中学生「音楽」 『リコーダー』で定期テストに出題されること

『リコーダー』は小学生の時からなじみのある楽器で、中学校の教科書でも比較的多くのページを割いています。そのため、定期テストでも学年を問わず頻繁に出題されます。

しかし、基本的なことを理解しておけば難しいということはありません。出題されることもほぼ決まっています。それでは出題例とともに見ていきましょう。

目次

運指

概説

リコーダーを演奏するときの指の使い方。

問題には、「指つかい」「おさえ方」という言葉で書かれている場合もある。

どれも同じことを指している。音を出すとき、どの穴をおさえるかということ。

ポイント

これは必ず出題され、しかも5題くらい(もっとあることも)まとまってあることがほとんどです。上でも述べた通り、暗記、理解しておけば問題ないところです。それだけに、得点できないと大きく足を引っ張り、成績にも大きく響きます。

教科書に載っている運指表を覚えておけば問題ありません。とは言っても1オクターブ以上範囲がある上、シャープやフラットもあるので、全部で20ほどのパターンがありなかなか大変です。でも、実際に音を出したり、演奏したりもするので覚えやすいと思います。

各ページに所々載っている、楽譜と運指の様子を示す図や絵もよく確認、暗記しておくとよいです。

テストでは下のような図が使われます。

このような模式図のこともあれば、リコーダーの絵になっていることもあります。

吹き口が上の場合(下の図と逆向き)もあります。

いずれにしろ表していることは同じです。

これをもとに、楽譜の音符の音がどのような運指かを、対応させるわけです。

下の図のように、指でふさぐ穴を●で示したり、「0123」「Φ1235」のように指番号で示したりします。

出題例

1 リコーダーの運指から出る音を答える

  答 1(1) ファ   (2) レ   (3) ラ

2 楽譜から運指を答える

  答 2(2)① Φ12   ② 0134   ③ 0123467

3 言葉から運指を答える

(1)低いシ♭の指番号を答えなさい。

(2)「01」の指番号を使う音は(    )である。

  答 3(1) 0123467   (2) ミ

基礎知識

歴史

概説

○現存する最古のリコーダーは14世紀後半のもの

(それ以前にすでにヨーロッパで使われていたことが絵画、彫刻から分かっている)

○16世紀頃には独奏や合奏、歌や踊りの伴奏に使われていたが、全体が1本でつながっていたので、ピッチ(音の高さ)の調整ができなかった

○17世紀半ばに現在のようなジョイント(継ぎ目)のある形に改良され、音域も広くなる

○その後、フルートが広まると使われる機会は急速に減少

○一時は忘れ去られていたが、20世紀になって復活した

ポイント

歴史の出題はほとんどありません。穴埋め問題式で時々見かける程度です。

教科書にも載っている、上記「歴史」の項に掲げたことを覚えておけば問題ありません。

つくりと名称

概説

ポイント

ここの出題はそれほど多くはありません。

図が描いてあって指し示されたところを答えるか、一問一答タイプで答えるかの、どちらかです。

記述問題の場合も、選択問題の場合も、両方あります。

いずれにしても、教科書にも載っている、上の図の名称をおさえておけば大丈夫です。

用語

チューニング(概説)

音合わせをすること。

頭管部を抜いたり差し込んだりして管の長さを変える。これによりピッチ(音の高さ)が変わる。

リコーダーが温まるとピッチが高くなるので、あらかじめ手で包むようにして温めておくとよい。チューニングがしやすくなり、音のかすれの原因となる水がつきにくくなる。

サミング(概説)

親指でサムホール(裏穴)の開き具合を操作する運指のこと。高音を演奏する際に用いる。

親指を少しずらす方法、爪を立てる方法の二つがある。サミングを必要とする音と、前の音との関係によって使い分けるとよい。

タンギング(概説)

舌を使って息を止めたり出したりすること。

美しい音で吹いたり、生き生きとした表現や豊かな表現をしたりすることができる。

「tuトゥ」「duドゥ」といった発音を使う。

ポイント

用語はこの3つを覚えておけばよいです。

教科書の絵や図、実際に吹いた時の様子も参考にすると分かりやすいです。

設問での説明に対してどの用語を指しているかが分かれば問題ありません。穴埋め問題のこともあります。

出題例

1 (    )に当てはまるものをあとの語群の中から選んで記号で答えなさい。

現存する最古のリコーダーは(①   )世紀頃のものであるが、それ以前から(②   )各地で使われていたことが、絵画や彫刻から分かっている。

(③   )世紀頃には独奏や合奏、歌や踊りの伴奏に使われていたが、(④   )の調整はできなかった。

(⑤   )世紀半ばに現在のような(⑥   )のある形に改良され、音域の狭さの課題が解消された。

【語群】

ア 14   イ 15   ウ 16   エ 17   オ ヨーロッパ

カ アメリカ   キ ジョイント(継ぎ目)   ク ピッチ(音の高さ)[/aside]

  答 1① ア   ② オ   ③ ウ   ④ ク   ⑤ エ   ⑥ キ

2(1)アルトリコーダーは3つの部分に分けることができます。

上から順に、(①   )(②   )(③   )と呼ばれています。

また、指でふさぐ穴のことをトーンホールと言いますが、裏にある穴は(④   )と言います。

(2)リコーダー頭部管にある“くぼみ”の名称として正しいものはどれか。

ア マウスピース   イ エッジ   ウ トーンホール   エ ジョイント

  答 2(1)① 頭部管(ヘッドピース)  ② 中部管(ミドルピース)

 ③ 足部管(フットピース)  ④ トーンホール

(2) イ

3 (1)ジョイントを抜き差しして音の高さを合わせることを(    )といいます。

(2)音をオクターブ高くする時に、裏側の穴を半分あけることを何というか、次から選びなさい。

      ア チューニング   イ サミング   ウ ジョギング   エ タンギング

(3)美しい音で吹いたり、豊かな表現をしたりするために、舌を使って音を出したり止めたりすることを何というか。

  答 3(1) チューニング   (2) イ   (3) タンギング

きれいな演奏のしかた

概説

姿勢は、あごを引き、背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、唇でやわらかく包むように吹き口をはさむ。歌う時のような息づかいをするとよい。タンギングを上手に使う。

低い音を出すときは、緩やかでたっぷりとした息づかい、口の中の空間を少し広くする、タンギングをやわらかくする。

高い音を出すときは、サムホールの隙間が広くなりすぎないようにする、スピードのある息で吹く。

ポイント

姿勢、高い音と低い音の演奏のしかたについての出題が時々見られます。学校で習った分と、教科書内容を覚えておけば解けます。詳しく問われるものではないのできちんと対策しておけば大丈夫です。

ただし、記述問題形式が多いので、しっかり説明できるようにしておくことがポイントです。

出題例

(1)リコーダーを吹くときの姿勢のポイントを3つ挙げなさい。

(2)低い音を安定して演奏するときに心掛けることとしてあてはまらないものはどれですか。

ア 息の流れを鋭くする   イ 口の中を広げる

ウ 口の中の形「do」「to」   エ ゆったりとした息で吹く

(3)高い音を出すときには、どういうことに気を付ければいいか。

 (1) あごを引く

肩の力を抜く

背筋を伸ばす

唇でやわらかく包むように吹き口をはさむ   のうちから3つ

(2) ア

(3) サムホールの隙間が広くなりすぎないようにする

スピードのある息で吹く

関連事項

最後に、これ以外によく出題されること、リコーダーとは直接には関係しないものの一緒に問われることが多いものを、挙げておきます。

楽曲名

運指を問う問題のもとになる楽譜です。ほぼ教科書に載っている楽曲です。授業で扱ったものなので覚えておきましょう。

過去の出題例

○ラヴァースコンチェルト

○アメージンググレイス

○エーデルワイス

○カントリーロード

○オーラリー

○アニーローリー

○夏の思い出

○浜辺の歌

○聖者の行進

○喜びの歌

○うみ

○かっこう

○われは海の子

音楽記号

楽譜に書かれている様々な記号やその意味です。毎回よくありがちなものですが、楽譜が出ている場合、リコーダーの運指とともに、楽曲名、音楽記号についても問われることが非常に多いです。

テスト範囲表に出ていれば勉強しておき、そうでなくても、リコーダーの範囲にある(学校で扱ったものは特に)楽譜の音楽記号は十分確認しておくとよいでしょう。

正解のない設問

ここでも実技科目によくある“書けば得点できる”問題がありました。よく出題されるわけではありませんが、必ず、あるいは何か、書くようにしましょう。

演奏や鑑賞の感想めいたこと、自分の考えや意見といった内容が多いです。

まとめ

リコーダーの定期テストは

○運指

○用語

○各部のつくりと名称

○きれいな演奏をするポイント

をおさえておけば得点できます。

特に『運指』は必出で問題数も多いです。勉強しておけば必ず取れるので、しっかり身に付けて定期テストに臨んで下さい。

授業でやったことが多く出題される(ノートやプリント類のみ)実技科目ですが、「リコーダー」は教科書レベルでの基本事項が多く出題されます。リコーダーを実際に演奏してもいるので分かりやすい面もあります。やりやすい、覚えやすいところでもあるのでぜひ高得点目指して下さい。

実技科目は、入試での内申点が2倍に換算されて判定に使われます。英・数・国・理・社の5教科と同じくしっかり勉強しておかなくてはなりません。

東都ゼミナールでは、中学校別に全科目のテスト対策を行っています。

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