高校受験では長文読解が出題のほとんどとを占めます。
都立高校では100点中の68点分が長文読解から出題されます。
私立高校でも文法問題よりも圧倒的に長文からの出題が多いです。
どのレベルの高校を受験するにしても長文読解で点数を取れないと合格できません。
この記事では、英語の長文問題を取れるようにするために、必要なことと練習方法を紹介します。
長文読解ができない中学生3つの原因
長文読解の点数が伸び悩んでいる中学生の主な原因は以下の3つに大別されます。
原因1:文章の内容が分からないから
知識の面で不足している可能性が高いです。
特に単語や熟語などの語彙は多く知っていれば知っているほど有利です。
長文を読んだときに、一つの段落に4つ以上わからない単語があるのであれば、そのレベルの問題を解く語彙レベルには達していません。
原因2:文章の内容はなんとなくわかるけど、問題の正答率が低いから
なんとなく英文の単語をつないでいって、日本語の意味を取り、なんとなく答っぽいものを選んでいると、正答率は非常に低いです。
考えられる原因は
・語彙の数、文法知識が曖昧だから、英文の内容をしっかりと取れない。
・解答する際に根拠になる英文を探していない。
・上記2つのどちらも
原因3:時間内に読み終わらない(解き終わらない)
正答率は高いけど、時間内に終わらないなら、読むスピードをト上げるレーニングが足りません。
長文読解の勉強を始めたばかりなのであれば、今までの勉強方法に間違いはありません。
やり直しをきちんと行っているならば時間が解決してくれるはず。
これからの長文読解の練習次第で飛躍的にできるようになることが可能です。
タイプ別解決法
英文を日本語にできるようにする方法
単語や熟語を覚える
語彙の量は増やさなければいけません。
英文だろうと日本文だろうと文脈だけで内容を理解していくのは限界があります。
読むのが遅い中学生・書いてある内容が分からない中学生・問題の正答率が低い中学生。
共通して語彙が少ないです。
「うーん。一つ前の文で●●と書いてあるから、××はこんな意味かな?」とやっていると、読み終わるのに、長い時間がかかります。
または、××をとばして読むことで内容理解が浅くなります。
語彙を増やすには、
①英文中のわからない単語は調べる。
②それに加えて単語・熟語の暗記は常に行う。
その2つが継続的に行うことが必要です。
文法をしっかりと勉強する
文法の勉強は大前提です。
どれだけ長い文章も、細かく見ていけば、一つの英文が、どんどん連続して構成されることで文章になります。
だから、一つずつの文の意味が取れれば、文章全体の内容も取れるようになります。
ひとつの英文の意味を取れるようにするには、文法知識は必須です。
長文や過去問の勉強と並行して、文法の参考書やテキストを使用して、勉強することが必要です。
正答率を上げる方法
段落ごとの要約をする
英語に限った話ではありません。
読解問題を苦手にしている中学生は、文字をボーっと追っているだけで、文章内容を映像化できていません。
一番、早い確認方法は、数学の文章問題を読んで、線分図やビーカー図に表せるかを試してみると、読解力があるかの判別は容易につきます。
読解力がない中学生は、文章を読んでも、ぜんぜん図にあらわすことができません。
解決するためには、段落ごとに要約をすることです。
文中の言葉を使いながら、段落の内容を説明する練習をすることで、読解力は上がります。
文章にまとめるのが難しいなら、簡単な絵で表す練習もおススメです。
解答の根拠を本文中から指摘する
長文は文章中に解答の根拠になる文が、必ずあります。
正答率が低い中学生は、根拠となる文を明確にしないで、なんとなく読んだ記憶で解答を選ぶから、問題を間違えます。
段落の×番目の文に内容が一致するから解答は△△になるという風に、根拠になる文を明確にして、解答を選ぶ練習を重ねることで、根拠をもって解答できるようになります。
時間内に終わるようにする方法
英文を前から意味を取れるようにする
一つ一つの英文を意味が取れるようになっても、英文を後ろから意味を取っている場合は、読むのが速くなりません。
たとえば中3範囲で勉強する内容にit to構文というものがあります。
It is important for you to study English hard.
この構文は後ろから意味を取っていくと、自然な日本語になります。
実際に後ろから日本語にしていくと、「一生懸命/英語を/勉強することは/あなたにとって/大切です。」となります。
しかし、このやり方だと英文を読むのが速くなりません。
英文は、常に前から意味を取っていく習慣と技術がないと速く読むことができません。
読み方としては「それは/大切です/あなたが/勉強することは/英語を/一生懸命」と前から意味をとります。
実際は、意味を取っている途中で、to studyにぶつかったときに、「あっ!これit to構文だ!」と気づけるレベルになっていないと速くの英文を読むことはできません。
速く読めるように練習する
一度、読んだ長文を半分の時間で読めるまで練習します。
何度も読むことで語彙も定着し、注意すべき接続詞やセンテンスに注目できるようになり、速く正確に文構造を取れるようになります。
ただ、この作業は辛いです。
そして飽きます。
飽きないようにする方法として、1回目にかかった時間を計っておき、2回目は、1回目の7割程度の時間。
3回目は2回目の7割程度の時間で読むことを目標に行います。
そうすると3回目が終わったころには、1回目の半分の時間で終わることになります。
自分の成長を実感できて、目標も設定できるため、ダラダラやるよりもメリハリをつけることができます。
さらにこの練習のよいところは、初めて読む文章も早く読めるようになるところです。
不思議なもので、最初に50分かけて読んでいたものが、25分で読めるようになると、別の文章を読ませても読解の質は変わらず40分くらいで読めるようになります。
自身が学生時代もそうでしたし、教えている中学生も実践している子どもは、できるようになっているのでオススメです‼
読み返しをしないで解き終わるようにする
テクニックの話になります。
塾に通っていれば、問題文を先に読んでから、文章を読むということは、国語でも英語でも習うと思います。
問題を解くために、何度も長文を読み直して、解答を探していると時間内に解き終わりません。
一度、長文を読み終わったときには、すべての問題が解き終わっている。
または、すべての問題が長文を読み返すことなく、解ける状態にする必要があります。
効果的な長文の練習方法
まずは精読
学習の初期段階であれば、まずは一つの文章を丁寧に何度も読むことをお勧めします。
文章読解で正答率を上げるには、文章内容が完璧に理解出来て、問題の意味が分かれば、100%問題は解けます。
文章の内容を理解するためには、
①言葉の意味を覚えている
②各文の構造が取れている
③文章全体構造が把握できている=要約ができているという条件をそろえることです。
そのためには、一つの文の構造を取りながら、わからない単語は覚えて、各段落・文章全体を把握できるようにすることが必要です。
精読を一度やっただけでは、覚えることはできません。
精読したものを何度も読み込むことが大切です。
精読をできるようにする方法
もっとも効果的な方法は全訳をノートに書いて、解説に書いてある日本語訳と照らし合わせて、同じかどうかを確認することです。
全訳をする際に、辞書の使用はOKです。
学力レベルによっては、文法の参考書で調べるのもOKです。
時間がかかるし、とても面倒臭いです。
しかし、効果は抜群です。
メリットとしては、自分がわかっているかどうかが目で見てわかることです。
頭の中で日本語にした後に、解答を読んでも、なんとなく意味が同じなら、OKにしてしまう中学生は結構います。
ノートに全訳を書いておけば、解説と見比べることができます。
注意点としては、特に過去問の場合、解説の日本語が意訳で、あまりいい日本語訳ではないことがあります。
解説の日本語訳になる理由がわからないので、勉強が進まない可能性があります。
これを解決するためには、塾や学校の先生に聞くしか解決策はないのかなと思います。
次に多読
質は重要。けど得点力の向上に量は必須。
得点を上げるためには勉強の質は前提です。
理解力を高めるために1つの文章をしっかりと読むことは必要です。
いい加減な作業しかしない中学生よりも、一つの文章を完璧に読めるように練習している中学生の方が、授業での理解力は圧倒的に上です。
しかし、得点力を比較すると、必ずしも作業が丁寧な中学生が、いい加減な勉強しかしない中学生よりも上ではありません。
週に1題の長文をしっかりと解いてくる中学生と、週に5題の長文をいい加減に解いてくる中学生を比較すると、両者の得点は互角か、しっかりと解いてくる子どもの得点が下回るケースも多くあります。
数多く問題を解くということは、数多くの正解を見る機会があるということと同じ意味です。
すると正答の理由は分からなくても感覚的に正しい選択肢を選べるようになります。
それに対して、週に1題しか解けない中学生は一題当たりの知識の吸収率は、いい加減にやる中学生よりも良いです。
しかし、問題を解いている経験値が、圧倒的に足りません。
勉強を始めたての段階で、テストをやらせた場合、いい加減にやっている中学生に負けることも出てきます。
たくさん問題を解けば、いい加減にやっていても60点くらいまでは得点できるようになります。
けど、それ以上にはなりません。
理由は、正確な知識や思考という土台がないので、勘で問題を解いているのと同じだからです。
「あたり」か「はずれ」の世界なので、順当にいけば確率50%で50点。
上手くいっても60%程度がせいぜいです。
教えてきた中学生達の過去問の結果をみていると本当に分かります。
最初のうちは週に1年度分しかできません。
それすらもいい加減にやってくる子どももたくさんいます。
練習を積むうちに、週に1年度分であれば丁寧にできるようになります。
この段階だと過去問の点数に変化はあまりありません。
長文の読み方や解き方が身についてきて、週に2年度分しっかりとできるようになったときに点数がポーンと20点くらい跳ねます。
さらに、やり直しの精度を変えずにスピードを追求していくと3年分できるようになります。
この段階では、勉強の質も最初に比べると大きく向上しています。
正しい方法で量をこなすことで質も向上していきます。
まとめ
英語の長文をできるようにするために必要なこと
1.なぜ今できていないのかを分析する
①英文が日本語にできないから?
②時間が足らないから?
③内容はつかめているけど正答率が低いから?
2.タイプ別解決法
①英文を日本語にできるようにする方法
・文法をしっかりと勉強する
・単語や熟語を覚える
②時間内に終わらせようとする方法
・英文を前から意味を取れるようにする
・速く読めるように練習する
・読み返しをしないで解き終わるようにする
③正答率を上げる方法
・段落ごとの要約をする
・解答の根拠を本文中から指摘する
どの段階でも、反復することや多くの文を読むことは、絶対に必要です。
ひとつの文章をしっかりと読むことは、多くの文をいい加減に読むことよりも力がつきます。
しかし、多くの文をしっかりと読まないと自分の力にはなりません。
さらに多くの文章をしっかりと読むことで、一つの文章の読む精度も上がっていきます。
結局、量をこなすことで質に転化することが力をつけるためには必要です。
東都ゼミナールでは
長文ができるようになるには「丁寧に(精読)たくさん読む(多読)」につきます。
問題は、方法が分かっても実践できない。
きちんと練習をしているかは、見た目には判断がつかないことです。
きちんとした方法を教えて、実践するために塾があります。
しかし、どこの塾でも同じではありません。
集団授業の塾であれば、解法テクニックは教えてくれます。
個別指導であれば、子どもに合わせて分からない部分を教えてくれます。
どちらも、できるようにするためのアプローチが足りません。
東都ゼミナールでは、授業で解法テクニックを教えて、演習日で生徒ごとの分からない箇所のフォローや定着の確認までを行います。
授業の宿題に加えて、生徒ごとに受験する予定の高校の過去問も宿題に出して、実際の入試問題の対応も個別におこないます。
東都ゼミナールなら精読と多読を、どちらもしっかりおこなうため、長文の問題が苦手だという方の問題を解決することができます。
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