中学生「体育」 『新体力テスト』で定期テストに出題されること

『新体力テスト』は学年を問わず、繰り返し出題される項目です。

また、実際に“体力テスト”として授業中にも行われています。

出題されることはほぼ決まっていて、

加えて“体力テスト”として授業で体験してもいるので、

対策しやすく、得点もしやすい単元と言えます。

おさえておくべきことは、

「新体力テストの種目と内容」です。

これが分かっていれば問題ないと言ってもいいくらいです。

では、

種目・内容・出題例

について見ていきましょう。

目次

新体力テストとは

1964年の東京オリンピックをきっかけに国民の体育への関心が高まり、国民の体力増進策の一つとして文部省(当時)が、まず情報収集のために、小学校・中学校中心に「運動能力テスト」「体力診断テスト」を導入したのが始まり。

文部科学省体育局「体力・運動能力調査」の通称。

1999年に大幅な改定が行われ、改定後の新テストを「新体力テスト」「新スポーツテスト」と呼んでいる。これが、現在行われている「新体力テスト」である。

自分の体力や運動能力の状況を捉え、足りない点を把握して、体力、運動能力の改善、向上を目的としている。

歴史的経緯や、どのようなものかについての出題はまずありません。

ただ、目的や意義についての記述問題が少し見られます。

一般的なことよりも、授業内で扱ったことが問われる傾向にあります。

ノートやプリントの該当箇所は覚えておくことがポイントです。

種目と内容

握力

評価する体力要素

筋力

内容

○スメドレー式握力計を使う

○指針が外側になるように持つ

○衣服や身体に触れないようにする

○人差し指の第2関節がほぼ直角になるように調節する

○左右交互に2回ずつ測定し、左右それぞれよい方の平均を記録する

(キログラム未満は、測定は切り捨て、平均は四捨五入)

上体起こし

評価する体力要素

筋力

持久力

(筋持久力)

内容

○マットを用意する

○マット上で仰向けになり両手を握って腕を胸の前で組み、ひざを90度に折る

○補助者は両ひざをおさえて固定する

○両肘と両大腿部がつくまで上体を起こし、すぐもとのあお向けの姿勢に戻る

(背中がマットに付かなければ回数に含めない)

○測定は1回、30秒間の回数を記録する

長座体前屈

評価する体力要素

柔軟性

内容

○直方体の箱2個とうすい板になるもの(段ボールや厚紙)を用意する

(寸法や設定は決まっているが、テストでは問われない)

○壁に背中をつけて両脚を2つの箱の間に入れ長座姿勢を取る

○両手の手のひらを板から放さずに、前屈して箱をできるだけ遠くまで滑らせる

○肘とひざが曲がらないようにする、靴は履かない

○センチメートル未満は切り捨て、箱の移動距離を2回測定してよい方を記録する

反復横とび

評価する体力要素

敏捷性(俊敏性)

内容

○中央にラインを引き、その両側1メートルのところに平行にラインを引く

(1メートル間隔で平行に3本のラインが引いてある)

○中央のラインをまたいで立ち、右側のラインを越すか踏むまでサイドステップする

○中央のラインへ戻り、今度は左側のラインを越すか踏むまでサイドステップ、これを繰り返す

○良く整地された安全で滑りにくい場所で実施する

(コンクリート上で行ってはいけない)

○20秒間でラインを踏むかまたいで越した回数を2回測定、よい方を記録する

持久走

評価する体力要素

全身持久力

内容

○スタート合図用の旗を用意する

(旗は声や音を発すると同時に上から下に振り下ろして合図する)

○スタートはスタンディングスタートで行う

○原則としてトラックを使用する

○ゴールライン上に胴が到達するまでの時間をはかる

○男子1500m・女子1000m、測定は1回で秒未満は切り上げる

20mシャトルラン

評価する体力要素

全身持久力

内容

○CDやテープの再生プレーヤーを用意し、20メートル間隔の2本の平行線を引く

○音が鳴り始めたら鳴っている間に20メートル先の線まで走り、足で線に触れる

○すぐ向きを変えて、次の音が鳴り始めたらまた20メートル先の線まで走る

(これを繰り返すが、音は1分ごとに速くなっていく)

(音が鳴っている時間が短くなっていく)

○音についていけなくなったり、音に合わせて2回連続で線に触れられなくなった時点で終了となる

(1回遅れたもののその直後に遅れを解消できれば、テストを継続できる)

○終了時直前の折り返しの回数を記録する

(「持久走」と「20mシャトルラン」はどちらかを選択)

50m走

評価する体力要素

スピード

内容

○スタート合図用の旗を用意する

(旗は声や音を発すると同時に下から上に振り上げて合図する)

○スタートはクラウチングスタートで行う

○走るのは直線のセパレートコースとする

○ゴールライン上に胴が到達するまでの時間をはかる

○測定は1回で、1/10秒単位で記録し、1/10秒未満は切り上げる

立ち幅とび

評価する体力要素

瞬発力

筋パワー

内容

○砂場やマットの前に踏み切り線を引いておく

(屋内でマットを使う場合はマットは壁に付けて敷く)

○両足を軽く開いて、つま先が踏み切り線の前端にそろうように立つ

○両足をそろえて同時に踏み切って前方へとぶ

○砂場(マット)上に触れた身体で一番踏み切り線に近い位置と、踏み切り前の両足の中央の位置との直線距離をはかる

○センチメートル未満は切り捨て、2回測定してよい方を記録する

ハンドボール投げ

評価する体力要素

瞬発力

巧緻性

内容

○ハンドボール2号を使う

○2メートルの円内から前方30度の範囲内に投げる

(ステップして投げるのがよい)

○投球中、投球後に、描かれた円を踏んだり、外へ出てはいけない

○投げ終わったあと、静止してから円の外へ出る

○メートル未満は切り捨て、2回測定してよい方を記録する

出題例

1 表の空欄にあてはまる語を答えなさい。

テ ス ト 項 目 調 べ る 体 力 ・ 能 力
握力
筋力・持久力
長座体前屈
反復横とび
持久走
20mシャトルラン 全身持久力
スピード
立ち幅跳び
瞬発力・巧緻性

   1① 筋力   ② 上体起こし   ③ 柔軟性   ④ 敏捷性(俊敏性)

⑤ 全身持久力   ⑥ 50m走   ⑦ 筋パワー・瞬発力

⑧ ハンドボール投げ

項目と調べる能力との関係の典型的な表です。

どこが空欄になるかは特に決まっているとか、ここが多いとかいったことはありません。

「テスト項目」「種目」や、「体力」「測定する能力」などの表現の違いが見られますが、中身は同じです。

ランダムに並べられていることもありますが、この順番通りの出題ということがとても多いです。

イラストが描かれ、それをもとに答える問題もあります。(図はひと目で何か分かります)

ですから覚えておけば確実に取れるところです。

答を語群から選択する場合もあります。

また、表の右側にもう1列あって、あとの出題例4のような、やり方や、測定の決まりの穴埋め問題が一緒になっているパターンも見られました

以下のような、説明や穴埋め問題で種目や調べる能力を問う問題もあります。

2 ①~③が説明しているテストの種目を答えよ。

① 両足を軽く開き、つま先が踏み切り線の前端にそろうように立ち、両足同時に踏み切って前ぶ。

② マット上で仰向けになり両手を握って腕を胸の前で交差させ、ひざを90度に折る。補助者は両ひざをおさえて固定する。両ひじと両大腿部がつくまで上体を起こし、すぐもとのあお向けの姿勢に戻る。

  2① 立ち幅とび   ② 上体起こし

3 握力は(①   )を、反復横とびは(②   )を、持久走は(③   )を、立ち幅とびは(⑤   )の項目を評価する。

  3① 筋力   ② 敏捷性(俊敏性)   ③ 全身持久力   ④ 筋パワー、瞬発力

4 (1)握力計は、人差し指の第(①   )関節がほぼ(②   )になるように調節し、指針が(③   )になるように持ち、衣服や(④   )に触れないようにする。

(2)長座体前屈は、(①   )を調べるものである。壁に背中をつけ(②   )をとる。箱の上の板に両手をつき、(③   )して箱をできるだけ遠くまで滑らせる。この時、(④   )とひざが曲がらないようにする。(⑤   )測定してよい方を記録する。

(3)持久走のスタートは、(①   )スタートで行う。男子は(②   )m、女子は(③   )mを走り、測定は(④   )回、秒未満は切り上げる。

   4(1)① 2   ② 直角   ③ 外側   ④ 身体

(2)① 柔軟性   ② 長座姿勢   ③ 前屈   ④ 肘   ⑤ 2

(3)① スタンディング   ② 1500   ③ 1000   ④ 1

この穴埋め問題は選択式の場合も多く見られます。選択問題の場合はやりやすいので、確実に正解するようにしましょう。(むしろ落としたらすごく不利、致命的と言っても過言ではありません)

次の5のような〇×式の問題も多いです。

5 下線部が合っていれば○を、間違っていれば正しく直しなさい。

(1)反復横とびの3本のラインの間隔は ①100cmで、 ②30秒間でラインを踏むかまたいだ回数を ③1回測定する。

(2)50m走のスタートは旗を ①上から下へ振り下ろして合図し、 ②スタンディングスタートで、ゴールライン上に胴が到達するまでの時間を計る。

(3)ハンドボール投げは、 ①2号のボールを使用し、 ②mの円内から投げる。測定はメートル未満は切り捨て、 ③2回のうちのよい方を記録する。

   5(1)① ○   ② 20秒間   ③ 2回

(2)① 下から上へ振り上げて   ② クラウチングスタート

(3)① ○   ② 2m   ③ ○

まとめ

初めにも述べたように、

『種目と内容』

を理解しておけば確実に得点できる分野です。

また、種目が限られているのでやりやすいはずです。

出題例を参考に、各種目と内容の中でもよく問われることを覚えておくとよいでしょう。

あとは、いつもと同じく実技科目によくある、授業中に扱ったことからの出題に注意することです。実際に“テスト”もしているので、その時のことが出題されることも多いです。また、ノートやプリントだけにしか書いていないことにも要注意です。

対策をしておけば高得点をとれるところでもあるので、ねらっていきましょう!

実技科目は、入試での内申点が2倍に換算されて判定に使われます。英・数・国・理・社の5教科と同じくしっかり勉強しておかなくてはなりません。

東都ゼミナールせは、中学校別に全科目のテスト対策を行っています。

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