるのかな?」とこたえます。

一方、考えている子どもは、問題の答えを知るためのプロセスを考えています。

「○○の長さが知りたいから、××の値を出したいけど、△△がわからないから、他にヒントがないかな?と問題を読み直していました。」のようにこたえます。

他にも各科目では、以下のような行動をしている子どもは、考えて勉強していない可能性が高いです。

【数学】

・文章題を解くときに線分図やビーカー図を書いていない。

・関や図形の問題を解くときにグラフや図形を書かない。

【国語】

・読解問題を解くときに線を引いてない。

・文法問題を解くときに文節や単語を区切っていない。

【英語】

・文法問題を解くときにテキストを見ながら解いている。

・穴埋めと並び替えはやるけど、英作文には手を付けない。

・見慣れない表現や長い文だと英語や日本語に直せない。

上記のような症状が一つでもあるなら、考えて問題を解いているのではなく、基本問題の解法の手順に従って解いているだけの可能性が高いです。

「考える」内容

考える=自分の選択に理由を持つことです。

そのためには聞かれていることを映像化できて、自分の選択を言語化することが必要です。

以下は、映像化や言語化するために行うことです。

なにを聞かれているかを明確にする。

まずは、何を答えればいいのかを考えましょう。問題を読めば書いてあります。

しかし、「何を聞かれているの?」と質問すると、答えられない子どもは多いです。

問題の質問部分に線を引く習慣をつけると、考えながら問題文を読む習慣がつきます。

Ex.ある動物園の入園料は、大人がa円で、こどもはおとなより150円安い。大人5人と子供8人が入園するときの入園料の合計を求めよ。

問題の状況を整理する

言葉は映像化することで意味を持ちます。

問題文の意味が取れていない子どもや話している内容が伝わらない子どもは、言葉を音や文字として認識しているだけで、意味を持たせていません。

頭の中のことを図示することで状況を整理しているかの判断ができます。

Ex.数学の文章題は線分図やビーカー図を書く。国語は段落ごとに要約する。

出題者の意図を読み取る

出題者の意図を読み取ることが究極的には一番大切です。

この問題で何を聞きたいのか?出題者は何を意図して、この問題を作ったのか?ということを普段から意識すると知識の運用がしやすくなります。

2021年の慶應義塾の英語で以下のような出題がありました。

Q. 下の文の間違いを指摘して、正しく直しなさい。

We had good going to bed now.

日本語にしようとしても、英文が破綻していて、全く意味が取れません。

この英文が変なことはわかります。

しかし、何が聞きたい問題なのかを把握しづらいと思います。

このときに必要な視点が、「出題者は何を考えて、この問題を作ったのか?」です。

この感覚は、自分で問題作成をしてみるとわかります。

たとえば、黒が好きな人が「わたしは何色が好きでしょうか?」というテーマで四択問題を作ったとします。

おそらく選択肢には白が入ります。

他には、紫や灰色が入る可能性も高そうですね。

黒を好きな人がほかの選択肢を作るなら、黒とは正反対の白、黒と白の中間のグレー。

また青系でもスカイブルーのようなさわやかな青ではなく、ネイビーなどの黒に近い色を選択肢に入れる人が多いと思います。

もちろん問題作成者の性格にもよるので、全然違う可能性もあります。

しかし間違えの選択肢には、①正解とは正反対・②正解と不正解の中間・③正解に近いもののように正解の選択肢を基準に作成されるのが一般的です。

2021年慶應義塾の問題も同様です。この問題で違和感がある箇所は、hadの後のgoodとgoingです。

なぜ、こんな変な英語を問題作成者は作ったのだろう?と考えます。

違和感のあるgoodと意味が似ているwell、比較級や最上級にしたbetterやbest、goingはgo・to goが考えられます。

この中で組み合わせを考えると、 We had better go to bed now.を基準に間違いを作成したことが見えてきます。

おそらく出題者は、正解の文を最初に作成した後に、betterの原級であるgood・goを分詞にしてgoingに変更したのだと思います。

意味や形だけをながめていても正答にはたどり着きません。

「どのように問題作成したのかな?」や「何を聞きたいのかな?」など、出題者の意図を言語化することも考えることのひとつです。

解答の可能性になる選択肢を頭の中で浮かべられる。または書き出す。

考えるには、材料が必要です。

全く音楽の知識がないと、曲を作ることができないように、「考える」には、その問題を解くために必要な知識が必要です。

以下の問題を使って、良い解き方と悪い解き方の見本を紹介します。

Q.下線と同じ用法をア~エのなかで選びなさい。

Jane is that girl singing on Ken’s left.

アHe is reading a book

イReading a book is a lot of fun.

ウThe boy reading a book is Ken.

エKen’s hobby is reading books

~ingの用法を判別する問題です。「ア~エのどれを答えにしようかな?」と考えるのは、考えることになりません。

まずはingの形をとるものと、それぞれの特徴を頭の中で列挙するか、慣れないうちは書き出すと頭の中を整理できます。

項目特徴
進行形be動詞と一緒に使って動詞の仕事
分詞の形容詞的用法形容詞の仕事
動名詞名詞の仕事
分詞構文副詞の仕事

この問題は直前の名詞を修飾しているので、形容詞の仕事をしています。

だから、分詞の形容詞的用法だと判断できれば理想的な思考過程です。

しかし、基本問題を考えずに問題を解く子どもは、このような考え方ができません。

根拠なく分詞の単元をやれば分詞を選び、動名詞の単元を勉強すれば動名詞を選びます。

このやり方で積み重ねても、総合問題は解けないし単元が進むほど勉強内容がわからなくなります。

正答と誤答の選択肢の理由を書きだす。またはチェックする。

選択問題では正解を探すだけではなく、不正解の理由を探すことも考える内容のひとつです。

国語の読解問題を解いているときに、アが正解だと思ったとします。

考えていない子どもは、イからエが正答ではない理由を聞くと「アが答えだから」という理由しか言えません。

一方、論理的に考える子どもは「イが違う理由は本文●行目に書いてあることと逆のことを言っているから」や「ウは似たことが書いてあるけど、表現が誇張されているから違う」など選ばなかった選択肢の理由を説明できます。

考えられるようになるには

「考える」には問題を解くための共通言語が必要です。

たとえば、三平方の定理を勉強するときに、ルートの計算を知らない子や直角三角形を知らない子どもは、教科書を読んでも、人から習っても、できるようになりません。

考えるためには、問題を解くための最低限の知識=共通言語は必要です。

そのために

ルールや公式を覚える

知識の種類によって暗記の方法は異なります。

たとえばアルファベットや九九は、歌を覚えるようにリズムや響きで覚えます。

しかし、三角形の合同条件は、理解して条件をイメージできるように覚えた方がその後の運用がしやすく、忘れづらいです。

勉強内容のレベルに応じたルールや公式の知識は必要です。

覚えたルールを運用する

ルールや公式を暗記するだけだと使えるようになりません。

英語の語順、数学の定理や公式、国語の読解などルールや公式には理由があります。

理由を考えずに暗記する子どもや、問題の解き方だけを覚える子どもは、問題が少し難しくなると考えることができません。

問題集やテキストを行う理由は、解き方を覚えるためではありません。

理解した知識をしっかりと定着させるためです。

なぜその式になるのか?なぜその語順になるのか?なぜその単語を使うのか?必ず理由があります。

基本問題を解くときから逆算的・消去法的に問題を解く

問題を解くときは逆算的、消去法的に考える必要があります。

たとえば、三角形の合同の証明問題を解くときに考えていない子どもは、例題の解き方を真似してスタートからゴールに向けて考えます。

考えていないので、条件の整理も問題文に書いてあることしか把握していません。

一方、考えている子どもは条件を整理した後に解答に直結するヒントを考えます。

合同の証明問題では、3つの合同条件のどれが使えるか?そのために証明する角度や辺をゴールからさかのぼって、使えない選択肢を消していくように考えています。

逆算的・消去法的に考える方法は、前提知識を総合的に覚えなければならず、選択した理由も考えないといけないため頭を使います。

面倒臭いです。

しかし、頭を使うことを面倒臭がると、たまたま点数がとれることがあっても、安定的に高得点が取れるようになることはありません。

また考える素地がないと、どんどん表面的な知識の暗記に終始して、学年が上がるにつれて理解が浅くなり、点数が取れなくなっていきます。

間違えた理由を探る

考えられるようになるには、自分が間違えた問題の理由を探ることも有効です。

松江1中の定期テストで、「愛する人」の「愛する」の活用と活用形を聞く問題が出題されました。

ある生徒は、「愛さない」→「愛します」→「愛する」→「愛するとき」→「愛すれば」→「愛せ」と変換できるので、五段活用だと思ったようです。

しかし不正解だったので、その子は担当講師に「これの答えは何ですか?」と質問に来ました。

担当講師は「~+するはサ行変格活用だよ。」と教えたようです。

その説明で、その生徒は納得して帰っていきました。

ここで終わると考えられるようになりません。

この子は正答を知りました。しかし自分の解答がちがう理由を理解していません。

つまり、このケースでは「五段活用にならない理由を教えてくれ!」と質問することが必要でした。

間違えた理由が正答とは違うからでは、また同じ間違いをします。

まとめ

1.総合問題が解けない原因

考えて基本問題を解いていないから

2.考えるとは

考える=自分の選択した理由を言語化する

3.言語化する内容

・出題内容…何を聞いている問題なのか?

・出題者意図…何を聞きたい問題なのか?

・問題の状況…考えられる可能性はなにか?

・解答の根拠…なぜその答えにしたのか?

4.言語化するために必要なもの

・共通言語→知識の理解

学習内容の前提となる知識と前提知識の理解が必要です。

ただの暗記では、状況に合わせてつかうことができません。

・読解力

何が聞かれているのかを把握できる読解力も必要です。

記述が苦手という子どもは非常に多いです。

記述が苦手な原因は、読解ができないのも原因のひとつです。

5.考える能力を鍛える方法

考える能力を鍛えるには、普段から「なんで?」と「なぜなら」を持つことです。

自分の解答の理由・数学で補助線をひく理由・他の選択肢が違う理由・間違えた理由。

それぞれに理由はあるはずです。

理由がないのであれば勉強ではありません。

続けても学力は伸びません。

6.「なんで」を持つことは実践するのが難しい

「なんで?」を持つには、普段から脳を刺激し続けて、考えることを習慣化するのが一番現実的です。

しかし、運動と同じで、普段から運動をしている人は、体を動かすことに抵抗がないけど、運動を普段しない人は、体を動かすのが面倒くさく感じるのではないでしょうか。

また経験値が少ないと、自分ができているかの判断もつきません。

考えるのも、慣れないと疲れるし面倒臭いので、ひとりで実践するのは難しいです。

また科目の専門性・子どもによって対応を変える引き出しの数が必要なので、ご家庭で指導するのも非常に難しいです。

東都ゼミナールの授業は考えさせる授業を行い、解答のアプローチを自力で導き出せるようにすることを大切にしています。

・テキストはそれなりにできているけど、テストになると全然できない

・時間の割に成績上がらない

・意味のある勉強をしているように思えない

・応用問題や総合問題になると途端にできなくなる

・単元別のテキストの正答率は高いけどテストになると全然できない

とお悩みの方は、下記問い合わせフォームよりお問い合わせください。

解決に向けたお手伝いができます。

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