1年生で学習する“シューベルトの『魔王』”ですが、定期テストで問われることは、
作曲者シューベルト
作詞者ゲーテ
楽曲と内容
の3つのポイントに絞られます。
作曲者シューベルト
名前
フランツ・ペーター・シューベルト
ほぼ間違いなく出題されますが、フルネームで書くことはほとんどありません。“シューベルト”が書ければ大丈夫です。また、写真や肖像画とともに、これは誰か、シューベルトはどれか、という出題は少ないです。
ただ念のため、フルネームと写真は(よく知られているものです)覚えておくとよいでしょう。
出身はオーストリアのウィーン郊外のリヒテンタールです。オーストリアは必ず覚えておき、ウィーンも出題があります。知っておくのはここまでで大丈夫です。
生没年
1797年~1828年、享年31
問われるのは、1828年と、31歳が多いです。
『魔王』を作曲した時の歳
18歳
この出題は多いほうです。
作曲した歌曲数
600曲以上
ドイツ語による歌曲=リートとともに必ず覚えておく事項です。
別名
歌曲の王
31歳という短い生涯で、600曲以上を作曲したということで、確実に問われます。
活躍した年代
ロマン派時代
古典派の影響を強く受けていますが、詳しく問われることはなく、ロマン派時代ということを知っておけば大丈夫です。
三大歌曲集
『美しき水車小屋の娘』『冬の旅』『白鳥』
三大○○というのはいろいろな分野でよくありますね。
主な作品
『野ばら』『セレナード(セレナーデ)』『ます』『菩提樹』など
魔王以外に、教科書に載っているものや授業で扱ったものが答えられれば問題ありません。
作曲家の誰を尊敬していたか
ベートーヴェン
受け継いだ作曲家
メンデルスゾーン
ブラームス
ドヴォルザーク など
父親の仕事
学校の先生
友人たちが集まってシューベルトの作品を演奏して楽しんだ演奏会
シーベルティアーデ
友人の輪が広がり、世間に知られるようになるとともに、貧しかったシューベルトを助けもしました。
出題例
1 『魔王』の作曲者は(① )出身の(② )である。(③ )歳の生涯で(④ )曲以上ものドイツ歌曲を作曲したので、(⑤ )と呼ばれている。『魔王』は(⑥ )歳の時の作品である。(⑦ )を尊敬していた。
2 魔王以外の作品には(① )、(② )、(③ )などがある。
3 「魔王」のようにドイツ語で歌われる歌曲を何と言いますか。
4 友人たちが集まりこの作曲家の作品を演奏し、貧しかった作曲家を助け、作品を世間に広める役割もした演奏会を、何と言ったか答えなさい。
答 1① オーストリア ② シューベルト ③ 31 ④ 600
⑤ 歌曲の王 ⑥ 18 ⑦ ベートーヴェン
2①②③ 野ばら、ます、セレナード(セレナーデ)、菩提樹 など
3 リート
4 シューベルティアーデ
作詞者ゲーテ
名前
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
フルネームで書くことはまずないです。“ゲーテ”が書ければ大丈夫です。
そもそも作家であり、ドイツを代表する文豪(法律家(弁護士)や政治家、自然科学者としても活躍)なので、多くは出題されません。
ゲーテの作品『魔王』に、シューベルトが曲をつけたのです。
生まれた国
ドイツ
主な作品
『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』など
出題例
『魔王』の作詞者は(① )で、生まれた国は(② )、代表作には(③ )があります。
答 ① ゲーテ ② ドイツ ③ 若きウェルテルの悩み、ファウスト など
楽曲と内容
演奏形態
ピアノと独唱
ピアノの伴奏とともに、1人が歌います。
ピアノの伴奏が表しているもの
夜の嵐の中で、馬が駆ける様子
演奏形態とともに頻繁に出題されます。もっともこれらが分かっていれば問題ありません。
ピアノ伴奏の左手が“嵐”を、右手が“馬”の走る様子を表現しています。
前奏の三連打は何を表しているかという問題もありました。( → 馬のひずめの音)
登場人物
父、子、魔王、語り手
まず必ず出題されます。4人すべてを答える場合や、どれかを答える場合など、問われ方はいろいろです。覚えておけば問題ないでしょう。
1人の歌い手が、登場人物4人を歌い分けている(1人4役)ことも知っておいて下さい。“独唱”ですから。
ストーリー
嵐の夜に、父が高熱を出した子を抱いて馬を走らせている。そこへ魔王が表れ、誘うように子どもに話しかける。子どもは怖がりおびえ、父に訴えるが父には魔王が見えない。分かってもくれない。やっと家にたどりつたが、その時には子どもは息絶えていた。
これを選択問題で聞いてくることが見られます。教科書に歌詞や訳が載っているので、授業内容とともに把握しておくことがポイントです。
ハッピーエンドにならない(むしろ怖いうえに悲しい結末)という、学校教材としては異色の展開とも言えるものです。
しかし曲は初めのうちは優しめな感じであり、それが続き、最後の最後で恐ろしい雰囲気に変わります。
また、ストーリーには詳しい状況設定のようなものが無く、受け手側の想像が必要です。
その想像を問う問題も多く見られます。音楽や声の変化とともに気持ちの変化や想像したことを、自分なりに書くというものです。正解(模範解答)がないというのもあります。鑑賞と授業で扱ったことをもとに自分なりに表現することがポイントです。書ければ(書けば)得点できるものなので、テストでは必ず取り組みましょう。そのためにも授業をしっかり受けることも当然大切ですね。
想像の域が広がるものなので、音楽的な面とともに教材として取り扱われているのでしょう。
声の種類と演奏形態
声の種類
女性: (高い) ソプラノ - メゾソプラノ - アルト (低い)
男性: (高い) テノール - バリトン - バス (低い)
歌の演奏形態
1パートのみ: (1人で) 独唱 (複数で) 斉唱
複数パート: (1人で) 重唱 (複数で) 合唱
『魔王』の“独唱”に関連してか、このような基礎知識内容の出題もありました。表になっていて空欄を答えるものです。授業内では必ずやっていることなので落とさないようにしましょう。
出題例
1 『魔王』は1人の歌い手が4人の登場人物を歌い分けます。4人の登場人物を答えなさい。
2 演奏形態を答えよ。
3 ピアノに合わせて一人で歌うことを何というか漢字二字で答えよ。
4 ピアノの伴奏は、夜の(① )の中で、(② )の走る様子を表しています。
5 曲中に繰り返し出てくる Mein Vater は(① )を、Mein sohn は(② )を意味する。
答 1 父、子、魔王、語り手
2 ピアノ伴奏と独唱
3 独唱
4① 嵐 ② 馬
5① お父さん ② 息子
まとめ
いかがでしょうか。
「シューベルトについて」
「楽曲と内容」とともに“場面の展開や登場人物の気持ちや変化”(想像)について
この2つをおさえておくことが大きなポイントです。
暗記とともに、鑑賞した時の様子、授業のノートやプリントをもとに想像力も働かせるようにしておきましょう。
ここでも実技科目は、授業で扱った内容は殊に大切にしないといけないことがわかるかと思います。
しっかり対策して好成績をねらって下さい。
実技科目は、入試での内申点が2倍に加算されて判定に使われます。英・数・国・理・社の5科と同様しっかり勉強しておかなくてはなりません。
東都ゼミナールでは、中学校別に全科目のテスト対策を行っています。
9教科のテスト対策が大変、実技科目の対策に困っている、などのお悩みがあれば遠慮なくご相談下さい。