中学生へ贈る「勉強の計画のたて方」5つのポイント

「ちゃんと計画を立てて勉強しなさい」

「やることを書いて、それをもとにしてやりなさい」

などと、子どもに言うことがあるのではないでしょうか。

子どもの方では、

「わかっているよ」

「それでどうしろっていうの」

などと、返事はするもののなかなかうまく進まなかったりします。

ここで、いさかいやケンカになることもあります。

計画を立てて勉強しなさいというだけでは、何をどうすればよいかわかりません。

そもそも中学生がいきなりきちんと計画を立てて確実に実行するなんて、まずできません。

やったことがないからです。

ですから、どのように勉強の計画を立てたらよいか、どのように進めていけばよいか、などをアドバイスしてあげるほうが、子どもにとってもはるかにわかりやすく、勉強も進めやすくなるはずです。

ここでは、勉強の計画の立て方の基本をまとめました。

子どもに対するアドバイスだけでなく、計画の立て方が分からない、立ててもうまくいかない、という中学生自身にとって、また、新中学1年生も、手本にしてみて下さい。

目次

目標を決めてそこから逆算する

ゴールからスタート

旅行の計画を立てるときはまずどこへ行くか、どこへ行きたいかから始まります。

友だちと映画を見に行くとします。何を見るかを決めますね。

工事や作業もそうです。どこに何を造るか、どのようにリニューアルするか、などと決めてから始めます。

勉強も同じです。

まず、目標、行きつくところを決めなくては先へ進みません。

なにも難しくはありません。

「1週間で単語50個覚える」

「次の定期テストは5科目450点越えを目指す」

このように決めればいいのです。

「高校は早慶レベルに行く」

「将来は外務省で働く」

こんな“長期的”な目標もあります。

ゴールまでの道筋を決める

行きつく先が決まったら、何をどうしていけばよいかを決めていきます。

旅行も、いつ、どのくらいの期間、移動手段、予算など、詰めていきます。

映画を見に行く場合も、時間や、どこで待ち合わせてとか、他に立ち寄るところを決めたりします。

工事・作業も、期間や手順、安全確保のしかたなど諸々のことをきちんと決めておきます。

単語や漢字、暗記ものであれば1日~個ずつやっていけばよい、

1か月前、3週間前から始めて~、

数学はワークとこの問題集をやりきる、

と具体的に考えていきます。

ゴールから逆算していく

道筋を決めていく時は、“逆算”していきます。

たとえば、部活の試合に行くとき、

7時集合か。であれば6時には朝食。起きるのは5時30分過ぎか、前日寝るのは・・・

と、考えていきますよね。

こういうことって、誰でも日常的にやっています。

スケールが大きくても、ほんの目先のことでも、どんなことも計画を立てる時はこういうものです。

これを勉強の計画にも当てはめればいいのです。

定期テストの日は決まっています。そこまでに勉強を終わらせるにはいつから始めるか、どのように進めていって完成させればいいか、を考えるのです。

そして、決めたことは書き出しておくとよいです。

頭の中だけでは、忘れてしまいます。人の頭はそんなものです。

せっかくいい案が出来上がっても、あれどうだったっけ?、となったらもったいないです。

大きなくくりでの計画を書き出しておいて、次の具体的な行動へと移ります。

目に見える数値で表す

必ず数値で示す

単語を覚える、計算やる、英語のワーク進める。

これはNGです。

あいまいに決めると不思議なことに、集中力も落ち気味になり、ダラダラと時間だけが過ぎたり、進んだようで実はたいした量やっていなかったりで、締まりがなくなるものです。結果、勉強の効果が上がらないことになります。

単語№15~№25覚える、明日は今日の分プラス次10個、

計算p16~18/計算はワークのp12とp14~15、

英語問題集p45~50

理科ワークp10~17/理科ノート暗記・植物のところの5ページ分

これだとやることがはっきりしているので、集中してできるうえ、だから確実に身に付きます。

時間よりも内容や量で示す

16時~17時:社会ワーク・・・

17時~18時:数学問題集・・・

このように時間で区切るのはあまりお勧めしません。

これがあまり細かくなると、時間ばかりに気を取られたり、時間の方にがんじがらめになったりすることがあるからです。

NGではないです。

きちんと区切った方がやりやすいという人もいますし、けじめも必要です。

人それぞれという面もありますから、自分に合った方法を確立しておくのが一番です。

あまりにも細かく時間を区切る計画がいけないだけです。

ここでも大切なことは、やる内容を数値で表すことです。

1日のサイクル、自分のサイクル

前項で時間の区切りを取りあげましたが、学校があるときは帰宅後の時間が限られます。その中で効率よく勉強を進めなくてはなりません。

そこで必要なのが、どのくらいの時間何をやるかです。

個人差がありますが、やはり、60分~90分で一区切りというのがベストです。科目を変えるような区切りでも、同じ科目で内容を変える区切りでも構いません。

学校がある日は部活も考えると、このサイクルで2科目、あるいは2コマ分といったところ。

受験生はもう少しプラスです。このへんを目安にすると良いでしょう。

自分に合ったサイクルを自覚しておくとともに、きちんと計画を立てておかないと普段は意外に時間が限られてしまいます。

そしてここも数値をきちんと示しておけば、効率よく進められます。

やり終えたらチェックする(消していく)

目標とそこへ向けた行動内容。

より具体的な数値を示した計画。

これらはもちろん、計画表として書いておきます。

書くときは、1週間分が見開きになったものが見やすいと思います。分かりやすく書くようにして下さい。(書くことに夢中にならないように・・・)

やり終えた、こなした、ものから傍線でチェックを入れて消していきます。

一目で進捗状況がわかるうえ、達成感から次のやる気にもつながります。

反省もしやすく、これは改善の方へつながります。

計画表はもちろん、“書く”ことも役立つことがわかりますね。

無理のない計画を立てる

定期テストに対しては逆算で

テスト前に提出物が終わらない、あるいは範囲の勉強が終わらないというのは、計画の立て方が悪い、そもそも計画がない、などが原因です。

ここでこそ、“逆算”が重要です。

テストの期日から逆に数えて、ここまでには終わらす、であればいつから対策を始めればいいかを考えていきます。

終わらす期日はここ、ではいつから始めてどうやって行くか、こうして計画を立てていきます。もちろん数値をはっきり示します。

余裕をもたせる

定期テストでのワークの範囲が40ページだとして、1日5ページで8日間、これだけで計画を立てるのは危険です。

なにかの都合でやれない日がでてくることもあります。体調が悪いということもあり得ます。

また、ギリギリで終わらせるというのはやるだけで終わって、中身の勉強ができていない場合が多いものです。

先程の例であれば、遅くとも2週間前から始めましょう。もっと早くからが理想です。ワークの解き直しなどの反復もできるからです。というかやらないといけません。

計画に余裕があれば、何か起きた時も問題なく対処できるうえ、ここでも、効率よく勉強が進められるのです。

勉強の習慣をつけるには少しずつから

新中学1年生や、今までまとまって勉強したことがないというような人はここから始めましょう。ただし、今すぐ始めないと定期テストだけでなく、先々自分を苦しめることになります。すぐ実践して下さい。

1日30分とか、1時間から始めて下さい。それを1週間続ける。もちろん計画を立てます。数値を示します。

とにかくはまず、計画を立てて実行することです。習慣がないほど少しずつでも確実に続けて下さい。

時間が足りなければ増やしていく、慣れてきたら増やしていく。

これでもって確実に実行しましょう。

振り返る

良くても悪くても反省をして下さい。

うまく進められたら、もっと進化させてより上を目指す、さらに改善できるところを直してスキルアップしていきましょう。

計画通りに行かないとか、問題点が出てきたら、修正するなり、何がいけなかったかを見定めて次に活かしましょう。

いずれにしろ反省を次に活かすこと、すぐに反映させることが大切です。

親の出番は・・・

アドバイスと、頼まれたら手伝ってあげるというのが一番です。

最初に述べましたが、中学生は計画を立てるということに慣れていません。わからないことだらけといっても過言ではないです。

わからない、困っている、というときにここまで書いてきたことを“アドバイス”してあげて下さい。

頼まれたり頼られたら手伝ってあげましょう。大人だからこその経験を子どもに伝えましょう。うまくいくはずです。

無理やり指示したり押し付けないで下さい。これをやると、いさかいやケンカに発展することになります。

寛容と辛抱ですね・・・

まとめ

最後にポイントをまとめておきます。

勉強に対する計画について述べましたが、大人になった時に物事を進める上での計画や手順にも十分役立ちます。

  • 目標を決めて逆算する

ゴールを決めてそこに行きつくにはどのように行動していけばよいかを考える。

  • はっきり数字で示す

具体的にはっきりと数値で表すことがスムーズな行動へつながる。

  • 無理のない計画と反省

計画には余裕をもたせること、良くも悪くも反省してその後へ活かす

そして親は冷静に見守ってあげることが必要です。

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