暗記が苦手な中学生に「しっかりと暗記をするには何が必要か?」と聞くと「才能」「忍耐」「努力」「集中」という言葉がでてきます。
「才能・忍耐・努力・集中…」
しっかりと暗記を行うには、すべて必要な要素です。
才能は自分ではどうにもできないことだし、忍耐や努力はしんどい。
だから明確な目的意識がない中学生は、暗記を嫌がります。
しかし中学校の定期テストでも高校入試でも、しっかりと暗記ができる能力は必要です。
入試制度が変わり、検索力や思考力が必要な問題になっても、最低限の知識は必要です。
中学校で勉強する知識は、将来的に思考したり、必要な情報を検索したりするための前提になるものです。
ここでは暗記が苦手な中学生が効率的にできるようになるコツを紹介します。
暗記の得意な中学生と苦手な中学生の違い
暗記が苦手な中学生
暗記が苦手な中学生はダラダラと長い時間をかけて暗記を行います。
集中力もなく、忍耐力もありません。
さらに意欲もなければ勉強方法に工夫もありません。
暗記が苦手な原因は十人十色です。
しかし暗記が苦手な子どもの勉強方法はだいたい同じです。
ただ眺めているだけ。
ただ書いているだけ。
ただテキストを広げているだけの中学生もいます。
この状態を継続していても、暗記はできません。
教えなくても暗記が得意な中学生の特徴
暗記が得意な子どもは、高い集中力を持っています。
少しでも短い時間で覚えようとします。
ただ才能だけでやっている中学生は、短時間で覚えますが短時間で忘れます。
暗記が得意な子どもは、覚えた知識を忘れても、後で覚えればいいという学習態度の子どもが多いので、反復を嫌がる傾向が高いです。
定期テストなら、それなりの点数は取れます。
しかし、早い段階で成績が頭打ちになるケースが多いです。
暗記が得意になった中学生
もともとは暗記が得意ではなかった。
しかし努力して得意になった中学生は、覚える時間が早くなっていき、忘れることも少なくなっていきます。
集中力がついたことに加えて、「反復」もしっかりと行うからです。
反復ができる理由は、性格によって異なります。
特にストレスを感じることなく反復ができる中学生。
ストレス耐性が強くて我慢できる中学生もいます。
ストレスを感じるし、ストレス耐性も低いけど反復できる中学生もいます。
こういう中学生は暗記のやり方に工夫があります。
暗記ができるようになるコツ
暗記を効率的に行うのに、もっとも大切なことは集中することです。
集中するためには「目標を決めること」と「飽きないように工夫すること」が大切です。
集中する
覚えるために最も大切なことです。
集中しないと、多くの時間を使っても得るものは少ないです。
集中するために必要なことは全部で3つあります。
覚える範囲と時間を決めておく
覚える範囲と時間を決めないと、勉強をダラダラやりがちです。
15分で50個の単語を覚えるというように具体的に決めると集中できます。
本当に暗記が苦手で全く集中できないという中学生なら、一つの単語を10秒で覚えるというトレーニングから始めてもOKです。
狙う成果と時間を明確にしておくことが大切です。
テストをして成果を常に意識する
暗記について書かれている本やサイトには、おすすめの暗記方法として、書くことや読むことが挙げられています。
書いたり、声に出して読んだりすることで覚えやすくなります。
しかし、考えずに、作業にすると全然覚えられません。
おすすめの方法
テストをする
↓
覚えている知識と覚えていない知識を分別する
↓
覚えていない知識だけを覚える
↓
テストする
このサイクルを行うことで、ボーっとすることを防ぐことができます。
このようにテキストや単語帳を眺めるのではなく、テストをして、覚えていないところを覚え直して、再度テストを行う方法がオススメです。
前日の復習から始める
集中力のピークは時間の経過とともに徐々に上がっていきます。
最初は面倒臭いなと思っていたことが、徐々に夢中になっていき、気付いたら結構な時間がたっていたという経験は多くの人にあると思います。
暗記も同じで、勉強を始めた直後は、なかなかエンジンがかかりません。
「暗記をやろう‼」と教材を広げてみたけど、最初から難しい単語や漢字だと、集中をする前に嫌になってしまいます。
おすすめは前日の復習から始めることです。
前日に暗記した知識であれば、わからないものは少ないはずです。
最初から新しい知識を覚えようとするよりも、少ないストレスで始めることができます。
さらに反復も兼ねることができるので、知識の定着も図ることができます。
環境を整える
集中するために、環境は大事です。
弟や妹の泣き声、洗濯機や掃除機などの生活音が、うるさいから集中できないという人がいます。
しかし、静かな環境で勉強をすることに慣れない方が、いいと思います。
なぜなら入試会場が静かで、一切の物音がしない環境である可能性は、非常に低いからです。
答案用紙に書くときの鉛筆のカリカリした音が異常に大きい受験生。
問題用紙をパラパラめくる音が異常に大きい受験生。
どれだけ鼻詰まっているの?と疑うほど鼻をかみ続ける受験生。
このような受験生が入試会場には結構います。
他にも隣の席で貧乏ゆすりをしている受験生。
問題文を読みながら小声で「うん。うん。」と言いながら解いている受験生がいることもあります。
一回気にしたら、気になる音は試験会場に溢れています。
集中する環境として、多少の雑音には慣れた方が良いです。
ここでいう環境とは、暗記を阻害するものが目に見えるところに置いていない空間です。
つまりスマホやゲーム機が、目に見えなくて、手の届かない空間をつくることが大事です。
暗記以外にできるものがあると、つい暗記以外のことをしてしまいます。
「自分は誘惑に弱い」という意識をしっかりと持てるかで成果は変わります。
飽きないように暗記の方法を工夫する
覚える範囲を分割する
暗記が苦手な中学生が単語50個を一気に覚えようとしても、なかなか覚えられません。
以下は暗記が苦手な中学生の行動パターンの例です。
数が多いので、覚えられない。
↓
できないからつまらない。
↓
飽きてきてボーっとする。
↓
練習してないからできない。
↓
できないからつまらない。
↓
さらにボーっとする。または、嫌になり投げ出す。
結果、何も習得できないということになります。
一方、覚えることが得意な中学生は、単語50個を一気に覚えるようなことはしません。
50個の単語を覚える場合も、5ずつ10個のグループに分けて覚えるというような工夫をしています。
覚える範囲を分割する方法
「記憶というのは先に覚えたものが、後に覚えたものを打ち消す性質」と「後に覚えたものが、先に覚えた思えたものを打ち消す性質」があります。
試しに制限時間5分で自分の知らないワードを10個覚えてみてください。
その後、覚えた10個を一気に書いてください。
思い出せない言葉は、きっと真ん中のあたりだと思います。
最初と最後の3つくらいは書けたけど、途中の3,4個が書けないという人が多くなるはずです。
つまり最初と最後は記憶に残りやすく、途中は忘れやすいということです。
暗記が得意な子どもは、この性質を利用しています。
10個をまとめて覚えるから途中が抜けます。
そこで、途中を作らないように分けるわけです。
最初と最後の3個ずつが覚えられるのであれば、5個セットで2つのグループにすることで真ん中がなくなるので穴が抜けます。
スムーズに覚えられるようなり、ストレス軽減が可能になります。
工夫をすることで脳が活性化されて覚えも早くなり、しっかりとした知識に変換されます。
覚えるときは「見る」・「書く」・「読む」を同時に行う
ひとつの作業だけを行うと飽きます。
いろいろな要素を加えることで飽きずに暗記をすることができます。
また、さまざまな器官を使うことで脳は刺激されるため学習効率が上がることはご存知だと思います。
反復を作業にしない
毎日、塾に来る子どもに対しては、毎日暗記をさせています。
しかし、それでも点数が伸び悩む子どもはいます。
見ていると、そういう子ども達は、反復をただの作業にしているように見えます。
頭を使って覚えていないように見えます。
とりあえず書いて、間違いを直したという子どもは、一応、毎日勉強をしているので、悪い点数は取りませんが、良い点数も取れません。
一方、テストで高得点を取る子どもは、毎回をフレッシュな取り組み方で臨んでいます。
たとえば昨日は2問間違えたけど、今日こそ全問正解してやるというようなテンションで行っているように見えます。
漢字の暗記をしていても、毎回しっかりと問題文を見ながら書いています。
それに対して、取りこぼしが多い子ども程、漢字の部分しか見て練習していません。
反復を作業にしないためには
①逆から練習する
②順番をバラバラに練習する
ということがおススメの方法です。
これらの方法は、しっかりと覚えていないと戸惑います。
絶対に覚えていたはずのものが「ええと…。」となります。
これが脳を刺激します。
色々な角度から見ることでさらに脳を刺激し、記憶が定着しやすくなります。
注意点としては、これらの方法は一度覚えたものを復習するときに有効な方法だということです。
勉強の最初は、まずは覚えるという部分に重点を置かないと、勉強が嫌になってしまいます。
順番で覚えることも記憶するためには有効なので、最初のうちは順番通りに練習しましょう。
しかし、同じ順番で練習をし続けると、順番ごと記憶が固定するようになります。
たとえば、アルファベットを覚えた時を思い出してください。
順番があった方が、覚えやすいはずです。
けど、その順番でしか練習していないと、辞書をひくときに苦労します。
毎回毎回、「OPQRSTU…あっ!もっと後ろだ‼」という風にやっていませんでしたか?
継続する
集中できるようになると、勉強当日は覚えることができます。
しかし覚えた知識を積み重ねていくには、継続と反復が必要です。
ここでは継続と反復をしやすくする方法を紹介します。
やる気に期待しない
自分の力を信頼することは大切です。
自分ならできると思って勉強をするのと、勉強をしてもどうせ無理だと思って勉強をするのでは成果は大きく異なります。
ただ自分を信用しない方がいいです。
人間は弱いです。
行動のきっかけは気持ちではなく習慣にすることが長続きの秘訣です。
暗記する時間・場所を決める
習慣化するためにおススメの方法が時間と場所を決めることです。
理想は、「毎日22時半から英単語30個暗記」というように毎日同じ時間に暗記を行うことが望ましいです。
毎日、同じ時間に暗記をするのが難しいなら、一週間単位でやる時間を決めておくと良いです。
たとえば月・水・金曜日は22時半、火・木・土曜日は22時というように曜日ごとに決めておくと迷わずに済みます。
行動の順番で決めるというのも習慣化につながります。
たとえばお風呂→暗記→歯磨き→就寝というように行動の順番を決めることで習慣化につながります。
記録する
最初から完璧にすべてを行うことは難しいです。
そこで勉強の予定・実際に行ったことをカレンダー・手帳・ノートなどに記録することで振り返りができます。
記録しておくと、最初は週に2日しかできなかったものが3日、4日と増えていくことが視覚的にわかります。
見返すことで反省もできますし、成長を実感できれば自信にもつながります。
東都ゼミナールなら
暗記を効率的に行うために必要なことは、誰にでもできることです。
しかし実際にひとりでできる中学生は少ないので、誰かのサポートが必要なケースが多いです。
小学生の間は学習の量・内容ともに保護者が頑張ればどうにかできるかもしれません。
ところが中学生になると学習量が大きく変わります。
共働きのご家庭、介護をしている家庭、小さい子どもがいるご家庭では子どもの全ての学習管理をすることは非常に困難だと思います。
東都ゼミナールでは学習内容の定着を目標に指導しています。
そのために授業日の翌日に演習日を設けて
①効果的な勉強のやり方の指導
②塾で暗記の管理
③確認テストで成果を確認
④不完全な場合は追試でフォロー
授業に加えて、普段の学習管理を行うことで、暗記ができるサイクルを作っていきます。
さらに日々の学習の継続性を確保するために、月曜から土曜の14時~22時の間はオンラインでも実際の教室でも自習対応を行っています。
基本的に自由参加ですが、希望する進路、成績状況、学習の定着度に応じて強制的に呼び出すこともあります。
まとめ
暗記で大切なことは「集中」「継続」「反復」です。
集中するには
①暗記をする範囲と覚える時間を決める
②テストをして、成果を意識する
③前日の復習から始める
④環境を整える
反復するには飽きないように勉強方法工夫することが必要です。
①覚える範囲を分割する
②見る・書く・読むを同時に行う。
③反復を作業にしない。
継続する方法
①やる気に期待しない。
②暗記をする場所や時間を決める
③暗記した内容・時間は記録しておく。
最低限の本人のやる気は必要です。
ただ、やる気だけでは長続きしません。
早い時期から取り組み、習慣化することを目指すことが暗記をできるようにする秘訣です。
もしご家庭だけで上手くいかなければ、我々にお手伝いをさせて下さい。
きっとお役に立つことができます。
暗記ができない‼暗記を全くやらないということにお困りでしたら、下記問い合わせフォームからお問合せ下さい。