テスト前は、睡眠時間を削ってでも勉強したほうがいいのか、睡眠時間はやはり確保したほうがいいのか、なかなか悩みます。
よく「寝る間も惜しんで勉強する」ということを耳にしますが、片や「睡眠はちゃんととらないと健康にも悪い」ということもみんな肯定するところです。
テスト前の睡眠時間はどのくらいとればいいのか、どのようにとればいいのか、その対処の仕方をお教えします。
原則:定期テスト前でも睡眠をとる
8時間の睡眠時間
言い古されたことですが、それだけ大原則です。人間一生の3分の1は寝ていると言われますね。体にも健康のためにも一番いいと言われているものです。
大人になればなるほどなかなかこうもいかなくなりますが、さまざまな研究や資料の上からも、大原則なわけです。
健康なお年寄りが、よく寝て、よく食べてという生活をしていることからも、睡眠は大切です。
よく勉強して、よく成績が取れて(!?)にも通じると思いませんか。しっかり睡眠をとることで、頭の働きもよくなるわけです。頭だけではなくて、毎日の活動全般にわたります。
一定のリズムが大切
とはいっても、学校に、部活に、宿題にと、そうなると8時間も寝ることは物理的に無理だとなります。
そこでここでいう“リズム”になるわけです。
毎日の「計画」も重要になりますが、○○時に寝て○○時に起きる。これを固定します。他のやることを含めて毎日一定のリズムを繰り返せばいいわけです。
この時、最低でも6時間は睡眠時間をとりましょう。本当は8時間くらいとれればいいのですが、そういかなければせめて6時間はとって下さい。
そして毎日一定のリズムを続けられれば、体も慣れ、習慣としても続き、成果にも表れることになります。寝ることに関しても“集中”できます。ぐっすり寝られるということです。次の日の活動にも好影響を与えられます。
健康なお年寄りの話をまた出すと、だいたいきちんとした生活リズムのもと過ごしているものです。
中学生のうちは無理してはいけない
まだ体が発達途上の時ですから、無理な生活習慣や不規則な生活習慣をすると健康を害してしまいます。大人になれば大丈夫だという訳でもありませんが、健康な体があってこその充実した生活が送れるというのは、誰もがわかることだと思います。
一定の生活リズム、いつも通りが一番順調に行きます。
特例:定期テスト前でのやむを得ない対応
テスト前にはどうしてもいつも通りにはいかなくなることもあります。時間が足りなくなって、睡眠時間を削らなければならないことも出てきます。
そんな時の乗り切り方を挙げていきます。
ただしあくまでも例外的な措置のようなもので、ちゃんと計画を立てて前もって勉強していれば睡眠時間にはたいして影響しないはずです。
それでも時間をはっきり決める
睡眠時間確保を大切にするならば、12時には寝る。1時には終わらせる。というような計画を立てて、それなりの睡眠時間をとります。
朝起きる時間を早めてもいいでしょう。5時に起きる、というようにです。
テストによって睡眠時間を変える
焦っていたり、がむしゃらにやっていると意外に見落としがちなのがこれです。
次の日のテストが、社会や理科など「暗記系」中心であれば睡眠時間を削って勉強ありです。テストは覚えたものをきちんとアウトプットできればいいわけです。
次の日のテストが、数学のように「思考系」であれば睡眠時間は確保したほうがいいです。頭が働かなければうまくいきません。理科も内容によってはこれにあてはまります。
国語は範囲の決まっている定期テストであれば大きな問題はないでしょうが、学力テストのようなものになれば“思考系”と同じに考えた方がいいです。定期テストでも、先生によっては教科書以外の長文読解を出題するので、その傾向であれば“思考系”と同じに考えましょう。初出の読解問題には頭が覚めていないと対応できません。英語もこれにあてはまる場合がありますね。
このように、テスト日程も考えて睡眠時間を調節できると効率がいいです。
3時間は寝る
睡眠時間を削るにしても、3時間は寝るようにしましょう。中学生であればこれが限界だと思います。2~3日続けると、あとの方の日になるほど睡魔に襲われるはずですから、連続ではしない方がいいです。
人間の睡眠のサイクルは90分で深い眠りと浅い眠りを繰り返していると言われています。それでこの3時間という時間の目安になっているわけです。ちょうどサイクルの区切れのところで起きれば、睡眠時間の短さのわりに意外に寝覚めが良いということがあります。
私事ですが、今もこの3時間が、睡眠時間がとれそうにない時の目安になっていて、けっこう役立っています。
3時間といっても、2時までには寝て5時に起きるくらいに固定しておくといいです。遅くなり過ぎず、朝は早めに起きて何か勉強できます。
3時間前に起きる
5時に起きるというのは他にも利点があります。
入試当日の朝は6時には起きろとよく言われます。起きてから3時間くらいたったところで頭がよく働き始めるからというのが理由です。
定期テストでももちろん同じですね。学校では早くて9時前から始まりますから、5時に起きるというのはちょうどいいわけです。
『徹夜』は究極の最終手段
“徹夜”と言うとなんか特別な響きが感じられる人もいるようですが、夜を徹する、寝ない、ということです。中学生はやらない方がいいです。やってはいけないくらいに考えて下さい。やるとしても、最終手段です。翌日に、そうでなくてもどこかで必ず反動が来ます。「眠い」もそうですが、健康によくありません。「眠い」が半端でなくなることもあり、「事故」にもつながりかねません。
本当に最終手段、あるいは次の日がテスト最終日の時にやむを得ずやる、だけにしましょう。
そうならないように計画を立ててしっかり勉強しておくのが筋というものです。
自分の癖やリズムをつかむ
いろいろ書いてきましたが、あくまで目安です。それほど寝ないでもいろいろできる人、6時間以上は寝ないと次の日つらくなる人、不規則な睡眠時間で平気な人、人それぞれです。今までも身の周りにいろいろな人がいました。
しかし中学生はまねをしたり、無理してはいけません。今は勉強も時間的なことも計画を立ててそれをこなしていって下さい。
そうしていくうちに、自分に合ったやり方や、癖、リズムが分かってきます。それを早くつかむことがポイントです。途中で変えたり、直したり、工夫することも必要です。
上手にこなせるようにして先々の自分に役立たせられるようにして下さい。
まとめ
原則はいつもの生活リズムを続けることです。
睡眠時間はよく言われている8時間がベストです。そうでなくても自分なりの6時間や7時間を確保することです。
変わったことをしたり、ころころ変えたりすることは、負担がかかりよくないです。
目標達成のためとか、もう少し時間を取りたい、勉強時間が足りない怠けていた、という場合の措置としては、
◎3時間は寝る
◎次の日のテスト科目によって睡眠時間の多少を決める
◎徹夜はしない、たとえするとしても最終日
の3つです。
「試験前の睡眠時間」をテーマとしましたが、普段からの勉強のしかたが確立していれば、テスト前になっても睡眠時間に影響しません。
また、そのうち分かってくることですが、自分にとっての睡眠時間や徹夜などの“限界”が自覚できれば、多くのことをうまくやりくりできるようになります。ただし、これは大人になるに従って分かってくることであり、今は、日々の生活リズムを守ることをして下さい。
いずれにしろ、無理はしないようにしましょう。