「まったく、なんでこんなにできないの?」
「どうしてこうも成績が上がらないのかしら?」
「お前はいったい何をやっていたんだ!」
よくある“嘆き”です。
そしてそのあとで、
「ああ、また言いすぎちゃった・・・」
「いつもこれ、いい加減にしてほしいわ」
「良くないって聞くけど、ついつい言ってしまう」
後悔、悩み、イライラ、・・・ 絶えないですね。
子どもも反発するし、やけくそになるわで、勉強どころでなくなってしまいます。
おだやかでない分、親子ともども悪影響引きずってしまう、
ということになります。
何をするにしても気持ちよくいきたいものです。その方が当然、物事が順調に進みます。
「成績が上がらない」という悩みに対して、では、親の側からはどうすればよいのでしょうか。
陥りがちな3つのNG
まずは、やってはいけないことの方から。
成績が伸びない子の親がやりがちな特徴です。
批判や否定ばかりで圧力をかける
よくありがちなことです。普通ほぼ誰もが経験していることでしょう。
しかも、
子どもの時に言われて、
親になってからは言って、
ですよね。
何をやっていたの、どうしてこんなにできないの、ちゃんとやらないからだ、
こういうのを書き並べるだけでも、マイナスイメージがすごいですよね。
ここに、バカじゃないの、どうしょうもない、なんて言葉が加わるともっとすごいです。
こればかり頭ごなしに言われたら、誰でもへこんでしまいます。
何もかも否定された、何をしてもしょうがない、なんて方へ行ってしまいます。
成績どころではなくなって、性格や今後の人生にまで関わってしまいます。
誰かと安易に比較するのもよくないです。いい方には目が行きやすく、ついついやってしまいますが、子どもにとっては結構つらいものです。
兄弟姉妹での比較も×。毎日顔を合わせますから余計に気まずくなったり、関係がぎくしゃくすることになります。
疑ったり不安ばかりで不信感をあらわにする
なかなか信じないで、
~はどうなの、
本当に~できているの、
大丈夫って、全然そうじゃないでしょ、
と、これもまたやってしまうものです。
親である以上、確かにこうはなります。子どものことを考えているからこそで、当然のこととも言えます。子どもにとっても、的確に声をかけてくれたのなら安心します。そこまでは実感できなくても、助かっているはずです。
しかしこれも、いつもいつもこの調子で畳みかけられたら、いやになりますよね。しかもこればかりでは。
言ってしまっても、フォローができていればいいんです。適度に注意喚起や、気付かせている、ふうになっているならいいのです。批判、否定するにしても同じです。
言いっ放し、言うだけ言う。これが一番のNGです。
代わりにやったり何でも手を出して過保護過干渉になっている
わが子思う故に(これは悪いことではないですが)、ありがちです。
過保護過干渉はよく話題にも上るので気を付けているとか、そうはなっていないと思いがちですが、わが子思う故にか、気付かないうちにあれもこれも子どもに代わって手を出しているのです。
子どもの方も安心して、人任せのクセが知らずのうちについてしまいます。
~はこうするのよ、こうやって~、~しなさいなどとやっているうちに、そのとおりにしか動けなくなって、考えることもしない、考えることができなくなってしまいます。
これでは勉強だってうまくいきませんよね。成績にもひびいてきます。
もちろん中学生くらいだったら、まだ大人の導きが必要です。何でも判断、思考できるわけではありません。適切な導き方が大切なのです。
善い方への3つの導き方
では、成績アップにつながる子どもの導き方をお教えしましょう。
信じること支えること
これには“忍耐”も必要です。
これも耳にすることがあるかと思います。
しかし、確かにそうだけどそれができない、全然信用ならないんだから。
となるようです。
それは、先ほど述べた圧力や不安ばかりでフォローがないということに原因があります。
何か良かった点や改善したことがあったら指摘してほめてあげる。
直すにしても、以前のよかったところを参考に話してあげる。
行き詰っていればアドバイスして、待っているからねというような安心感を与える。
成績とは関係なくても、家の手伝いや何か役に立てたことがあったら、あなたのおかげよというくらいに、存在意義のようなものを与える。
こういうことが、やる気や自信につながります。
仮に、圧力や不安めいたことを口にしても言い過ぎなければ、その思いは本人に届いて、良い方へ向かいます。
親子に限らず、信じたり支えることは、自分自身にとっても人間関係にとっても、大切なんです。
子どもの勉強内容に興味を持つ
言うだけ言っておいて、だから勉強しろというのは勝手なものです。
今学校で何を習っているのか、どんな内容を教わっているのか、などを話すと良いです。
そこで、分かってないじゃないか、もっと~しなくちゃダメだと頭ごなしに言うのではありません。言ってはいけません。
話を引き出すのです。
うまく引き出せば、(会話が弾むというのもあり、これもいいことですが)子どもが説明することになります。
ここで、うまく(これが一番だが)、それなりにでも、説明できれば習っている内容が理解できていることがわかります。たどたどしければ理解不十分です。
で、分かっていればさらに聞いていきます。
なんかよく分かっていないようだったら、改善するような“アドバイス”をする、あるいはそれとなく言います。
もちろん、フォローできていればはっきり指摘でもいいです。
お父さんお母さんが、教えたっていい。先生のような偉そうに(笑)でなく、話してあげるくらいでかまいません。そして分かっていることは素直にほめる。
お父さんお母さんの知識の有る無いは関係ありません。子どもとのやりとりと考えて下さい。
もちろん正確きっちり教えられるのも文句ないです。尊敬されるかも?
知らなかったら逆に質問する。場合によっては、子どもが得意になって話します。
お父さんお母さんの年代とは習うこと、言い方などが違っていることもあり、そういうところの話題から子どもが得意になって話すこともあります。
これだけでも子どもはやる気を出してしまうものです。
こんなことができるのです。
そのへんがうまくいったら、なぜ今勉強しているのか、何のための勉強か、勉強しなかったらどうなるかなどのお堅い話もしてみるといいでしょう。きっと将来に向けてプラスになるはずです。
コミュニケーションは大事
ここまで来て、もうそんなに詳しく言う必要はないかもしれません。
フォローができているかどうか、子どもとの会話からやる気を引き出す、など言ってきましたので。
コミュニケーションについては日常的にもさまざまなところで指摘されていますが、言葉や文字でやりとりしている以上、やはり大切なんです。
普段から親子の間で信頼関係ができている、会話が絶えない、ということであれば、少々の圧力や不信感のある言葉でも、適切な使い方ができるということです。
もっとも、きちんと信頼関係があれば、トゲのあるような言葉はむやみに使いませんし、冗談として言うべきところで使うというように分別がついています。使わない、言わないのが一番ですが。
コミュニケーションできているとぎすぎすしないんです。
それよりもっとよい方へと向かう。逆を考えると悪い方、悪循環ですね。
子どもにとっても、対話能力や国語力がよくなります。
実際、信頼関係ができていてコミュニケーションも十分にある家庭は親子関係も良好、成績も悪いことはありません。
まとめ
いかがですか。
以上が親の側から見た成績が伸びない訳、成績に結びつく対応のしかたです。
威圧的、不信感、過保護過干渉な接し方では成績は伸び悩みます。
普段の生活、さらには将来にもいい影響はありません。
子どもを信じて、ほめるべきはほめて下さい。
そして支えて下さい。
適切な言い方、励まし方、忠告、叱り方がポイントです。
そのためにはコミュニケーションが大事です。
親子ともども、家庭内も良好な関係を築いて下さい。